地下水位の高い現場をオープンカットで施工した悲劇とは?

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地下水位が掘削床よりも高い場合は
山留めを行なうべきだと強く感じている。

 

しかし

山留めのm数がかなりの長さになる時は
コストの事を考えてオープンで掘ろうと考える人も実際にいる。

 

これは

私の経験した現場ではないが後輩と飲んでいる時に

「やってられませんよ~」

と言っていたので共有しておこう。

 

それは

とある建築面積の広い現場であった。
地下水位が掘削床よりも50~100cm位高いので
確実に掘ったら地下水が出る状態である。

 

そこで

その現場の所長は「オープンカットで掘削」を
選択したのである。理由は「コスト削減」以上。

 

実際に

掘削を行っていくと、水中ポンプを据えながら
なんとか進んでいけるレベルであったが、
一度雨が降ってしまうと、たまり水と周囲からの
湧き水が一気に増大して水中ポンプの能力オーバー
になってしまったのである。

 

すると

土工さんだけでは足りずに職員も水替えを手伝わないと
とてもとても作業ができるような状況では無かったらしい。
来る日も来る日も水替えに追われる日々が続いたのだ。

 

しかし

大変なのは水替えだけでは無かった。
掘削床などに水たまりが出来たりすると周囲の法面の崩壊が
いたる所で始まるのである。

 

今度は

崩壊した法面の土砂を取り除くのに多大な労力が掛かってしまうのだ。
しかも、型枠の組み立て終わった所なら放っておいても品質上問題ないが
鉄筋の組み立てが終了したての状態で、鉄筋の下に土砂が入ってしまったら
非常に取り除くのに労力が掛かってしまうよね。品質的にも放っておくことが
出来ないので、意地でも取らなければイケないから余計に気が滅入る。

 

更に

職員や土工さんたちがこんなに大変な水替え作業を行って
何とか基礎部分が終了したら、所長が

「なんだ出来るじゃないか」

と一言いったときにはブチ切れそうになったと言っていたよ。
コストも大切だけど、その他の部分も合わせてトータルメリット
のある施工方法を選択したほうが現場の能率はきっと上がると
私が常々感じているけどね。

 

つまり

地下水位の高い現場をオープンカットで施工した悲劇とは、
来る日も来る日も、職員を始め土工さんたちが
次々湧き出して止まらない水替えに明け暮れたこと。

 

そして

土砂の崩壊と、復旧のいたちごっこの毎日であったこと。

 

更に

1番悲劇なのは、「なんだ出来るじゃないか」
と感じた上司がいたことである。

品質も作業する人の気持ちもへったくれもない
散々たる結果であったと私は感じているよ。

人の上に立つものはこのような考え方であって欲しいな。

↓  ↓  ↓

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