トレミー管を使用してコンクリートの打設を行うチェックポイント5つ

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場所打ちコンクリート杭にとってコンクリート打設は、
最後のイベントであるし品質的にも重要な部分。

 

そこで

今回は、トレミー管を使用してコンクリートを打設する場合に
気を付けておくべきポイントを5つに絞ってお伝えする。

 

まずは

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」に書いてある内容を確認してみよう。

P.264

(ア) コンクリートの打込みは,トレミー管を用いる。また,コンクリートの打込み開始時にはプランジャーをトレミー管に設置して,コンクリートと泥水等が混り合うのを防ぎ,下部から泥水等を押し上げるように行う。また,トレミー管及びケーシングチューブは, これを引き抜きながらコンクリートの打込みを行う。このときトレミー管及ぴケーシングチューブの先端は,コンクリートの中に常に2m以上入っているようにする。また,トレミー管のコンクリート中への挿入長さが長くなると,トレミー管先端からのコンクリート押出し抵抗が大きくなり,コンクリートの流出が悪くなるので,最長でも9m程度にとどめておいた方がよい。

(イ) ケーシングチューブを急速に引き抜くと,コンクリートに泥水を巻き込むことになるので十分に注意をしなければならない。

(ウ)  コンクリート打込み時に,その浮力等で鉄筋かごの浮上がりが生じる場合があるので注意する。
また,コンクリートがある程度打ち上がってから,今まで動かなかった鉄筋かごが共上がりし始めることもあるので十分注意が必要である。

 

ということで、建築工事監理指針には3つのポイントが
あがっている。

 

1つ目は

トレミー管のコンクリートへの侵入長さは2m以上、9m以下にすること。

 

これは

良質のコンクリートを打設するためには、掘削孔中の泥水と
コンクリートを極力混ぜないようにするのが得策であるということ。
最初に打設する不良部分を含むコンクリート以外は、
既に打設したコンクリートの中に、新たに打設することで
泥水との交わりを防ごうという原理。

 

ここで

トレミー管の侵入長さの管理を怠ってしまうと、
不良コンクリートが余盛り部分だけでなく全体に及ぶ
可能性があるので注意すべきポイントだよ。

 

2つ目は

ケーシングチューブは急激に引き抜かないこと。

こちらも、せっかく慎重に打設したコンクリートを、
杭周辺に設置してあるケーシングチューブを急激に
引き抜くことで硬化する前に泥水と混ぜてしまう危険性がある。

 

だから

出来るだけそーっと抜く必要があるよ。

 

3つ目は

打設中の鉄筋かごの浮き上がりに注意すること。

一般的に、杭の掘削孔は安定液で満たされている。
そこに、コンクリートを打設することにより、安定液を
コンクリートに置き換えているのである。

 

そして

当然の事かも知れないけど、安定液とコンクリートでは
比重が違うので、コンクリートを打設することにより、
打設前の状態に比べ、打設の方が掘削孔の比重のバランスが
崩れやすい。

 

だから

打設中に鉄筋かごが今までのバランスを崩して
浮き上がって来ることがあるので注意してね。

 

4つ目は

打設ピッチが早いので事前にコンクリートプラントとの調整が
必要不可欠ということで、始めて管理をするときに起きやすいね。

杭の掘削が完了してから当たり前のように生コンプラントに

「明日の朝から打設するから宜しく!」

みたいに言ってしまったりする。

 

これが

事前に打ち合わせ済であれば「分かりました」でおわるが
もしも、調整不足であれば

「そんな、急に言われても無理ですよ!」

と言われるのがオチ。

 

なぜなら

杭のコンクリート打設というのは普通の躯体のコンクリートに比べ
打設するピッチが早いのが特徴的である。

 

つまり

短時間で打設ピッチを上げようとすれば「生コン車」の
台数をしっかりと確保しないといけないのだ。

 

だから

掘削中のトラブルで打設のタイミングがずれると判断したら
すぐさま生コンプラントに連絡して、打設の予定を変更しよう。

この段取り1つで、工程も大きく変わるからね。

 

最後に

検尺をこまめに行って計画と実施のズレを確認すること。

 

これは

最初の1の項目を管理する為のポイントだけど、
なぜ、敢えて言うかといえば、どんなに立派なことも

「実際に行動として表さないと結果は0だから」

 

つまり

頭ではいくら理論として分かっていても「出来ない」のであれば
ぜーーーーったいに結果として表れないよ。ということ。

 

だけど

私は誰にでもそんなことは言わないよ。

ここまで長い文章を最後まで読んでくれたあなただけに言っているからね。

 

つまり

トレミー管を使用してコンクリートの打設を行うチェックポイントは、

  1. トレミー管のコンクリートへの侵入長さは2m以上、9m以下にすること
  2. ケーシングチューブは急激に引き抜かない
  3. 打設中の鉄筋かごの浮き上がりに注意する
  4. 打設ピッチが早いので事前にコンクリートプラントとの調整が必要
  5. 検尺をこまめに行って計画と実施のズレを確認すること

これらの項目は、場所打ちコンクリート杭の品質に大きな影響を
与えることになるので、こちらの記事も合わせて確認しておこう。

↓  ↓  ↓

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