捨てコンクリートの役目って「基礎の墨」を出すために必要だよね?
他にどんな理由があるの?
と考えているあなただけ読み進めてほしいのが今回の記事である。
まずは、鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]
に以下の内容が記載されているので確認して欲しい。
(1 ) 基礎の地業の厚み(参考)
基礎の下は. 杭打ちの有無にかかわらず, 通常,敷込み砂利(割ぐり)・捨コンクリートが施工される.
特別な条件がない限り,敷込み砂利60 mm 以上.捨コンクリート50mm 以上とするのがよい.支持地盤によっては,これら地業の一部は不必要なこともあり,岩盤や良質な砂れき地盤を基礎の支持地盤とする場合などでは,捨コンクリートだけとして敷込み砂利を設けないことがある.
捨コンクリートは,地下階を有する建物の場合では,施工面から山止め壁の根からみとしたり.太径鉄筋を用いる先組工法の場合には,局部荷重を受ける支持材として利用することがある.このような場合は,捨コンクリートの厚みを増したり, 柱筋などの重量を受けるための基礎下の捨コンクリート内に溶接金網を配筋して局部的な荷重に対処するなど, 設計・施工の両面から検討して仕様を決める.
このほかに捨コンクリートは, 柱心・基礎梁心やコンクリート外面などの墨出しに利用したり,柱筋などの乗直初度や位置の確保などの役目も負っている,このため.捨コンクリートは全体的にレベル差のない,かつ, 凹凸のない平滑な仕上がりとし, 基礎や基礎梁の底面の縁より100 mm 以上の余裕をもつ広さで打ち込むのが望ましい.
まずは
基礎や柱などの位置を出して施工をしやすくするという、
あなたが一番初めに思いつく内容も書いてあるよね。
現場でよくあるのが、墨出しをしていたら捨てコンクリート
の中に躯体が納まっていなくて、再度部分的に打設する。
その時は打設用の作業員がいないので監督自ら行なう。
みたいなことを入社した当時はやっていた記憶があるよ。
次に
型枠を建て込みやすくするためであり、通常捨てコンクリートは
躯体から両側に100mmずつ余裕をみて打設するのだけど、
型枠の建込みを行なうには躯体から使用する材料にもよるけど、
コンパネと桟木で52~62mm必要である。
その寸法の間でコンクリート釘で固定できるだけの余裕が
捨てコンクリートには必要である。
3つ目は
山留め壁の根がらみとするためであるが、捨てコンクリートも
一般的に計算にもよるが、厚さ150mm以上打設すると
山留めの切梁の代用にも成りうることもあるのだ。
こちらについては、別で記事にしているので最後に紹介するよ。
長くなりそうな気がするので続きはまた次回にね。
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