鉄筋の加工で熱曲げ加工やアーク溶接をしてはイケない理由とは?(1)

Sponsored Links
/* */

 

前回は、鉄筋の加工についてお話をしたが途中から脱線をしてしまった。
少し弁解させて頂きたくと、別に綺麗事を言いたかったわけでもなく、
経験上、大なり小なり波にのまれてしまうことはあなたにもきっとあるはず。
私自身も、そういった面を当然持っているし、実際に痛い目にもあってきた。

 

だから

あなたにはきちんとした判断基準を持って欲しい。

という事をお伝えしたかったのだけど、そろそろ本題に戻ろう。

 

まず

「鉄筋を加工場で溶接して先行組立を行いたいのですが?」

という要望を鉄筋業者さんから言われたらあなたならどうする?

 

もしかしたら

「鉄筋は溶接してはイケないよ」

と言って却下するかも知れないし、特に考えずに「OK」するかもね。
でも、私は「YES」でも「NO」でもない答えをあなたに期待したい。

 

それは

「どんな機械で溶接しようとしているのか?」

という事を確認して欲しい。

 

なぜなら

溶接方法によっては鉄筋の品質に悪影響を及ぼす可能性のある
工法も有るので注意が必要だからである。

 

例えば

アーク溶接の点付け溶接による先行組立を行うと、溶接時に
アークストライクが発生して鉄筋が断面欠損する恐れがある。

鉄筋の断面欠損は必要応力が確保できないため
強度不足に直結し品質問題を巻き起こしてしまうのだ。

 

だから

鉄筋の先行組立時における溶接に関しては「NG」という認識を
持たれている方がいるのである。

 

しかし

電気抵抗溶接を使用すれば断面欠損は発生しないので、
「どんな機械を用いて溶接するか?」が重要になってくるのだ。

 

だから

事前に鉄筋加工場の設備を確認したりして「所定の品質」を
確保することが出来るのか?についてのチェックが必要だね。

加工場の設備に、電気抵抗溶接を行う機械の記載が無くて
実際に加工場に行ってみると、コソッと溶接機が置いてある場合は
アーク溶接で点付け溶接をしようとしている可能性があるから要注意だよ。

 

つまり

鉄筋の加工で絶対にしてはいけない2つの方法とは、

  • 熱して鉄筋を加工すること
  • 鉄筋に対してアークストライクを起こすような溶接を行うこと

としており、原因としては「入熱による性質の変化」「断面欠損」
の恐れが非常に高いからである。

 

しかし

溶接金網などにおいて、実際に鉄筋同士を溶接にて固定しているが、
そういった場合は「アーク溶接」ではなく「電気抵抗溶接」を使用すると
断面欠損の恐れがなくなるので、鉄筋を先組して配置する場合などで
覚えておくと役に立つ時もあるかもね。

 

あっ、そうそう。

「溶接」と言えば過去にこんな記事も書いたので合わせて読んでみてね。

↓  ↓  ↓

  • コメント: 0
banner11

Sponsored Links


関連記事

  1. ガス圧接の常識は縮むこと!常識が引き起こす3つの弱点とは?

  2. 鉄筋の定着と継手の定義と基本的な考え方を確認しておこう

  3. フラットデッキを床型枠に使用する場合に注意すべき3つのポイントとは?

  4. 基礎と柱のかぶりが違うから私が気に入らない件とは?

  5. コンクリート打設でトラブルになりそうなポイントとは?(梁・スラブ編)

  6. 高炉セメントB種(BB)のコンクリートを採用するメリットとは?

  7. 鉄筋のスペーサーは部位ごとに事前に仕様を打合せた方が良い理由(2)

  8. 地下水位の高い現場で山留めを計画する時に留意すべき事とは?

  9. 現場で余ったコンクリートは廃棄されるのか?リサイクルされるのか?

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

プレゼント付無料講座開催中

kouza
仮設 syoseki

プロフィール

myImage

作者:TM


私の職業は「建築現場の現場監督」。
何だかんだで15年働いている。
その15年分のノウハウを若い現場監督さんのために、全て暴露しくよ。

なぜ、キツイ建設業界で働き続けているのか?
その秘訣がしりたいあなたは
今すぐこちらをクリック

↓ ↓ ↓

詳しいプロフィールはこちら


あっ、
ただし「社外秘」や「会社独自の技術」じゃ無いよ。
あくまで、「私個人の感じる本音」だよ。

最新記事・おすすめ記事

  1. 鉄骨工事の中で自然と行われている「環境的な配慮」とは?

    2023.04.10

  2. 鉄骨の製品検査に工事監理者さんを連れていくのは当たり前なのか?

    2023.04.03

  3. 鉄骨工事の工事現場施工要領書に関するチェックのポイントとは?(…

    2023.03.27

  4. 鉄骨工事の工事現場施工要領書に関するチェックのポイントとは?(…

    2023.03.20

  5. 鉄骨工事の工事現場施工要領書に関するチェックのポイントとは?(…

    2023.03.13

  1. 一級建築士の資格勉強を始める時期はいつからか?という悩み

    2020.08.07

  2. 在宅勤務になり建築現場に配属されない時の学習方法は?という悩み

    2020.04.20

  3. 最上階の梁の定着は一般解の梁と何が違うのか?

    2019.02.15

  4. TMです。新年明けましておめでとうございます。【悩める建設マンへ】

    2019.01.01

  5. 工事写真をスマホで管理する時代が到来!Photo Manager(2)

    2017.10.09

人気記事ランキング

月間週間デイリー

ブログランキング

にほんブログ村 住まいブログ 現場監督へ