コンクリートの硬化に本当に必要な水の量はセメント質量の○%!

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コンクリートがあなたが知っているようにメッチャ硬くなるのは
セメントと水が水和反応を起こすからです。

骨材と呼ばれる砂や石たちと水が混ざっても「濡れる」
だけですから、強度には影響しますが「固まる」原因ではありません。
公園の砂場の砂に水を掛けるとある意味固まりますけどね。
乾くとまた元通りになってしまうので今回はカウントしません。

 

すると

コンクリートをより良く固めるためにはセメントと水の配分が重要です。

 

例えば

先程の砂場を例に出しますと、砂を固めるのに水が多すぎると上手く固まらず、
ベチャベチャな状態になりますし、逆に水が少なければバサバサになりますよね。

このセメントの水和反応に必要なちょうど良い割合というのは、
実はセメント質量の40%と言われています。

 

では

「残りの60%の水って必要ないじゃん!」

とあなたは感じるかも知れませんが、全く不必要という訳でもありません。

 

例えば

バケツの中で混ぜることを想像すると分かりやいと感じますが、
ベチャベチャの状態でも水が多い方が混ぜやすいですよね。
反対に水分が少ないと非常に混ぜにくいです。
ボソボソで混ぜれたものでは無いでしょう。

これが、コンクリートのワーカビリティーなのです。

 

すると

コンクリートを打設するためには、ある程度セメントと反応する以外にも
ワーカビリティーを改善するために必要な水もあるのです。
一般的には「余剰水」と言われるのですが、水和反応には「余剰」ですが
コンクリートを打設するためには「必要」なのですね。

 

ただし

「余剰水」が多いとブリージングを起こしたり、乾燥収縮が多かったり
コンクリートの品質としては悪くなるので、施工できる限界値で
水の量を減らすのがトータルで良いと考えています。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

 

P.377

(3) 水

(ア) 水は、コンクリートの凝結時間、硬化後のコンクリー卜の強さ等の諸性質、鋼材の発錆等に影響があり、極めて重要な材料といえる。

(イ) 一般的に、セメントの水和に必要な水量は、セメント質量の約40%といわれ、施工時に必要な水量の内、残りの部分はコンクリートのワーカビリティーを良くするものであり、コンクリートの硬化に関与しない余剰水となる。また、単位水量が多いと乾燥収縮が大きくなったり、透水性が高くなり、耐久性が低下しやすい。

(ウ) 水中の不純物が鉄筋コンクリートに与える影響

(a) 一般的に、アルカリ性の強い水はセメントの凝結を遅くし、弱酸性の水は凝結を早め、強酸性では硬化しにくくなる。
(b) 苦土や石灰は、セメントの安定性を低下させる。
(c) 塩化物や塩素は、鉄筋の腐食を助長する。
(d) 水の不純物の種類と量の限度は、使用するセメントの組成、使用量等によって異なり、規定しにくいとされているが、濃度が1,000ppm以下ならば、ほとんど影響がないといわれている。

 

つまり

コンクリートの硬化に本当に必要な水の量はセメント質量の40%です。
セメント量の最小値が270kg/m3であれば、必要水量は108kg/m3となるので
単位水量の最大値が185kg/m3であれば77kg/m3は余剰水という事です。

 

しかし

この77kg/m3が全く必要ない水か?と言われればそうではなくて
ワーカビリティーを良くするために必要なのです。余剰水が無いと
とても建築現場で打設できるレベルのコンクリートにはならないはず。
「品質」と「施工性」の良し悪しな所でせめぎ合っていますよね。

 

ちなみに

あなたの現場では「安全」と「施工性」もせめぎ合っていませんか?
こちらの記事をよんで「後悔」しないようにして下さいね。

↓ ↓ ↓

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