型枠に設置する垂直スリットで絶対にやってはイケない失敗とは?

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タイトルにも書きましたが、型枠に設置する垂直スリットで絶対に
してはいけない失敗とは何でしょう?

 

答えは

「設置し忘れる事!」

とあなたは頭に浮かんだかも知れませんが、確かにやってはいけませんが、
基本的に設置してある前提で回答をお願いしますね。

 

なぜなら

ある意味、設置し忘れた場合よりも、程度によっては修繕に掛かる
被害が大きいという可能性があるからです。

 

では

私が考えている最大の失敗とは、
「垂直スリットが脱型後に曲がっている」

という現象です。

 

原因としては

  • 垂直スリットを固定する目地棒自体を留める釘のピッチが荒く、コンクリート打設中に目地棒が外れてしまうから
  • 壁厚のある場合は、スリットをセパレーターと固定する金物がメーカー推奨になっていますが、その支持金物を適切に使用していないから
  • コンクリート打設中に垂直スリットの片側からのみコンクリートを打設する事により、圧力の均衡が取れずに垂直スリットが耐えきれなくなるから
  • 単純に壁厚に対する垂直スリット、固定用の目地棒のサイズが適切ではないから

などが挙げられますが、対応策とすれば先程記載した内容の逆をすれば良く、
それぞれのやり方については、各垂直スリットのメーカーの「施工上の注意」
などの注意書に具体的に記載知れているはずなので、あなたの使用する
メーカーに合わせて対応して下さいね。

 

ここで

上記のような理由が原因で曲がってしまった垂直スリットの運命は
一体どうなるのでしょうか?仕上げによっては「無罪放免」もあるのか?

についてですが

 

確かに

仕上げ材がコンクリートと直接触れ合わない「乾式工法の石張り」
などの場合は、無罪放免になる可能性はありますが、タイル張り、吹付
などの仕上げの場合は1度垂直スリットをハツりとって入れ直しという
処置になる可能性が非常に高いです。

 

なぜなら

垂直スリット部分は他のコンクリート部分に比べて圧倒的に「動き」が
あるので上からタイルなどを張ってもひび割れが発生するし、
吹付の場合は、単純に見映えとしてNGとなる可能性が非常に高いからです。

 

すると

垂直スリットより広い幅でコンクリートと垂直スリットを除去して、
新しい垂直スリットを設置して無収縮モルタルなどで周囲を充填して、
さらに外部面の場合は「漏水」に備えて防水処理まで行う必要があります。

そう考えると「非常に大変な後処理ですよね」

 

だから

私は極力、垂直スリットがまがるという失敗は起こさないように、
現場を管理した方が良いと考えていますよ。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

 

P.433

(10) スリット材は腰壁や垂れ壁のある建物で、柱が短柱になることを防ぐために腰壁等を柱際で縁を切るために設けるものである(図 6.8.9 参照)。防火区画となる部分に使用する場合は、材質等について注意する。

図 6.8.9 スリット用材料の例

 

つまり

型枠に設置する垂直スリットで絶対にやってはイケない失敗とは、
設置忘れは論外とすると、コンクリートの圧力に負けて脱型後に
曲がってしまってう事です。

垂直スリットが曲がってしまうと、曲がる方向にもよりますが、
構造体の断面欠損など構造特性上必要な機能が満たされない
という可能性もありますし、見た目としても非常に悪いです。

 

更に

補修を行うにしても、一度撤去した後に再度挿入することになる為、
外壁面であれば漏水などの危険性が一気に高まるからです。

 

しかし

修正したら余計悪くなるからと言って、放っておくのはダメです。
この類の失敗は勇気をもって出来るだけ早く対処した方が
良いですから、下記の記事も1つの参考にして下さいね。

↓ ↓ ↓

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