型枠工事で壁開口の組立で事前に確認すべき3つのポイントとは?

Sponsored Links
/* */

 

型枠工事を進める上で、コンクリートの打設の回でも触れたが、
コンクリートを打設する土工さんとの情報共有をはかっておかないと、
打設後にジャンカなどのトラブルを抱える事になるので、
今回は壁の開口を中心にお伝えしていきましょう。

 

まず

開口の下の小口部分を型枠で塞ぐのか?空けたままにするのか?

 

具体的には

開口の幅がある程度広いと、開口の下部にフタされていると
コンクリートが中央までしっかりと充填出来ないリスクが高まります。

 

すると

「大工さん!フタ取って!!コンクリートが入らん!!」

とコンクリート土工さんから言われてバタバタしながら取ったと思ったら、

 

今度は

「あ~!コンクリートが止まらんわ~!大工さんフタしてよ!」

と逆に頼まれるパターンもあるので、どちらが良いか?
はケースバイケースですが、大抵の場合は、大工さんは「どちらでもOK」
なように型枠を加工している事が多いです。

 

 

次に

比較的大きな開口の場合は、型枠を建て込んだ後でも壁を挟んだ向こう側と
材料をやり取りする必要があったり、通路として使用したりするために
「開口」となっている事が多いです。

 

しかし

600mm四方の開口であれば、隣に大きな開口があれば、
先程のような必要はありませんし、型枠の加工の手間を考えると、
「普通に開口のない壁」として組み立てつつも開口部分だけ壁厚分の
枠を入れてコンクリートの堰(せき)を作る場合もあります。

 

すると

型枠を建て込んだ後は、「開口がある」という事を認識出来ません。

その場合はコンクリートを打設中に「何時迄たっても充填できない場所」
であったり、気付かずに打設後に「充填不良」を引き起こしたりします。

 

だから

寸法の小さな開口などがある場合は、コンクリート打設前に
あらかじめ「開口部」と分かるように明示しておくと良いですよ。

 

 

3つ目は

コンクリートの打設とは関係ないですが、開口部廻りには
サッシを取り付けるための「ダキ」などと呼ばれる欠込みがあり、
サッシの形状や廻りの仕上げの種類によって様々なパターンがあり、
その1つ1つを理解して型枠大工さんに明示しなければ行けません。

「まだ、仕上げの事なんて分からないよ~」

という気持ちにあなたがなっているかも知れませんが、
サッシ図とニラメッコしながら格闘する時間を、
是非とも作って頂きたいですね。

 

また

サッシに水切りがつく場合は開口部の下部が外部に向かって
斜めに下がっている納まりになるのですが、
数年後に外壁が劣化してきた時に「漏水防止」にもなるので、
必ず確認しておきましょうね。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

P.439

(d) 窓及び階段は、図 6.8.13 のようにコンクリー卜が盛り上がるのを防ぐために端部にふたをする。窓の場合は、外側へ勾配を付ける。また、小さい窓等の下枠は全閉とし、空気穴を設けてコンクリートの充填具合を点検する。

図 6.8.13 窓及び階段のふたの例

 

つまり

型枠工事で壁開口の組立で事前に確認すべき3つのポイントとは、

  1. 壁開口の下端の型枠で「フタ」をするのか?
  2. 小さい寸法の開口は片面を壁で潰すのか?
  3. 水切り勾配や欠込み(ヌスミ)は適切に入っているか?

 

特に

はじめの2つの項目に対しては、コンクリート打設前に
よく型枠大工さんと打合せした内容を、土工さんに伝えないと、
コンクリート打設当日になって様々なトラブルに
見舞われてしまうので注意して下さいね。

こちらの記事ではコンクリート打設の立場から
書いているので合わせて読んでみて下さいね。

↓ ↓ ↓

  • コメント: 0
banner11

Sponsored Links


関連記事

  1. コンクリート工事の施工計画書の本音と裏側(2)

  2. 独立基礎のはかま筋は独立基礎においては実際には不要なのか?

  3. 生コン車に水を加えて打設しやすくする事が絶対に許されない理由とは?

  4. 試験杭で想定地盤と違っていたらどうする?支持層より高い場合(1)

  5. 当たり前すぎで見過ごしがち!帯筋やあぱら筋等のせん断補強筋の端部フック

  6. コンクリートのワーカビリティーとスランプは無関係なのか!?

  7. 連続梁筋の柱内定着をアンカー納まりにする3つデメリットとは?

  8. 杭工事で電流計のデータが取得失敗したらどうする?

  9. 結束線、段取り筋の品質管理とかぶり厚さの問題

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

プレゼント付無料講座開催中

kouza
仮設 syoseki

プロフィール

myImage

作者:TM


私の職業は「建築現場の現場監督」。
何だかんだで15年働いている。
その15年分のノウハウを若い現場監督さんのために、全て暴露しくよ。

なぜ、キツイ建設業界で働き続けているのか?
その秘訣がしりたいあなたは
今すぐこちらをクリック

↓ ↓ ↓

詳しいプロフィールはこちら


あっ、
ただし「社外秘」や「会社独自の技術」じゃ無いよ。
あくまで、「私個人の感じる本音」だよ。

最新記事・おすすめ記事

  1. 鉄骨工事の中で自然と行われている「環境的な配慮」とは?

    2023.04.10

  2. 鉄骨の製品検査に工事監理者さんを連れていくのは当たり前なのか?

    2023.04.03

  3. 鉄骨工事の工事現場施工要領書に関するチェックのポイントとは?(…

    2023.03.27

  4. 鉄骨工事の工事現場施工要領書に関するチェックのポイントとは?(…

    2023.03.20

  5. 鉄骨工事の工事現場施工要領書に関するチェックのポイントとは?(…

    2023.03.13

  1. 一級建築士の資格勉強を始める時期はいつからか?という悩み

    2020.08.07

  2. 在宅勤務になり建築現場に配属されない時の学習方法は?という悩み

    2020.04.20

  3. 最上階の梁の定着は一般解の梁と何が違うのか?

    2019.02.15

  4. TMです。新年明けましておめでとうございます。【悩める建設マンへ】

    2019.01.01

  5. 工事写真をスマホで管理する時代が到来!Photo Manager(2)

    2017.10.09

人気記事ランキング

月間週間デイリー

ブログランキング

にほんブログ村 住まいブログ 現場監督へ