型枠工事で壁開口の組立で事前に確認すべき3つのポイントとは?

 

型枠工事を進める上で、コンクリートの打設の回でも触れたが、
コンクリートを打設する土工さんとの情報共有をはかっておかないと、
打設後にジャンカなどのトラブルを抱える事になるので、
今回は壁の開口を中心にお伝えしていきましょう。

 

まず

開口の下の小口部分を型枠で塞ぐのか?空けたままにするのか?

 

具体的には

開口の幅がある程度広いと、開口の下部にフタされていると
コンクリートが中央までしっかりと充填出来ないリスクが高まります。

 

すると

「大工さん!フタ取って!!コンクリートが入らん!!」

とコンクリート土工さんから言われてバタバタしながら取ったと思ったら、

 

今度は

「あ~!コンクリートが止まらんわ~!大工さんフタしてよ!」

と逆に頼まれるパターンもあるので、どちらが良いか?
はケースバイケースですが、大抵の場合は、大工さんは「どちらでもOK」
なように型枠を加工している事が多いです。

 

 

次に

比較的大きな開口の場合は、型枠を建て込んだ後でも壁を挟んだ向こう側と
材料をやり取りする必要があったり、通路として使用したりするために
「開口」となっている事が多いです。

 

しかし

600mm四方の開口であれば、隣に大きな開口があれば、
先程のような必要はありませんし、型枠の加工の手間を考えると、
「普通に開口のない壁」として組み立てつつも開口部分だけ壁厚分の
枠を入れてコンクリートの堰(せき)を作る場合もあります。

 

すると

型枠を建て込んだ後は、「開口がある」という事を認識出来ません。

その場合はコンクリートを打設中に「何時迄たっても充填できない場所」
であったり、気付かずに打設後に「充填不良」を引き起こしたりします。

 

だから

寸法の小さな開口などがある場合は、コンクリート打設前に
あらかじめ「開口部」と分かるように明示しておくと良いですよ。

 

 

3つ目は

コンクリートの打設とは関係ないですが、開口部廻りには
サッシを取り付けるための「ダキ」などと呼ばれる欠込みがあり、
サッシの形状や廻りの仕上げの種類によって様々なパターンがあり、
その1つ1つを理解して型枠大工さんに明示しなければ行けません。

「まだ、仕上げの事なんて分からないよ~」

という気持ちにあなたがなっているかも知れませんが、
サッシ図とニラメッコしながら格闘する時間を、
是非とも作って頂きたいですね。

 

また

サッシに水切りがつく場合は開口部の下部が外部に向かって
斜めに下がっている納まりになるのですが、
数年後に外壁が劣化してきた時に「漏水防止」にもなるので、
必ず確認しておきましょうね。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

P.439

(d) 窓及び階段は、図 6.8.13 のようにコンクリー卜が盛り上がるのを防ぐために端部にふたをする。窓の場合は、外側へ勾配を付ける。また、小さい窓等の下枠は全閉とし、空気穴を設けてコンクリートの充填具合を点検する。

図 6.8.13 窓及び階段のふたの例

 

つまり

型枠工事で壁開口の組立で事前に確認すべき3つのポイントとは、

  1. 壁開口の下端の型枠で「フタ」をするのか?
  2. 小さい寸法の開口は片面を壁で潰すのか?
  3. 水切り勾配や欠込み(ヌスミ)は適切に入っているか?

 

特に

はじめの2つの項目に対しては、コンクリート打設前に
よく型枠大工さんと打合せした内容を、土工さんに伝えないと、
コンクリート打設当日になって様々なトラブルに
見舞われてしまうので注意して下さいね。

こちらの記事ではコンクリート打設の立場から
書いているので合わせて読んでみて下さいね。

↓ ↓ ↓

 前回の柱編に続いて今回は「壁編」です。今回は壁の中でも特に「開口」にテーマを絞りましょう。 なぜなら壁の開口部は打設中にも、上手くいったと思った打設後にも「失敗だ~!」と感じる場面が非常に多いからです。 まず比較的幅の広い開口部は、...
コンクリート打設でトラブルになりそうなポイントとは?(壁編) - 負けるな新人!目指せ所長!0から始める建築現場...

型枠工事の1番のポイントを敷桟にあるとTMが考える理由とは?

 

コンクリートの打設が終わった次の日は9割の現場で
「墨出し」を行います。

 

その後に

各型枠を建て込む所のレベルを計測しているのではないでしょうか?

 

それから

型枠を建て込む箇所に「敷桟」と呼ばれる「土台」のような物を
最初にセットした上に型枠のパネルを建て込んでいきます。

 

ここで

実は、私は「敷桟」は型枠工事の上で1番重要なのでは?と感じています。

 

なぜなら

型枠を組み立てる前のレベル管理が出来ていないと、
その後に建てる型枠の精度を保つことが出来ないからです。

何事も「土台」の精度が良くなければ、
その後の仕事の精度も上がらないですからね。

 

更に

外部に面する柱などで足元が水勾配ある所などは敷桟部分に
隙間が出来る事が多く、その隙間からコンクリートが漏れ出す
というトラブルが多いからです。

 

例えば

型枠大工さんによって異なるとは感じますが、敷桟の一番下には
「桟木」をコンクリートスラブ面に打ち付けるとします。
その上にパッキン代として10~15mm程度設けて、スラブのレベル差を
一定の間隔で設置したパッキンの枚数によって結果として水平になるように
調整した後に、型枠を建て込んでいくのです。

 

ここで

最初に桟木を打ち付けるは、床と壁との「切付」部と呼ばれる
取り合い部分を直角にするためです。

 

もしも

逆の場合だと、コンクリートがパッキンとパッキンの間隔の間に
生じる隙間からコンクリートが漏れ出すので床と壁との取り合い部分を
直角にするためには漏れ出したコンクリートを除去しなければならないからです。

一番下に桟木を設置した場合でも同様に漏れ出しますが、
平面上にコブが出るような状態になるので、除去する手間は
あまり掛かりません。

 

これは

スラブが水平の場合の話ですが、外部に面した柱の下部などは
水勾配があるために、パッキンの調整代が水勾配の分だけ
大きくなってしまい隙間が空いたままだと、コンクリート打設時に
かなりの量が漏れ出す危険性を秘めています。

 

だから

コンクリート打設前には、水勾配部の柱などの足元の隙間を
入念に確認しておくことをオススメしますよ。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

P.436

(エ) 柱型枠建込み前に柱脚部の清掃水洗い等を行っておく。建込み後には、ごみ・おがくず等が入らない処置をとり、万一入った時は水洗い又はとがらせた鉄筋等で除去する。除去が難しい場合は 下部に掃除口を設ける。

(オ) 型枠組立の例を次に示す。

(a) 柱、梁の例を図 6.8.10 に示す。

(b) 柱、壁の下部の例を図 6.8.11 に示す。

図 6.8.10 型枠組立の例

図 6.8.11 柱、壁の下部組立の例

 

つまり

型枠工事の1番のポイントを敷桟にあるとTMが考える理由とは

  • 型枠を組み立てる前のレベル管理が出来ていないと、その後に建てる型枠の精度を保つことが出来ないから
  • 外部に面する柱などで足元が水勾配ある所などは敷桟部分に隙間が出来る事が多く、その隙間からコンクリートが漏れ出すトラブルが多いから

何事も土台がしっかりしていないと何かのトラブルで
崩壊してしまう可能性が高くなります。
基本の「キ」というのは大切なので、たまにはゆっくりと
基本を思い返してみてはいかがでしょうか?

↓ ↓ ↓

「現場監督のいろは」カテゴリー

コンクリート寸法を標準化するメリットを阻む2大足かせとは?

 

コンクリートの形状がほんのチョッと配慮でサイズが毎フロア揃ったり、
入り組んだ形状を少し増打ちする事で型枠大工さんの労力が劇的に減れば、
あなたは非常に良いと感じませんか?

今の話だけを聞くと、なかなか断る理由が無いかも知れませんが、
現実的にはあまり採用されていないのが実情なのです。

 

では

一体なぜ採用されないのでしょう?

 

先ほど

メリットについてはお伝えしましたが、採用されないのは理由があるはず、
メリットよりデメリットの方が大きければ当然採用されないですからね。

 

そこで

私の中には2つの原因(デメリット)があると考えています。

 

まず

コンクリートの柱や梁のサイズを下の階と揃えて型枠大工さんの労力を
減らす場合においては、デメリットとして見掛けの躯体のサイズアップが
発生するのですが、同時に建物の自重もアップしてしまいます。

 

すると

構造設計者さんが、当初から見込んでいない荷重に対して「楽」だから
増やすと言うことに対して難色をしめすケースが9割位でしょう。
増えた荷重の影響が杭などまで及んだら対応出来ないというのが、
構造設計者さんの本音な所だと感じています。

 

だから

現場の意向の前に、設計者判断によってNGとなるケースが多いです。

 

 

次に

もしも、構造設計者さんがOKを出したとしてもコンクリートの数量増は、
直接的にコンクリート工事の費用の増大につながります。

 

すると

お金を管理している所長などから

「そんなん、こちら側で余計な金掛けて
型枠大工さんを儲けさせとるだけじゃないか!
挽回策が無いなら認めん!!」

と言われる可能性もあるのです。

 

別に

現場の中で誰が偉いとか偉くないとかは気にしたくない所ですが、
何となく立場上弱い位置にいる人へのメリットは採用されにくいです。

この話を読んで「いや、私は違うぞ!」と感じたあなたは
1度実践してみることをお勧めしますよ。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

P.436

(イ) 一般的に、型枠工事の実施に先だち、型枠材料とその仕様の設計を行う。これらは型枠工事の品質、コスト、工程に大きく影響するが、コンクリート寸法の標準化が大きな要素となる。そこで、設計担当者と打合せのうえ、コンクリート寸法をできるだけ標準化する方向で検討するとよい。

 

つまり

型枠工事を軽減するためにコンクリート寸法を標準化する事で
転用を利かすなどのメリットを阻む、構造体のフカシの2大足かせとは?

  • 躯体荷重の増加による構造計算の許容値オーバー
  • コンクリート数量増加によるコストの増

片方は構造設計者よりのNGですが、他方は現場の上司からのNG。
それぞれに言い分があるので何が正解か?はケースバイケースですが、
あまりコストや躯体荷重に影響のない程度なら、一度あえて効率化を
失敗しても試してみることも、経験値としては良いと私は考えていますよ。

こちらの記事のようにね。

↓ ↓ ↓

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現場代理人でやっていくには失敗を多くして欲しい3つの理由とは? - 負けるな新人!目指せ所長!0から始める建築現場...

 

【保存版】躯体図に記載すべき36のチェック項目とは?(チェックリスト付)

 

今回は特に改めて書くと言うよりは、

「え~っと、躯体図チェックする項目ってこれだけだったっけ~?」

という場合に、この記事を思い出してチェックリスト的に
使用して頂けたらと考えていますので、ほぼ説明しませんよ。

 

まず

躯体図に記載すべき内容の大別は以下の5つの項目です。

(a) 構造体の形状、寸法、位置関係
(b) 仕上げ、納まり等の関係
(c) 防水上の納まり
(d) 設備関係
(e) 仮設関係

仮設関係についても、必要に応じて躯体図に記載しておく方が、
現場でのトラブルを防げますし、工事監理者さんにも、やりたいことを
事前に伝えることが出来るので、ギリギリになってダメと言われる
リスクを減らすことが出来るので良いと感じてます。

上記以外の小項目については、
建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さいね。

P.434

6.8.3 型枠の加工及び組立

(1) コンクリート寸法図、型枠の加工及び組立等を次に示す。

(ア) コンクリート工事を行うには、必ず各部のコンクリートの形状及び寸法を詳細に表した施工図を作成する。多くの場合、平面図を中心にし、必要に応じて部分的断面図を補助として記入している。このような施工図をコンクリート寸法図、スケルトン、コンクリート躯体図等と呼んでいる。
コンクリート寸法図は、単にコンクリート型枠作製のためだけでなく、他の関連工事に対しでも基本になる施工図であるから、次の事項を十分検討する。

(a) 構造体の形状、寸法、位置関係

① 通り心、壁心等の基準線からの構造材の位置

② 構造材 (柱、梁、壁、スラブ、基礎、階段等) の形状、寸法、割付け及び符号

③ 軒高、階高及び GL と 1階床高との関係

④ 梁、スラブその他の基準軒高との上下関係

⑤ 打継ぎ箇所

⑥ 構造材相互の取合い

(b) 仕上げ、納まり等の関係

① 仕上げ(左官、タイル目地等)と関連して必要な増打ち等のコンクリート寸法図

② 建具、造作等の納まりによる開口及び周辺の形状寸法

③ タイル、石等の割付けによるコンクリート寸法の増減

④ 躯体に断熱材等を打込みとする場合の寸法

⑤ インサート、ブロック壁の位置及び差し筋の径並びにピッチ、アンカーボル卜、丸環、ルーフドレンその他の取付け金物類の位置

⑥ 打放しのコンクリー卜部分 (化粧目地、伸縮調整目地、ひび割れ誘発目地)

⑦ その他特にコンクリートを欠き込む必要のある場合及びコンクリートに打込みとなるもの

(c) 防水上の納まり

① 屋根面の勾配、パラペット回り等の立上り部分、笠木等の防水の納まり

② 使所、浴室等の防水層の納まり(スラブの高さ、周囲の納まり)

③ エキスパンションジョイントの納まり

④ 水を使用する部分のスラブ勾配や排水

⑤ 地階二重壁内の水抜きパイプ

(d) 設備関係

① 梁、壁等の貫通孔 (スリーブ等)

② 便所、洗面所、浴室等の衛生器具用開口

③ ダクト用の開口

④ 設備機器用機械台及び機械吊上げ用フック類

⑤ 分電盤、端子盤、消火栓、改め口等の開口あるいはプルボックス等のコンクリート打込みとなる箇所

⑥ マンホールの大きさ及び位置 (タラップの位置、二重スラブ内に設置するポンプ類の大きさ)

⑦ 槽類の位置及び総重量

⑧ エレベーター関係

1) ピット内の幅及び深さ

2) 機械室の床開口

3) 敷居受け用ブラケット

4) ガイドレールの位置と取付けボルト

5) エレベーター据付け用の吊上げフック類

6) インジケータ一、押しボタン穴

⑨ 二重スラブ内の水抜き及び通気パイプ、集水桝、スラブ勾配

(e) 仮設関係

① 材料搬出入口 (建物内外への出入口及び上下の運搬用開口)

② 設備用大型機械の搬入開口部、搬入経路及び総重量

③ パイプシャフトの器材搬入口

④ 切張り支柱用開口

⑤ タワークレーン用開口

⑥ 外部足場つなぎ用インサート

(f) その他コンクリートと関連するもの

 

つまり

躯体図に記載すべき36のチェック項目とは?

(a) 構造体の形状、寸法、位置関係
① 通り心、壁心等の基準線からの構造材の位置
② 構造材 (柱、梁、壁、スラブ、基礎、階段等) の形状、寸法、割付け及び符号
③ 軒高、階高及び GL と 1階床高との関係
④ 梁、スラブその他の基準軒高との上下関係
⑤ 打継ぎ箇所
⑥ 構造材相互の取合い

(b) 仕上げ、納まり等の関係
① 仕上げ(左官、タイル目地等)と関連して必要な増打ち等のコンクリート寸法図
② 建具、造作等の納まりによる開口及び周辺の形状寸法
③ タイル、石等の割付けによるコンクリート寸法の増減
④ 躯体に断熱材等を打込みとする場合の寸法
⑤ インサート、ブロック壁の位置及び差し筋の径並びにピッチ、アンカーボル卜、丸環、ルーフドレンその他の取付け金物類の位置
⑥ 打放しのコンクリー卜部分 (化粧目地、伸縮調整目地、ひび割れ誘発目地)
⑦ その他特にコンクリートを欠き込む必要のある場合及びコンクリートに打込みとなるもの

(c) 防水上の納まり
① 屋根面の勾配、パラペット回り等の立上り部分、笠木等の防水の納まり
② 使所、浴室等の防水層の納まり(スラブの高さ、周囲の納まり)
③ エキスパンションジョイントの納まり
④ 水を使用する部分のスラブ勾配や排水
⑤ 地階二重壁内の水抜きパイプ

(d) 設備関係
① 梁、壁等の貫通孔 (スリーブ等)
② 便所、洗面所、浴室等の衛生器具用開口
③ ダクト用の開口
④ 設備機器用機械台及び機械吊上げ用フック類
⑤ 分電盤、端子盤、消火栓、改め口等の開口あるいはプルボックス等のコンクリート打込みとなる箇所
⑥ マンホールの大きさ及び位置 (タラップの位置、二重スラブ内に設置するポンプ類の大きさ)
⑦ 槽類の位置及び総重量
⑧ エレベーター関係
1) ピット内の幅及び深さ
2) 機械室の床開口
3) 敷居受け用ブラケット
4) ガイドレールの位置と取付けボルト
5) エレベーター据付け用の吊上げフック類
6) インジケータ一、押しボタン穴
⑨ 二重スラブ内の水抜き及び通気パイプ、集水桝、スラブ勾配

(e) 仮設関係
① 材料搬出入口 (建物内外への出入口及び上下の運搬用開口)
② 設備用大型機械の搬入開口部、搬入経路及び総重量
③ パイプシャフトの器材搬入口
④ 切張り支柱用開口
⑤ タワークレーン用開口
⑥ 外部足場つなぎ用インサート

 

 

また

エクセル形式でチェックリストを作成しましたので
ダウンロードして活用してみて下さいね。

 

 

この際なので、図面のカテゴリーの記事をおさらいしておくのも
今後の理解を深めるためには非常に大切ですよ。

↓ ↓ ↓

「図面が分かれば一人前」のカテゴリー

型枠に設置する垂直スリットで絶対にやってはイケない失敗とは?

 

タイトルにも書きましたが、型枠に設置する垂直スリットで絶対に
してはいけない失敗とは何でしょう?

 

答えは

「設置し忘れる事!」

とあなたは頭に浮かんだかも知れませんが、確かにやってはいけませんが、
基本的に設置してある前提で回答をお願いしますね。

 

なぜなら

ある意味、設置し忘れた場合よりも、程度によっては修繕に掛かる
被害が大きいという可能性があるからです。

 

では

私が考えている最大の失敗とは、
「垂直スリットが脱型後に曲がっている」

という現象です。

 

原因としては

  • 垂直スリットを固定する目地棒自体を留める釘のピッチが荒く、コンクリート打設中に目地棒が外れてしまうから
  • 壁厚のある場合は、スリットをセパレーターと固定する金物がメーカー推奨になっていますが、その支持金物を適切に使用していないから
  • コンクリート打設中に垂直スリットの片側からのみコンクリートを打設する事により、圧力の均衡が取れずに垂直スリットが耐えきれなくなるから
  • 単純に壁厚に対する垂直スリット、固定用の目地棒のサイズが適切ではないから

などが挙げられますが、対応策とすれば先程記載した内容の逆をすれば良く、
それぞれのやり方については、各垂直スリットのメーカーの「施工上の注意」
などの注意書に具体的に記載知れているはずなので、あなたの使用する
メーカーに合わせて対応して下さいね。

 

ここで

上記のような理由が原因で曲がってしまった垂直スリットの運命は
一体どうなるのでしょうか?仕上げによっては「無罪放免」もあるのか?

についてですが

 

確かに

仕上げ材がコンクリートと直接触れ合わない「乾式工法の石張り」
などの場合は、無罪放免になる可能性はありますが、タイル張り、吹付
などの仕上げの場合は1度垂直スリットをハツりとって入れ直しという
処置になる可能性が非常に高いです。

 

なぜなら

垂直スリット部分は他のコンクリート部分に比べて圧倒的に「動き」が
あるので上からタイルなどを張ってもひび割れが発生するし、
吹付の場合は、単純に見映えとしてNGとなる可能性が非常に高いからです。

 

すると

垂直スリットより広い幅でコンクリートと垂直スリットを除去して、
新しい垂直スリットを設置して無収縮モルタルなどで周囲を充填して、
さらに外部面の場合は「漏水」に備えて防水処理まで行う必要があります。

そう考えると「非常に大変な後処理ですよね」

 

だから

私は極力、垂直スリットがまがるという失敗は起こさないように、
現場を管理した方が良いと考えていますよ。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

 

P.433

(10) スリット材は腰壁や垂れ壁のある建物で、柱が短柱になることを防ぐために腰壁等を柱際で縁を切るために設けるものである(図 6.8.9 参照)。防火区画となる部分に使用する場合は、材質等について注意する。

図 6.8.9 スリット用材料の例

 

つまり

型枠に設置する垂直スリットで絶対にやってはイケない失敗とは、
設置忘れは論外とすると、コンクリートの圧力に負けて脱型後に
曲がってしまってう事です。

垂直スリットが曲がってしまうと、曲がる方向にもよりますが、
構造体の断面欠損など構造特性上必要な機能が満たされない
という可能性もありますし、見た目としても非常に悪いです。

 

更に

補修を行うにしても、一度撤去した後に再度挿入することになる為、
外壁面であれば漏水などの危険性が一気に高まるからです。

 

しかし

修正したら余計悪くなるからと言って、放っておくのはダメです。
この類の失敗は勇気をもって出来るだけ早く対処した方が
良いですから、下記の記事も1つの参考にして下さいね。

↓ ↓ ↓

 現場で自分の失敗を発見。「うわ~、やっちゃった~」でも、まだ誰にも知られていない。今からやり直すとなると明日のコンクリートまでには絶対に終わらない。 「う~ん。どうしよう」という経験って、現場を進めていたら少なからず有るよね。私にだって...
現場で失敗を発見した時にやり直す勇気はあるか? - 負けるな新人!目指せ所長!0から始める建築現場...

型枠大工さんが、マンションの基準階(2階)の加工時で気にする事とは?

 

一般的なマンションの現場は、1階はエントランスや駐輪場などの
共用部を備えていて、実際の部屋は2階から最上階まで同じという
プランが多いので、今回は先述のパターンのマンションをイメージして
読んで頂けると嬉しいです。

では、早速始めていきましょう。

 

まず

型枠大工さんが2階の躯体図を貰いたいという時期は、たいてい
1階と2階の躯体図しか完成していません。もしかしたら、
1階と2階でさえも完成品ではないかも知れませんが…。

 

その時に

型枠大工さんが気にするのは「上階の躯体寸法」なのです。

「この上の階の躯体図あったら欲しいんだけど」

「いやいや、まだ2階も完璧じゃないのに上階の図面なんか無いよ!」

というやり取りを現場事務所で行いながらも、実は型枠大工さんが
知りたい内容は躯体図がなくても構造図があれば大体分かるのです。

 

では

「型枠大工さんが気にしている事は一体何なのでしょうか?」

 

答えは

「基準階で上階に進むにつれ階高、梁の寸法、柱の寸法が
何階と何階でどの様にで変わるか?」

 

具体的には

上階まで寸法が変わらない部材については、転用が多くて材料の質が
持たないという場合を除けば2階の材料がそのまま使えます。

 

しかし

一般的には経済設計をするので、上階に行けば負担する荷重が減るので、
柱や梁の寸法は小さくて済みます。それに伴い階高も縮まる事もあります。

変化する寸法は50mm程度が一般的ですが、変化する階で
何をどの様に加工し直したら良いか?を大工さんは知りたいのです。

あらかじめ今後変化する場所が分かれば対応しやすいように加工したり、
作り替えるにしても最小限の手間で対応できるように加工する事が出来ます。

「先を見据えた効率的な仕事」ですね。

 

だから

躯体図がまだでも、構造図の階高が分かる部分と柱と梁のリストを
渡してあげると大体型枠大工さんの求める情報は満たすことが出来ますよ。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

P.433

(8) 資源の有効活用の面から、型枠は積極的な転用や再使用が望まれる。転用や再使用する場合は、コンクリートに接する面をよく清掃し、締付けボルト等の貫通孔あるいは補修箇所を修理のうえ、必要に応じてはく離剤を塗って用いる。

 

つまり

型枠大工さんが、マンションの基準階(2階)の加工時で気にする事は?
上階に上がっていくにつれて「階高」「柱や梁のサイズ」が
どのように変化していくか?という事です。

 

なぜなら

マンションの基準階で使用する型枠材は基本的に「転用」する計画なので
今後どのように変化していくか?をあらかじめ把握しておくことで、
何階で階高が変わるので柱や壁をいくらカットすべきか?柱が縮まるか?
が分かればお互いに工程に1日余裕を見てあげたりとスムーズに
現場が進む可能性が高いからです。

 

すると

ギリギリになってから「もう1日ないと間に合わない」と言って
工程を書き換える必要もなくなり、予定通りに作業員さんも
確保することが出来ますしね。

工程と作業員さんの確保については違う視点でも記事にしているので
合わせてこちらの記事を読むと理解がより一層深まりますよ。

↓ ↓ ↓

 工程通りに作業員が確保できるのか? 現在の、人不足の建設業の中ではかなり死活問題である。そして、順調に人集めを進めている現場と、 そうでない現場の2極化が進んでいると感じている。 実際に色々な作業員さんや会社の担当者と話をしていると、...
工程通りに作業員を確保するために普段から実践すべき事とは? - 負けるな新人!目指せ所長!0から始める建築現場...

型枠に塗布する「はく離剤」の種類をあなたは確認した事ある?

 

何も処理をしていない素のコンパネで組んだ型枠の中にコンクリートを
流し込んだ後に解体しようとするとコンパネにコンクリートが食い付いて
なかなか解体することが出来ない事があります。

 

なぜなら

コンクリートの中のセメントを含んだ水分が型枠の繊維の中で硬化して、
一体化をしようとするからだと私は考えています。

 

それは

居室である2階のスラブ下にスタイロフォームを打ち込む時に、
何も特別な事をしなくてもコンクリートを打設すると
スタイロフォームがスラブにくっついて落ちなくなるのと同じだと
考えると想像しやすいでしょう。

 

コンクリートが自ら気を効かせて

「この材料とは剥がれやすくしよう」

「この材料は打ち込み材だからしっかり接着しよう」

という事は現実的には無いので、用途と目的にあわせて人間が管理を
する必要があるのは言うまでもありませんよね。

 

だから

コンクリート打設後に「解体」される運命にある型枠材には、
あらかじめ解体されやすいように「はく離剤」を塗布します。

そうです。型枠大工さんが型枠材の建て込み前にローラーや噴霧器で
コンパネに塗り付けているのが「はく離剤」なのです。

 

そして

はく離剤には実は使用する油の成分が「動物性」、「植物性」
を使用している場合があり、それぞれ特徴があります。

 

まず

動物性は、はく離剤としての性能は植物性に比べて高いです。
材料の転用性を重視する型枠材としては非常にメリットがあります。

 

しかし

打設後のコンクリートにも成分が残ることで、タイル張りなどの
仕上げをする場合に、コンクリート表面で仕上げ材とのはく離の恐れが
あるため数年後に「タイルの落下事故」が起きる可能性があるのです。

 

逆に

植物性の場合は、動物性のはく離剤のメリット・デメリットが逆なので
タイル張りなどの仕上げをする場合には適している事になるのです。

 

そこで

1度、型枠大工さんと現在使用しているはく離剤の種類と、
場所ごとの仕上げ材の関係について話し合ってみるのも
数年後に呼び出されて「タイルが落ちた!」と怒られる事を
無くすためには必要だと感じたので今回記事にしましたよ。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

 

P.433

(7) はく離剤は次の性能を有するものとする。

(ア) せき板とコンクリートのはく離性が良好であること。
(イ) せき板あるいはコンクリー卜の成分と反応し、コンクリートに悪影響を与えないもの。
(ウ) 木製せき板のように吸水性のあるものは、その吸水性を減少することができるもの。
(エ) はく離剤自身による汚れをコンクリート面に残さないこと。

 

つまり

型枠工事に使用する「はく離剤」は大きく分けて「動物性」
と「植物性」の油を使用したものに大別されます。

「動物性」の油を使用した商品は、性能がよくて転用回数も
延びるので型枠大工さんにとってメリットは大きいですが、
コンクリートの上に施す仕上げ材も「はく離」するかも知れない
というデメリットも併せ持っています。

 

逆に

「植物性」の場合は、性能は動物性ほどではなくても、
仕上げ材との相性は良いです。

 

そこで

最終的に「どんな仕上になるか?」を踏まえながら
型枠の「はく離剤」を決定する事が数年後の「瑕疵」
を防ぐためのポイントになると私は考えています。

つまり、こういう事です。

↓ ↓ ↓

 出来栄えを見てから指摘ばかりの上司や監理者。「おいおい、途中で何度も見ているんだから、 文句があるなら、もっと早く言ってくれよ~!」と、あなたは感じたことは無いかな?私は結構あるよ。 でもね、それはある意味仕方のない事だと受け止めよう。同...
出来栄えを見ないと指摘できない人は素人!? - 負けるな新人!目指せ所長!0から始める建築現場...

締付金物は地域によって違う?あなたの常識はみんなの常識?

 

「えーっ!それって日本全国同じだと思ってました~!」

と日本全国でその地域特有の風習や食生活などを紹介している
日本テレビ系列の「秘密のケンミンSHOW 極」を見ていると
インタビューされている人達が言っているのをよく目にします。

 

きっと

人間というものは、子供の頃から自分の中で「当たり前」として
認識されている事象については、思想的に「みんなにとっても当たり前」
として認識されるように出来ているのでしょう。

 

実際に

私自身も地方にいくたびに、やり方や使用する材料などが違うので、

「へ~っ、この地域ではこの材料を使うんだ~」

と感じることは少なくありません。その中で、一番地域差を感じるのが
「型枠を締め固める金物」です。

 

例えば

広島では端太材に丸鋼管を使用していますが、岡山・山口などの
他の中国地方では角鋼管を使用していたり、
松山の時はその会社だけかも知れませんがアルミ製の角鋼管でした。

また、端太とホームタイを固定する金物も西日本ではハンマー打ちで
固定するタイプを使用している傾向が高いのに対して、関東ではネジ式で
型枠大工さんがラジェットで締めつける傾向が高いなどの特徴があります。

 

別に

私はどの地方のやり方が良いとか悪いとか言っている訳ではありません。

 

なぜなら

その地方地方の考え方やどこのゼネコンから材料一式もらって
型枠大工を独立したからこの材料を使っているなどの成立ちが
それぞれあるからです。

 

そこで

今回あえて記事にしたのは、あなたがもしも、

色々な地方て活躍されている会社に所属していれば地域差があるという
事をあらかじめ意識しておいて欲しいし、

 

その地域のみで活躍されている会社に所属していれば、

「実は他にもやり方が有るんだよ」

と視点を少し広く持って頂きたいからですからね。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

P.432

(6) ボルト式型枠緊張材には各種あるが、図 6.8.8 にその代表的なものを挙げる。

図 6.8.8 各種締付け金物の組立例

 

つまり

型枠工事における締付金物については、実は地域によって
使用しているものが違うのです。

あなたが毎日当たり前の様に接している「常識」は、
実はほかの地方においては「非常識」な事かも知れません。

 

更に

私の知らない他の材料を使用している地域もあるかも
知れませんので、その場合は「レア?な材料」でも
対応できる方が良いですよね。

 

そこで

私の作成している仮設構造計算システムは、「独自の材料」
についても、あなた自身で登録できるようになっているので
全国どこでも対応可能ですよ。

↓ ↓ ↓

フラットデッキを床型枠に使用する場合に注意すべき3つのポイントとは?

 

事務所や病院などは天井裏に設備のダクトや配管などが多いので、
仕上げの天井面から躯体のスラブ面までの高さが1mなど大きく取ります。

 

すると

仕上げの天井高さが3mだとすると階高が4mを越える事が多いので、
普通にスラブをコンパネの在来工法であれば型枠支保工の高さが3.5mを越え、
労働基準監督署に書類は出さないといけないし、型枠支保工の組立、解体も
手間が掛かるので工程は余計に掛かるのでマンション等に比べると労力と手間が
掛かってしまいます。

 

そこで

階高の高い建物で天井の仕上げがある場合によく使用されるのが、
デッキスラブです。

 

デッキスラブを使用すると階高がどれだけたかくても
梁の上からデッキスラブを掛ける事が出来るので手間は掛からず、
スラブ下も余計な型枠支保工が無いため現場もスッキリするので
メリットは大きいです。

 

しかし

メリットだけではありません。デッキスラブを施工する上で、
注意すべきポイントがあるので今回お伝えしていきます。

 

まずは

デッキスラブの端部やつなぎ目部分は若干の隙間を生じます。
だからと言って、この隙間から人が落ちるので注意しましょうと
言っている訳ではありません。

 

実は

デッキスラブの端部やつなぎ目部分からコンクリートの打設時に
ノロ(セメントペースト)が下の階にこぼれ落ちてしまうのです。

 

だから

隙間をテープであらかじめ塞いでおくか、鉄骨造の場合は上の階から
コンクリートを打設する事が出きるか?を検討しておくことも大切です。

 

 

次に

デッキスラブの種類がフラットデッキの場合は、フラットデッキ下部の
「リブ」がコンクリートの打設時の荷重を受けるために構造上
非常に重要な部材です。

 

だから

スリーブ孔と干渉していたとしても、コンクリートの打設前に
切断しないようにしておきましょう。

そうしておかないと、フラットデッキとして期待されている耐力が
得られずにスラブがコンクリート打設中に崩落する危険性がありますからね。

 

 

3つ目に

先程の項目に加えて、デッキスラブで私が1番怖いのが「崩落」です。

 

例えば

デッキスラブの端部を釘止めや溶接などで固定するのですが、
意外とコンクリート打設前にデッキの落下事故につながるのが
「固定忘れ」なので、端部が固定されている事をあなたが確認してから
他の職種の作業員さんを入れる位にしておかないと

「えっ、デッキスラブ固定されてないの?」

と何の気なしに歩いている作業員さんが落下事故を引き起こしますよ。

 

更に

デッキスラブの中間に支保工を設置する場合がまれにありますが、
設置方法を間違えると設置にデッキスラブが落下する危険性が
ありますが、こちらは最後に紹介する構造計算ソフトで内容を
確認してみて下さいね。

 

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

P.428

(3) 床型枠用鋼製デッキプレート (フラットデッキ) について、(一社)公共建築協会では、「建築材料・設備機材等品質性能評価事業」 (1.4.4 (5)参照) の一環として、平成4年の建設省 「建設技術評価」に準じて技術評価の基準を定めて評価を行っている。

設計・施工に当たっては、「床型枠用鋼製デッキプレート (フラットデッキ) 設計施工指針 ・同解説」が参考になる。本設計施工指針では、平成18年版でフラットデッキの材料(鋼材)の機械的性質として引張強さを 295 N/mm2 以上 (平成16年版では 270 N/mm2以上) と改めている。これは、(一社) 日本建築学会「鋼構造設計規準」(2005)に準拠し、鋼材の降伏点又は耐力と引張強さの 70 %のうち小さい方の値をもって許容応力度を決定する場合の基準値とする趣旨を満足するようにしたためである。

フラットデッキの施工上の要点を次に示す。

(ア) 施工荷重によるたわみを考慮して、フラットデッキには 10 mm程度のキャンバー(むくり)が付いている。そのため、梁との隙聞からのろ漏れ等が生じないように施工する。

(イ) RC造・SRC 造の場合のフラットデッキと型枠の接合方法例を図 6.8.3 に示す。
フラットデッキは図中の横桟木で受けるため、横桟木で受けた荷重が縦械木で、支持できる型枠設計とする必要がある。

(ウ) 鉄骨梁とフラットデッキの接合方法の例を図 6.8.4 に示す。
鉄骨梁継手部や柱取合い部はアングル又は F.B を溶接留めとし、その上に現場切断したフラットデッキを留め付ける。

(エ) フラットデッキは衝撃に弱く、曲がったりへこんだり変形したりしやすい。そのため、敷設時にはめ込みにくいなどの手戻りが生じるので養生方法、揚重方法、吊り治具等に注意する。

(オ) 設備配管等の貫通口が規則的な場合又は集中している場合は、局部破壊の原因となるので、補強する必要がある。
なお、フラットデッキは、リブでコンクリート等の施工荷重を負担しているので、リブを切断する場合等は、デッキ受けを設け荷重を梁や型枠に確実に伝えるようにしなければならない。

 

図 6.8.3 型枠との接合方法 (RC・SRC造、スラブ厚300mm以下)
(床型枠用鋼製デッキプレート(フラットデッキ)設計施工指針・同解説より)

 

図 6.8.4 鉄骨梁との接合方法 (S造、スラブ厚 300mm以下)

 

つまり

フラットデッキを床型枠に使用する場合に注意すべき3つのポイントとは

  1. デッキの端部やつなぎ目からこぼれるノロ止め
  2. 打設中のスラブ荷重を受ける場合に重要になるリブの取扱い
  3. 端部の固定忘れ・支保工の間違った設置によるデッキの落下

ですが、2つ目と3つ目はスラブの崩壊事故につながり
人命を落とすことも考えられる重大な事象となる可能性が
非常に高いので、デッキの構造をよく理解をしたうえで
施工して下さいね。

 

また

フラットデッキスラブについては、こちらのシステムでも
あなたを支援しているので必要と感じたらダウンロード
して試してみて下さいね。

↓ ↓ ↓

型枠の仕上げの程度の使用例と管理ポイントとは?

 

「型枠ボロボロじゃない!?
基礎だけどせめてもう少し良い型枠つかえないかな?」

と私は基礎・地中梁のコンクリート打設前の配筋検査の時に、
工事監理者さんに言われた事が何回かありました。

大抵そういう場合は、基礎や地中梁の高さにピッタリではない、
規格寸法として事前に用意されていた型枠が使用されていました。

 

「まあ、見た目はボロボロでも崩壊はしないし見えなくなりますから…」

 

と表向きは答えながらも、心の中では

 

「安い単価でやらせているから基礎の型枠の材料費かけずに、
少しは取り戻して貰わないとね」

 

と考えていたものです。

 

 

つまり

型枠大工さんにとって「何回転用出来るか?」は
型枠工事で「儲ける」ために(会社を存続させるために)
必要不可欠な検討事項なのです。

 

ちなみに

型枠の仕上げの程度には下記のA~C種の3種類あります。

  • A種…打放し仕上の様にコンクリート表面がそのまま仕上として表れてくる場合
  • B種…吹付下地やクロス下地など補修した上に直接仕上を行う場合
  • C種…上記以外

 

そこで

それぞれの種別で施工単価は当然ながら違うので、
材料の質が違っても、それなりの材料代が出れば損しないよね。
とあなたは感じるかも知れませんよね。

 

確かに

コンクリート打ち放し仕上げの様に「コンクリートそのものが仕上げ」
という場合は、毎回「新品」の材料を使わないといけないのですが、
B種、C種であれば3回転用した材料でも、10回転用したものでも、
仕上りがそれなりの要求を満たせば成立するので転用回数を伸ばしたい
というのが型枠工事の会社の考えです。

 

だから

出来るだけ協力して上げれば良いとは感じていますが、
型枠が悪くてハツリや左官の補修が発生すると、
型枠工事の会社に立替が発生して損するので、
出来映えを見ながらあなたから

 

「そろそろ限界だから作り替えようよ!」

と声かけをすることがお互いの為だと私は考えていますよ。

 

最後に

公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)(平成31年版) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」の該当部分を確認して下さい。

表 6.2.4 打放し仕上げの種別

種別 表面の仕上り程度 せき板の程度
A種 目違い、不陸等の極めて少ない良好な面とする。 6.8.2(2)(ア)のせき板でほとんど損傷のないものとする。
B種 目違い、不陸等の少ない良好な面とし、グラインダー掛け等により平滑に調整されたものとする。 6.8.2(2)(イ)のせき板でほとんど損傷のないものとする。
C種 打放しのままで、目違い払いを行ったものとする。 6.8.2(2)(イ)のせき板で使用上差し支えない程度のものとする。

 

 

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]

P.428

(1) 「標仕」では、せき板の材料は、特記によることとしている。特記のない場合は、次のように規定されている。

(ア) コンクリート打放し仕上げの場合は、「標仕」表 6.2.4 のコンクリート表面の仕上り程度に見合ったものとしており、打放し仕上げの種別が A 種(目違い、不陛等の極めて少ない良好な面) の場合は、表面加工品を用いるようにしている。

(イ) コンクリート打放し仕上げ以外の場合は、「合板の日本農林規格」第5条「コンクリート型枠用合板の規格」による B - C品又はその他の材料でコンクリートの所要の品質を確保できるものを用いるとしている。ここで、 B - C品とは、表面の品質がB、裏面の品質がC (品質のよい順にA,B,C,Dの4ランクあり)であるものをいい、現在市販されているコンクリート用型枠合板の主流となっているものである。合板型枠以外の型枠としては、金属製型枠、樹脂系の型枠 (FRP・プラスチック等)、打込み型枠 (断熱型枠、薄肉プレキャストコンクリート板、けい酸カルシウム板、スレート型枠等)、ブロック型枠、ラス型枠等がある。また、近年環境に配慮した型枠として、再生材樹脂系の型枠が使用されている。これらの材料を用いる場合は、型枠としての性能及び仕上げに対する影響について調査し、設計担当者等と打ち合わせて採否を決める。

(2) 「標仕」においては、せき板に合板を用いる場合は、「合板の日本農林規格」第 5 条「コンクリート型枠用合板の規絡」による表面加工品又はB - C を用いることとされている。ただし、MCR工法の場合は、B - C を用いることとされている。

なお、合板の厚さは特記によることになっているが、特記がなければ厚さ 12mm のものを使用するとされている。

 

つまり

型枠の仕上げの程度にはA~C種の3種類あり、

  • A種…打放し仕上の様にコンクリート表面がそのまま仕上として表れてくる場合
  • B種…吹付下地やクロス下地など補修した上に直接仕上を行う場合
  • C種…上記以外

というイメージで大抵対応できると考えています。

 

また

型枠材の程度については、打放し仕上の場合であれば新品を
使用する必要があるので、単価も含めて想定されていますが、
その他の場合については「ボロボロ」になるまで型枠大工さんが
使用する事も多々あります。

実際には、「作り替える時間的余裕がない場合」や「金銭的に
作り替える余裕がない場合」など様々なケースが考えられますが
品質上で大きなトラブルとなる恐れがある場合は、無理しても
作り替える方が最終的に被害が少ないかも知れませんからね。

 

だから

型枠工事は躯体工事の中でも大きな影響を与える事が多いので
意識的に管理していくと効果的なので、こちらも合わせて
確認しておいて下さいね。

↓ ↓ ↓

 「型枠工事が躯体工事において重要!というポイントは何ですか?」と言われたらあなたは即座に答えることが出来ますか?型枠工事は躯体工事の中でも仕事の優劣で今後の工事に大きく影響する工種です。 具体的には 型枠の精度が悪いと、仕上げの製品が図...
躯体工事の優劣を決める型枠工事の役割と種類を整理しておこう - 負けるな新人!目指せ所長!0から始める建築現場...

誘発目地は増打ち部分しか入れてはダメ?混同しやすいポイントを解説

 

壁に設置する目地について

「増し打ち寸法より大きな目地棒を入れたら断面欠損になるからダメ!」

 

という人と

「断面欠損するまで目地棒を入れないとひび割れなんて制御出来ないよ!」

 

という人がいるのですが、どちらを信用すれば良いのでしょうか?
という相談があなたに来たら何と答えますか?

 

私なら「両方正解!」だと答えるでしょう。正確に言うと後者よりですが。

 

なぜなら

壁には地震力などの構造的な力を負担する「耐力壁」と、
構造的な力を負担しない「非耐力壁(雑壁)」があるからです。

 

だから

「耐力壁」の場合は所定の断面寸法がないと十分な耐力が得られずに、
逆に断面欠損として応力が欠損部に集中してしまい耐力が低下します。

 

すると

目地を設ける場合はあらかじめ増打ちを行い、増打ち部のみに
目地を設けて断面欠損がないように設置しますが、個人的には

「あまり意味無いよね~」

と感じています。

 

 

逆に

非耐力壁の場合は、壁がどこから始まってどこで終わっても関係ありません。
とは言え、建物荷重としてカウントすることは必要ですけどね。

 

すると

断面欠損と称して「ぶつ切り」になっていても問題ありません。

 

更に

ネタ元を忘れてしまいましたが、誘発目地にて実際に狙った所へ
ひび割れを誘導出来る可能性は、なんと

壁の厚みの1/5を欠損させると70%の確率
壁の厚みの1/4を欠損させると90%の確率

なのです。

例えば200mmの壁に20mmの目地棒を両方から入れても
70%の確率でしかひび割れを誘導出来ないのです。

 

だから

あなたがひび割れを高確率で誘発させたいのであれば、
非耐力壁であれば25%程度の断面欠損をさせる必要があるし、
耐力壁であれば「ひび割れが起きないように」適切に配筋し、
補強筋が必要なら適切に入れる事が大切だと私は考えていますよ。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

P.427

(5) コンクリートは乾燥により収縮するので、ひび割れの発生を完全に防止することは極めて困難である。したがって、適切な位置にひび割れ誘発目地を設置し、ひび割れを目地内に発生させて目地をシールするなどして対処するのが一般的である。ひび割れ誘発目地の形状・寸法は特記によることになっている。ここで、「標仕」11.1.3 では、ひび割れ誘発白地の深さは打増したコンクリート厚さとするとされている。

 

つまり

誘発目地は増打ち部分しか入れてはダメ?混同しやすいポイントとは、
先程の建築工事監理指針においても、誘発目地の深さは打増し厚さ
までに留める様な記載があります。

 

確かに

構造上の耐力を負担する壁については「構造寸法を守る」という意義で
打増し分のみ誘発目地を設けるべきですが、構造耐力を負担しない
「非耐力壁」については断面欠損をさせないと、「適切に」ひび割れを
誘発させることが出来ないのです。

非耐力壁においては断面寸法の1/4~1/5欠損させることで
70~90%の確率でひび割れを誘発することが出来るという
事実を理解した上で、施工する壁が「耐力壁」なのか「非耐力壁」
なのかを適切に調べて対応していきましょうね。

 

ちなみに

コンクリートの収縮のしやすさについては、骨材による所が大きく、
骨材は全国でそれぞれ違っていて特徴的なので、一度こちらの
記事も合わせて確認して理解を深めておいても良いですよ。

↓ ↓ ↓

 「JIS工場で製造されたコンクリートなんだから品質に違いあるの?」とあなたは感じるかも知れません。確かに、「呼び強度」の通りに結果を出すという意味においては全国どの工場でも変わらないでしょう。 でもあなたの地域でもありませんか?「○○の生...
コンクリートの品質は実は全国でバラバラ!骨材にみる違いとは? - 負けるな新人!目指せ所長!0から始める建築現場...

現場監督でも知っておくべき型枠大工さんに必要な5つの技量とは?(2)

 

前回の記事では型枠大工さんに必要な技量について4つの項目を
お伝えしましたので、今回は最後の1項目をお伝えしていきましょう。

 

最後の1項目は

「解体・転用しやすいように組み立てる」です。

 

これが

同じ大工さんでも仕上げの造作大工さんにはない技量なのです。
造作大工さんの作った物は基本的には「解体」も「転用」もしません。
その都度新品の材料を搬入して組み立ていくのです。

 

しかし

型枠大工さんは同じようにはいきません。
「型枠」は「仮枠」とも呼ばれるように「仮設」だからです。

 

だから

コンクリートを打設し終わった型枠材については、基本的には
最終的に「解体」されて現場から搬出される必要があるからです。
(デッキスラブのような「捨て枠」を除いて)

 

すると

型枠を組み立てる時には、「解体」の事を考慮しなければいけません。

 

具体的には

型枠の「大面(だいめん)」「小面(しょうめん)」の設定です。
型枠の大面というのは型枠の角部分において「勝っている(伸びている)」
部分の事を差します。

どちらを大面とするか?については「組み立てやすさ」と
「解体しやすさ」を考えてから計画をします。

 

更に

コの字になっている型枠を解体する場合は、下図のように
型枠がコンクリートと干渉して解体出来なくなるケースもあります。

 

では

なせ、型枠大工さんは「解体」の事を考えながら「組立」を
行うの必要があるでしょうか?

 

それは

マンションの様な同じ形状が積み重なっていく建物であれば、
せき板を上階で「転用」出来れば「加工」する手間が省けて、
効率が飛躍的に伸びるからです。

 

だから

型枠大工さんは、解体時に自分達が上階で使う「商品」を、
不必要に壊されたくないからです。

 

結果として

1つの材料を「何回転用出きるか?」と言うのは、
型枠大工さんの「儲け」に直結する非常に大切な項目なのですからね。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

P.427

(3) せき板の継目から水やモルタルが漏れ出すと、豆板や砂じま、空洞等が生じ、コンクリートの品質が低下する。また、型枠の取外しが容易でないと、コンクリートに損傷を与える危険性があるので、型枠は細部まで十分考えられたものが必要である。

(4) コンクリート打放し仕上げ (仕上塗材、塗装等の仕上げを行う場合を含む。) の場合、外部に面する部分は打増しを行うことがある。その厚さは特記によるとされている。

 

つまり

現場監督でも知っておくべき型枠大工さんに必要な5つの技量とは?

  1. 隙間なく組み立てる
  2. 精度よく組み立てる
  3. 打設の荷重に耐えるように組み立てる
  4. 仕上げ面によって材料を適切に使い分ける
  5. 解体・転用しやすいように組み立てる(大面、小面)

 

実は

先程あげた5つの技量については、どれか1つでも欠けると
現場ではあなたが予想しているより大きなトラブルとなり、
結果として「後始末」があなたの身に降りかかるような
内容なので、何度も読んで頭の中に入れておいて下さいね。

 

だけど

分かっていても何故か逃れる事が出来ないのが「トラブル」です。
出来るだけトラブルは少なくする様にあなたは旗を振って
いかないとイケないのですが、何割かは防ぎきれないでしょう。

 

だから

ある程度の「失敗」「トラブル」からは逃れなれない
という意識のもとに、こちらも合わせて意識しておきましょうね。

↓ ↓ ↓

 失敗した~!作業員さんが指示とは違うことをしている。工程が順調に進んでいない。 現場監督の仕事をしていると、予定通りに進むことなんてあまりなく、いつも付きまとうのは失敗やトラブル。 しかも上司は何となく気がついている様子。「じゃあ、...
失敗やトラブルの報告時に用意しておくべきたった1つの事とは? - 負けるな新人!目指せ所長!0から始める建築現場...

現場監督でも知っておくべき型枠大工さんに必要な5つの技量とは?(1)

 

型枠大工さんの仕事は「バカでは出来ない」と私は考えています。
別に他の工種の人をバカにしている訳では全くなく、それだけ
「緻密な計算」に基づいて計画を行わないといけない工種だからです。

 

そこで

今回と次回で型枠大工さんに必要な技量をお伝えします。
今回は基本的な4項目を、次回は本質的な1項目という内容にします。

 

まずは

「隙間なく組み立てる」です。

型枠に5mmの隙間があれば、その隙間から「ノロ」が出ていきます。
もっと隙間が出来れば圧力の掛かったコンクリートが漏れ出してしまい、
現場は噴き出したコンクリートまみれになる危険性があります。

 

でも

あなたにとって当たり前かも知れませんが、簡単そうで意外と難しいです。

 

そこで

基本的な事からお伝えすると、まずは隙間なく組み立てるには
「材料の加工寸法が正確である必要」があります。

 

具体的には

  • 1つ1つの材料の組合せである型枠のせき板(コンパネなど)を正確に計算して拾い出す必要があります。
  • 上記で拾い出した寸法の通りに直角、平行の精度を確保しながら加工する必要があります。

この2項目が出来て初めて隙間なく組み立てるベースが出来ます。

 

しかし

それだけでは「隙間なく」現場で組み立てる事は出来ません。

 

なぜなら

型枠を建て始めるコンクリートなどには施工誤差が含まれているからです。

 

具体的には

コンクリートの床の精度はどこを測っても±0mmという訳ではありません。
10mもスパンがあれば10mm程度の誤差がある可能性があります。

 

すると

せっかく1mmの狂いもなく材料を加工していても、
隙間なく組み立てる事が出来ないからです。

 

だから

躯体の誤差が予想される場合は「調整しろ」を作ります。
スラブの上に設置する「敷き桟」と呼ばれるような
桟木を敷いてパッキンでレベルを見ながら高さを調整している作業が
型枠の隙間をふさぐ作業の大切な1つの作業なのです。

 

 

次に

「精度よく組み立てる」です。

この「精度」という言葉は2つの意味があります。
「コンクリート打設前の精度」と「コンクリート打設後の精度」です。

 

実は

型枠工事の難しさは、コンクリート打設前に±0mmで型枠を
組み立てたとしてもコンクリート打設後に精度が出ているか?
というと一概に言えないからです。

 

なぜなら

コンクリートを打設する上では相当な荷重が型枠に掛かっているからです。
コンクリートの自重は1m3あたりに約2.4tも掛かりますし、
コンクリートポンプ車の圧送する衝撃もなかなかもものです。

だからと言って、打設前の精度が悪ければ打設後の精度はもっと悪いので、
打設前の精度についても下げ振りなどで鉛直をこまめに確認する必要が
あるのです。

 

そして

コンクリートの実際の打設時には、合番として立ち会って、
打設が完了した後の型枠について水平・鉛直をサポートなどで
調整を行います。

 

また

スラブなどの水平レベルについては、打設が完了した後に「持ち上げる」
という作業は困難なので、あらかじめ高めにセットしておいて、
レベルを見ながら下げて調整している事が多いですね。

 

 

3つ目は

「打設の荷重に耐えるように組み立てる」です。

こちらに関しては前回の型枠の構造計算の回でお伝えしたので
今回は詳しくお伝えはしませんが興味があればこちらをご確認下さい。

 型枠の組立は「安全」と「品質」の2つの面を考慮して行われています。 まず「安全面」から説明を行うと簡単にまとめると以下のトラブルとなります。 型枠支保工のピッチや配置の仕方が悪いとスラブの崩落事故が起きる。 柱や壁の締め固めのピッチが悪...
型枠工事の構造計算の基本のキを理解して最低限の事故を防ごう! - 負けるな新人!目指せ所長!0から始める建築現場...

 

 

4つ目は

「仕上げ面によって材料を適切に使い分ける」です。

 

例えば

全ての箇所でコンクリート打ち放し仕上げの必要がある
土木の橋の橋脚のような工事では難しく考える必要はないですが、
建築工事の型枠となると、外壁面はタイル張りの所や吹付仕上げの
場所があったり、
内壁面では、左官で補修してクロス張りをする所があれば、
硬質ウレタンを吹き付けて全く表面が見えなくなる所もあります。

 

そして

コンパネについても「塗装合板」と「普通合板」では単価が違いますし、
「新品」でないといけない所か?転用材を使用しても良い所か?によって
材料を使い分ける必要があるのです。

当然ながら「出来るだけ材料単価と手間をかけず」に仕事を出きるか?
が型枠大工さんの技量につながってきますので、躯体の事だけでなく
仕上げについても理解しながら計画するのが型枠大工さんの使命なのです。

 

だから

私は型枠大工さんは「バカでは出来ない」と考えているのです。

 

では

最後の1項目は予定通り次回にしますね。

型枠工事の構造計算の基本のキを理解して最低限の事故を防ごう!

 

型枠の組立は「安全」と「品質」の2つの面を考慮して行われています。

 

まず

「安全面」から説明を行うと簡単にまとめると以下のトラブルとなります。

  • 型枠支保工のピッチや配置の仕方が悪いとスラブの崩落事故が起きる。
  • 柱や壁の締め固めのピッチが悪いとコンクリートの側圧に耐えきれずに型枠が外れ大量のコンクリートが漏れ出す

 

そして

「品質面」のトラブルは、

  • 型枠の締め固めに用いる材料の配置やピッチが悪いと想定以上に型枠が外側にはらんで真っ直ぐの精度が出ない
  • 型枠が斜めになってしまったらサッシやタイルなどの仕上げ材が納まらない

という内容が主な項目です。

 

だから

型枠を組み立てる時には「構造計算」を行いながら
計画を行うことが非常に重要なのです。

 

しかし

「構造計算」という言葉を聞いた瞬間に「思考ストップ」に
あなたはなっていないでしょうか?

 

実は

型枠の構造計算の基本はそんなに難しくありません。
考え方さえ理解していれば「実際の計算はソフトに任せば良い」のです。

 

そこで

超簡単に型枠の構造計算について手順の説明を行うと

  1. 型枠に掛かる荷重(コンクリート、型枠の自重など)を設定します。
  2. コンクリートを打設するスピードを設定します。
  3. せき板(コンパネ)、内端太や外端太(鋼管やバタ角など)、セパレーターの材料とピッチを設定します。
  4. 3で設定した材料それぞれについて「どのくらい材料が変形するか?」を求めます。
  5. 4で求めた変形量の合計が目標の変形量に納まっていれば合格です。

 

つまり

型枠の構造計算とは型枠がどれだけ変形するか?を求めて、
変形量の合計が目標値以内であることを確認する作業なのです。

 

でも

「材料のピッチってどのくらいが適正か?分からない」

とあなたは感じているかも知れませんね。

 

そこで

大切なのが「計算ソフト」なのです。

 

なぜなら

入力マスの数値を変えるだけで瞬時に「OK」「NG」の判定を
出してくれるので様々な数値を入れて試すことが非常に容易だからです。

 

そして

数値を色々変化させると自然とあなたの知識として

「この位のピッチなら大丈夫だけど、ここまでいくと危ない」

という感覚が知らず知らずの内に身に付いて来るからです。
すると、現場を巡視したときに

「あそこの型枠のピッチひろくないか?」

と気付くことが出来るようになりますからね。
この感覚を簡単に身に付けるために「計算ソフト」があるのです。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

 

P.425

6.8.1 型枠一般

(1) 型枠の構成は、コンクリートに直接接するせき板、せき板を支える支保工及びせき板と支保工を緊結するセパレーター、締付け金物等からなる。せき板には通常、脱型を容易にするためはく離剤が塗られている。支保工は、床・梁等を支える根太、大引、支柱(パイプサポート)、支保梁、支柱の座屈を防止する水平つなぎ・ブレースのほか、柱、壁等のせき板の位置を保持するとともに転倒を防ぐ内端太、外端太、建入れ直しサポート、チェーン等から構成される。在来工法による一般的な型枠構成例を図 6.8.2 に示す。

図 6.8.2 一般的な型枠構成例 (型枠の設計・施工指針より)

 

(2) 型枠には、コンクリート自重、打込み時の振動や衝撃による作業荷重、コンクリートの側圧、水平荷重等が作用するので、その荷重に対して安全であることを構造計算によってチェッ クすることが重要である。また、必要な仕上り寸法・精度が得られるように型枠剛性についても検討することが必要である。「標仕」6.2.5 では、「部材の位置及び断面寸法の許容差」と「コンクリート表面の仕上り状態 (目違い・不陸等及び平たんさ)」が規定されており、これらを満足するように型枠を設計する。

型枠の構造計算の方法は、(一社) 日本建築学会「型枠の設計・施工指針」に詳しく述べられているので、それを参考にするとよい。

次に型枠の構造計算に関する基本的事項を示す。

 

(ア) 型枠材料の許容応力度等

(a) 型枠の構造計算に用いる材料の許容応力度は、次のとおりとする。

① 支保工については、労働安全衛生規則第 241条に定められた値

② 支保工以外のものについては、次の法令又は基準等における長期許容応力度と短期許容応力度の平均値

1) 建築基準法施行令第 89 条及び第 90 条

2) (一社) 日本建築学会「鋼構造設計規準」、同「軽鋼構造設計施工指針」又は同「木質構造設計規準」

木材の繊維方向の許容曲げ応力、許容圧縮応力及び許容せん断応力の値について、労働安全衛生規則第 241 条に定められている。

(b) 型枠支保工に用いる鋼材の許容応力度は、労働安全衛生規則第 241 条において次のように定められている。

① 鋼材の許容曲げ応力及び許容圧縮応力の値は、当該鋼材の降伏強さの値又は引張強さの値の 4 分の 3 の値のうちいずれか小さい値の 3 分の 2 の値以下とすること。

② 鋼材の許容せん断応力の値は、当該鋼材の降伏強さの値又は引張強さの値の 4 分の 3 の値のうちいずれか小さい値の 100 分の 38 の値以下とすること。

③ 鋼材の許容座屈応力の値は、限界細長比に応じて計算を行って得た値以下とすること。

(c) 型枠合板の断面性能、その他型枠に使用される材料の断面性能、支柱の許容荷重、締付け金物の許容耐力等は、「型枠の設計・施工指針」、メーカーのカタログ等を参照されたい。

 

(イ) コンクリート打込み時の荷重

(a) スラブ型枠設計用荷重(T.L)は、実状に応じて定めるのが原則であるが、通常のポンプ工法の場合 6.8.1 式により算出する。

T.L =D.L + L.L (6.8.1 式)

D.L (固定荷重) : コンクリー卜、型枠等の自重で、普通コンクリートの場合は 23.5 x d (kN/m2) に型枠の重量として 400N/m2を加える (d = スラブの厚さ(m))

L.L (作業荷重+ 衝撃荷重) : 「労働安全衛生規則」から1,500 N/m2 以上とする。

(b) 型枠設計用側圧は、「JASS 5 鉄筋コンクリー卜工事」によればよい。

(ウ) 曲げを受ける型枠各部材の計算方法

型枠材の計算方法には、定められた基準はないが、一般的には次により、構造計算を行い定める。

① 合板せき板の場合は、転用等による劣化を考慮し、単純梁として扱う。

② 合板以外のせき板、根太、大引等は、単純梁と両端固定梁の平均とする。

③ 名部材のたわみは、3 mm 以下とするが、2 mm 程度を許容値とすることが望ましい。ただし、打放し仕上げ、の場合は、1 ~ 2 mm 程度とすることが望ましい。
なお、構成部材の総たわみ量は、コンクリートの仕上りの平たんさ等を考慮して適切に定める。

④ 部材の応力及びたわみの計算に用いる公式は、「型枠の設計・施工指針」を参考にするとよい。

 

(エ) 水平荷重

型枠支保工の倒壊等を防止するため、型枠支保工の設計に当たっては、労働安全衛生規則第 240 条に基づき、次に示す水平荷重が作用しても安全な構造のものとする。

① 鋼管枠を支柱として用いるものであるときは、当該型枠支保工の上端に、設計荷重(鉛直荷重) の 100 分の 2.5 に相当する水平方向の荷重が作用しても安全な構造のものとすること。

② 鋼管枠以外のものを支柱として用いるものであるときは、当該型枠支保工の上端に、設計荷重 (鉛直荷重) の 100 分の 5 に相当する水平方向の荷重が作用しても安全な構造のものとすること。

 

つまり

型枠工事において支保工や壁などの構造計算を理解して
おかないと型枠大工さんが間違えて施工しまった場合に、
「スラブの崩壊」や「壁型枠からコンクリートが噴き出る」
などの重大な事故に発展する危険性が高いのです。

 

しかし

文章で何回読んでも正直「理解できない」と言うのが
私の「本音」であり、最速で理解するためには実際に
計算をして、数値を色々いじって「OK」「NG」の境目
を知ることだと考えています。

 

その為には

私が作成している仮設構造計算システムがあるので
あなたに苦手意識があれば是非ダウンロードして試して下さいね。

↓ ↓ ↓

躯体工事の優劣を決める型枠工事の役割と種類を整理しておこう

 

「型枠工事が躯体工事において重要!というポイントは何ですか?」

と言われたらあなたは即座に答えることが出来ますか?
型枠工事は躯体工事の中でも仕事の優劣で今後の工事に大きく影響する工種です。

 

具体的には

  • 型枠の精度が悪いと、仕上げの製品が図面通り納まらない
  • 型枠の精度が悪いと、打ち放し仕上げなどであれば単純に出来映えが悪い
  • 型枠のせき板の品質が悪いとコンクリート表面の仕上げとして要求される品質を満たさない
  • 上記のように精度や品質がが悪いと、修正を行うのに多大なコストが掛かる
  • 型枠の締め固めや緊結材の配置やピッチが不適切だと崩壊事故につながる
  • 型枠材の転用計画が適切に行わなければ工程に影響を及ぼす

などなどありますが、コンクリート工事や鉄筋工事と違うのは、

工事そのものが品質として残るわではない一種の「仮設」的な役割にも
関わらず、仕上げも含めた建物の品質全体に多大な影響を及ぼすという点です。

 

また

型枠工事の工法は沢山あって一般的な工法を分類すると下図の通りです。

 

図 6.8.1 適用部位別の合理化・複合化・システム化型枠工法

 

この中で、私が躯体工事全体としての品質上気を付けておくべき
ポイントとして上げたいのは「デッキスラブ」などの「捨て枠」です。

 

なぜなら

「捨て枠」はコンクリートを打設した後に「脱型」しないから、
コンクリートの打設後の品質を直接確認することが出来ないからです。

 

これは

「見えないんだったら別にいいや!ラッキー!」

と言うわけではなく、

逆に「見えない箇所」で1つでも問題があると
「他の箇所でも同じような問題があるか?」について
実際に調べる事が非常に困難だからです。

 

例えば

デッキスラブに後打ちアンカーを打設したらあちこちでスカスカだった。

というトラブルが工事監理者さんの耳に届けば、
当然ながら「他の箇所は?」と問われる事になりかねません。

 

その時に

「あなたはどの様な行動を取りますか?」

 

だから

「あ~、それは面倒くさいね…」

と、あなたが感じたのであれば「見えない所こそ」しっかりと
品質を管理した方が良いですよね。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

P.423

6.8.0 概要

(1) 鉄筋コンクリート造の建物の出来ばえは躯体コンクリートの精度によって大きく左右され、さらに、この躯体は型枠工事の優劣によって決まるといっても過言ではない。このように型枠工事は全ての工事の基本ともなるので綿密な計画と慎重な施工が肝要である。

(2) 型枠は、材料や工法の開発に伴い、合理化、複合化、システム化が進められている。これは、建築工事の大型化・ 高層化、熟練労働者の不足、工事の機械化、地球環境の保護等の社会状況の変化に対応し、品質の確保、工期の短縮、コスト低減等を目指したものである。

躯体工事において、型枠の占める割合は高く、品質、工期、コストの上で効果の大きいものが多いので、施工者の提案については、設計担当者に要求機能を確認し、実績等を考慮して採用の可否を検討する。

型枠の主な合理化・複合化・システム化工法を適用部位別に整理すると図 6.8.1 のようになる。

なお、図 6.8.1 の「打込み型枠」及び 「捨型枠」はコンクリート表面の状態を確認できないため、コンクリートに豆板、空洞、コールドジョイント等が生じないように、調合、打込み、締固め等に留意し、密実なコンクリートとすることが大切である。

(3) 施工者が行う型枠計画は、他の工事との関連、納まり、施工性等を検討したうえで、材料 ・工法を選択し、施工計画及び施工図を作成する。

(4) 型枠計画は、安全で、かつ、要求品質に見合った精度で施工する工法を採用するという観点でチェックする。

図 6.8.1 適用部位別の合理化・複合化・システム化型枠工法

 

つまり

型枠工事の役割としては、躯体コンクリートの精度に大きく影響し
鉄筋のかぶり厚さや断面寸法、仕上品との納まりによる出来栄え
などに品質面の要求水準を確保する為に非常に重要な工種です。

型枠工事の種類については、コンクリート用合板の他にも
鋼製のデッキスラブやシステム型枠など種類があるので、
用途に応じてコストと品質のバランスを見ながら採用することを
お勧めします。

 

また

デッキスラブなども同様ですが、「捨て型枠」と呼ばれる
コンクリート打設後に「脱型をしない型枠」という場合には、
コンクリートの品質を直接確認する事が出来ないので、
「ラッキー」では無くて、普段より「慎重に」施工する
ことが大切なので注意して下さいね。

 

以外と

普段は「見えないから良いや」と考えている所に限って
何らかの形で見えてしまうと、「大問題」が潜んでいる
という可能性は経験上多いです。

 

だから

こちらの「眼」を養ってトラブルを回避するように
毎日の現場の巡視時に確認して下さいね。

↓ ↓ ↓

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コンクリートの外力からの養生は必要!打設後1日目は何が出来るのか?

 

冬のコンクリート打設後の次の日の朝の墨出しの日に
スラブ上のコンクリートはまだ柔らかく、鉛筆で印をつけると
容易にコンクリートが削れてしまう状況の時もありました。

 

また

現場に入ってすぐの頃には、型枠を解体した瞬間のコンクリートに
「湯気」がたっているのをみたことも有ります。
実際にコンクリートが「絶賛硬化中!!」という状態ですね。

 

だけど

マンションなどは躯体のサイクルが「中11日」など決まっていて、
よほどの事情がない限り、無理やりにでも躯体サイクルを守らないと
全体工程が納まらない現場が当たり前のように有りました。

 

すると

冬の出来立てホヤホヤのコンクリートの上に対して、
仮設材や鉄筋材、また解体した型枠材が下階から上がってくる
という端からみると「戦争状態」のように様々な職種の人たちが
あちこちで働いている状態になっていたのです。

 

だから

いつも私の中では

「コンクリートの品質を考えると打設後1日目は作業しない方が良いよな~」

 

という気持ちと

「実際には打設後1日目からでもガンガン作業しないと間に合わないぞ!」

という気持ちが葛藤しながらも工程優先で作業を進めていたものです。
もしかしたら、この記事を読んでいるあなたも同じような気持ちを
持っているのかも知れませんね。

 

では

「教科書的には一体何が正解なのでしょう?」

というと「墨出し程度の軽作業」はコンクリート打設後1日目でも
行うことは可能です。

 

そして

材料を置く場合でも、1ヶ所に集中させずに分散して設置するなどの
配慮は必要という事なので、過剰に拡大解釈をせずに

例えば、材料に関してはスラブのみで支えさせずに梁にも荷重が
掛かって負担するように分散して設置するなどの配慮は最低限必要でしょう。

 

それからは

あなたの現場の実情に合わせて「自分に言い訳できる範囲」で
現場を進めていくしか無いというのが私の本音ですよ。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さいね。

P.422

6.7.3 振動及び外力からの保護

(1) 凝結硬化中のコンクリートに振動・外力を与えると、ひび割れが発生したり損傷を生じることがあり、また、早期材齢で荷重を加えるとたわみの増大につながることがある。このため、コンクリートが硬化するまでは十分な養生が必要である。

(2) コンクリート打込み後 1日以内にやむを得ずスラブの上に乗るような場合には、コンクリートに振動・衝撃を与えないように静かに作業しなければならない。

 

P.441 型枠

(2) コンクリート打込み後、強度発現が不 卜分な状態で作業をIJJf始すると、その荷重
を受けるコンクリートに有害なひびj!i lJ れやたわみ等の[~~ 害が生じるおそれがあるの
で、 j主立が必要である。コンクリー トが有害な影響を受けない材前官は、直上| 椛の作
業に伴う{ ,fI重の大きさによって災なり 、一概に示せないが、議1-1",し等の軽微な作業
であれば大きな影響はない。資材を附 く場合は、] 筒所に集中させないなどの配慮
が必裂である 。 また、床が、コンクリー ト 金 ごて仕上げの場合、 '~(I 訂を傷っけない
ように養生期間を確保したり、資材寺rの似i監さ場所に事長生を施す。

 

つまり

コンクリートの打設後1日目は何が出来るのか?については
「墨出し」などのコンクリートに無理な荷重や振動を与えない
作業のみが可能という判断になります。

 

しかし

正直、工程のキツイ現場はコンクリートの打設後に
悠長に養生なんてしてられないよ!という現場もあるはずです。
そこは、お客さんや設計事務所さんなどが暗黙の了解で
「工期を間に合わせてくれ!」というプレッシャーが
あれば粛々と進める必要がありますね。

 

更に

あなたの現場が突貫工事であればこちらの記事を
参考にして何とか乗り切って下さいね。

↓ ↓ ↓

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コンクリートの湿潤養生は散水だけでなく型枠の脱型にも影響する?

 

コンクリートの湿潤養生と言えば打設後のスラブに対して水をまく
「散水養生」を私はまず思い浮かべますがあなたはどうでしょう?

 

確かに

コンクリート打設後に散水をする散水養生はコンクリートを湿潤状態に保つ
非常に効果的な方法の1つです。

打設後まもない材齢のコンクリートを湿潤状態に保つことで、
コンクリートの硬化に伴う初期収縮を抑えることができて
有害なクラックを防ぐ事が出来ますからね。

 

それだけ

コンクリート打設直後の「水分」は良い品質を得るために
非常に大切な要素なのです。

 

しかし

湿潤養生というのは散水養生だけではありません。
あなたも普段から目にしている型枠も湿潤養生に
一役買っているのです。

 

実は

型枠に覆われている部分のコンクリートについては湿潤養生と見なされます。
この型枠というのは、コンパネなどの「せき板」の事を指しており
鋼管などの緊結材は無くても構いません。
「コンクリートの表面が何かしらで覆われている」事が重要なのです。

 

そして

初期の湿潤養生が完了したと見なされる期間については、
コンクリートの圧縮強度が10N/mm2(計画供用期間が標準)
となるまでなので、一般的な脱型用の5N/mm2より大きいです。

 

すると

「5N/mm2あれば良い」という認識で現場を管理すると、
強度管理という面では品質基準を満たしているが、
養生という面では品質基準を満たしていないという
事態が知らず知らずの内に起きてしまっているのです。

 

だけど

「10N/mm2になるまで現場の解体は待てないよ~!」

とあなたは感じる事もあるでしょう。
確かに現場において「背に腹はかえられぬ」状況もあるので、
実際にはあなたが状況に応じて判断すべきなのですが、

季節によって「試験のタイミングを少し送らせる」
「1度濡れたコンクリートは乾きにくいので湿潤状態になっている」
などの可能性を1度考えてみるのも手ではないでしょうか?

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

 

P.421

6.7.2 湿潤養生

打込み後のコンクリートが、透水性の小さいせき板で保護されている場合は、湿潤養生と考えてもよい。しかし、コンクリートの打込み上部等でコンクリート面が露出している場合、あるいは透水性の大きいせき板を用いる場合には、日光の直射、風等により乾燥しやすいので、初期の湿潤養生が不可欠となる。湿潤養生には、養生マット又は水密シート等で覆う方法、連続又は断続的に散水又は噴霧を行う方法、膜養生剤や浸透性養生剤の塗布による方法等がある。

夏期や風の強い日に施工した床スラブ・ひさし等薄い部材では、コンクリートが急速に乾燥するため、特に初期の湿潤養生が大切である。また、混合セメントを使用するときには特に早期における乾燥を防ぐようにする。

また、 「JASS 5 鉄筋コンクリート工事」 8.2 [湿潤養生] においては、湿潤養生の期間について、コンクリート部分の厚さが18cm 以上の部材において、早強・普通・中庸熱ポルトランドセメントを用いる場合、計画供用期間の級が短期及び標準の場合は、コンクリートの圧縮強度が10N/mm2 以上、長期及び超長期の場合は 15N/mm2以上に逃したことが確認されれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができるとしている。

 

公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)(平成31年版) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]

表 6.7.1 湿潤養生の期間

セメントの種類 期間
普通ポルトランドセメント
高炉セメントA種
シリカセメントA種
フライアッシュセメントA種
5日以上
早強ポルトランドセメント 3日以上
中庸熱ポルトランドセメント
低熱ポルトランドセメント
高炉セメントB種
フライアッシュセメントB種
7日以上

 

 

つまり

コンクリートの湿潤養生としてはスラブ上に散水する
「散水養生」だけではなくて、型枠に覆われている面も
養生の対象になります。

 

だから

普通ポルトランドの場合は5日以上の養生か?
圧縮強度が10(N/mm2) 以上になるか?
が型枠の中のせき板の取外し条件となります。

 

すると

通常の型枠の取外し強度の5(N/mm2) 以上であれば
何も問題ないという訳ではないので注意が必要ですよ。
出来れば、最初の壁型枠解体用の試験時に10N以上
の結果が出れば兼用できるので検討してみて下さいね。

 

また

コンクリートは新築工事の場合は供試体を採取したもので
圧縮強度試験を行うのですが、実は「原理原則」は
こちらの考え方なので、知識として確認しておいて下さいね。

↓ ↓ ↓

 「コンクリートの強度確認はあなたは普段どうしていますか?」と聞くと、90%以上の人は「コンクリート打設時に供試体を採取して、圧縮強度を確認」すると答えるでしょう。もしかしたら、あなたが改修工事などを主にされているのであれば、「現在の強度が不...
コンクリート強度確認の大原則は非現実的だという現実とは? - 負けるな新人!目指せ所長!0から始める建築現場...

コンクリート打設は一発勝負!床仕上げで失敗しない5つのコツとは?

 

コンクリートは時間が経つにつれて硬化していきます。
打設完了して数時間すると人が歩けるくらいに固まります。

 

それだけ

コンクリート打設は時間との勝負であり、
やり直しの効かない一発勝負なのです。

 

その中で

柱や壁については事前に型枠を組み立ててコンクリートを流し込むので
失敗は少ないかも知れませんが、型枠の無い場所、すなわち「上部」
については本当に一発勝負となります。

 

そこで

今回は一発勝負で失敗しないため、上部である「床仕上げ」についての
コツを5つお伝えしていきましょう。

 

まずは

基準レベル高さの確認が非常に重要です。
正しいレベル管理は基準レベルをしっかりと確認する所から始まります。

これは、基本中の基本だけど、意外とコンクリート打設時に忘れて、
当日に慌てて下の階のレベルを打設するスラブ上の足場などに
出すことも私は過去に経験しています。

方法は様々だとは感じますが、大抵は足場などを利用して
基準レベルを上階へと上げていきます。
目印にビニルテープを巻く場合は、上端が基準なのか?下端なのか?
を分かるようにマーキングしておくことも重要です。

 

だから

あなたには打設前日までにあらかじめ確認しておくことを
強くオススメしておきますよ。

 

 

2つ目は

水平レベルの確認の事前チェックが重要です。(レーザーの水平度の確認)

 

もしも

左官屋さんが使用するレーザーの水平が狂っていたら、
レーザーから離れれば離れるほど基準値からずれてしまいます。

 

だから

1の基準レベルの確認と合わせて、打設範囲内の型枠の打継目地などを
何ヵ所かレーザーで確認してみると非常に効果的なので、コンクリートが
スラブに上がってくる前にあらかじめ確認しておくと、結果がおかしい時に
焦らなくても済むのでオススメです。

 

 

3つ目は

打設ピッチと左官の人数のバランスが重要です。

長年コンクリートを打設していると左官屋さんの人数が集まらない。
という日がたまにはあります。

その様な場合は打設のピッチも落ちますし、左官屋さんも
ポンプ屋さんを待たせているのが分かっているので、焦ってしまい
レベルの確認がおろそかになる危険性が非常に高いです。

 

だから

左官屋さんの人数が予定より少なくなってしまった日は、
ある意味あきらめて焦らずに所定の品質を得ることに注力した方が
トータルでメリットがあるのではと感じています。

 

 

4つ目は

水勾配のある部分は天端ポイントを2m内外ピッチで設置する事です。

もしかしたら、あなたは事前に左官屋さんに確認して

「2~3m ピッチでは欲しいね」

と言われているかも知れませんが、実際の打設状況を見ていると、
コンクリートを均すときに使用するアルミ製の定規やトンボの幅に
合わせて天端ポイントを設置してある方がスムーズに打設が出来ています。

天端ポイントに合わせて定規の片方をセットしても反対側の基準が
1m も先であればレベル管理が難しいですよね。

 

確かに

2mピッチと3mピッチとでは1.5倍労力が違うのですが、
結果として水溜まりの出来ないスラブになるのなら
必要な労力だと私は考えていますよ。

 

 

5つ目は

大きな屋根勾配はアングルなどを定規替わりに設置する事です。

屋根の勾配方向に2m ピッチ程度でアングルの先端部分がコンクリート
の天端になるように設置しておいて、実際の打設時はアングルの天端に
合わせて定規をすることで設計通りのレベルを確保する事が出来ます。

 

ただし

コンクリートの中に所定の鉄筋など意外のものを埋め込む事になるので、
コンクリートの上の防水などの仕上げの種類などに応じて、
アングルの錆止め方法などを工事監理者さんに確認してもらって、
承諾して貰うようにして下さいね。

写真あればと思っていましたが、載せられる様な良い写真は
ありませんでした。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

 

P.419

6.6.6 上面の仕上げ

(1) ここでいうコンクリート上面の仕上げとは、打込み、締固めのあと工程及び左官仕上げの前工程としての天端均しのことであり、せき板に接しないで仕上げられる床スラブ・屋根スラブの上面とパラペットの天端等が対象となる。この面の精度は、特記されるべきであるが、特記がない場合は 「標仕」表 6.2.5 を標準として、この平たんさが得られるように沈下代を見込んで天端均しを行う。

 

(2) コンクリー卜打込み後、所定の位置と勾配に荒均しを行い、その後、凝結硬化を始める前にタンパー等で粗骨材が表面より沈むまでタンピングし、コンクリートのひび割れを防止する。

 

(3) コンクリートを打ち込む前に、床仕上げに必要な造り方定規を設ける。仕上げ精度が要求される場合にはカイドレール(鉄骨鉄筋コンクリートの場合はピアノ線等を張ることもある。) 等を3.5 ~ 4.0m 間隔に設置し、基準となる造り方定規は鉄骨その他狂いの生じない箇所に設け、常に点検して正確に水平又は所要の勾配を保持するようにする。

ガイドレール等の造り方定規は、定規均し後取り外し、その跡はコンクリートを充填し、木ごてで平らに均す。

壁や柱際等で均し定規等を使用できない部分は、特に不陸の生じないよう、十分に木ごて等でタンピングして平たんに均す。

定規均しをむらなく行った後、中むら取りを木ごてを用いて行う。

木ごてずりは、コンクリート面を指で押しでも少ししか入らない程度になった時期に行う。

 

(4) 床スラブのコンクリートを直均して仕上げる場合には、「標仕」 15章3節に従って実施する。

 

 

公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)(平成31年版) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]

表 6.2.5コンクリートの仕上りの平たんさの種別

種別 コンクリートの内外装仕上げ 平たんさ
a種 コンクリートが見え掛りとなる場合又は仕上げ厚さが極めて薄い場合その他非常に良好な平たんさ及び表面状態が必要な場合 3mにつき
7mm以下
b種 仕上げ厚さが7mm 未満の場合その他良好な平たんさが必要な場合 3mにつき
10mm以下
c種 仕上げ厚さが7mm 以上の場合又は下地の影響を受けにくい仕上げの場合 1mにつき
10mm以下

 

 

つまり

コンクリート打設は一発勝負!床仕上げで失敗しない5つのコツとは

  1. 基準レベル高さの確認が非常に重要
  2. 水平レベルの確認の事前チェックが重要(レーザーの水平度の確認)
  3. 打設ピッチと左官の人数のバランスが重要
  4. 水勾配のある部分は天端ポイントを2m内外ピッチで設置する
  5. 大きな屋根勾配はアングルなどを定規替わりに設置する

 

そして

私が考える「どうしても綺麗に仕上げたい場合」の最大のコツとは、
「晴れの日に打設すること」です。雨の日に打設すると後日表面の研磨
などが必要になり、仕上がりも悪くなってしまいます。

 

だけど

工程の都合上、どうしても雨天でも打設を強行する必要がある場合も
現実にはよくあるでしょう。「雨の日のコンクリート」については
こちらの記事が参考になるので合わせて読んでみて下さいね。

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コンクリート打設のバイブレーター(棒型振動機)に関する5+1の…

 

バイブレーター(棒型振動機)はコンクリートを締固める道具です。
世の中には振動を与える機器がいくつかありますが振動を与えることで、
対象に刺激を与えることが出来るように、コンクリートも振動により
性状が良くなるのです。

 

それでは

今回はコンクリートの締固めに必要不可欠なバイブレーターについて
お伝えしていきましょう。

 

 

まずは

コンクリートに生じる気泡・豆板・不充填などの欠陥を防ぐには、
バイブレーターを使用して十分に締め固めることが大切です。

私の感覚ですが、何だかんだ言ってバイブレーターの影響で振動した
コンクリートは振動した時間など関係なく欠陥になる確率は激減します。

 

だから

豆板などの欠陥が発生する箇所は、バイブレーターが何らかの原因で
行き届いていない箇所だと感じるので、バイブレーターを使用する人には
こまめに全体が締固めが出来るように作業して貰うように監視しましょう。

 

あなたが足りないと感じたら

「この辺りもう少しバイブレーター掛けて下さいね」

と声かけすると、次から気を付けて作業してくれますよ。

 

 

2つ目は

150m3程度のコンクリートをポンプ車1台で打設する場合は、
バイブレーターを2台用意するのが一般的です。

良質なコンクリートを打設するためには「適切な人員」は不可欠です。

 

だから

大抵、ある程度まとまった量のコンクリートを打設する場合は、
バイブレーター要員は2名が普通だという事です。
ただし、打設する下階で壁に当てるタイプの振動器は別勘定ですよ。

 

 

3つ目は

バイブレーターの深度は打込んだコンクリートの下層まで挿入し、
コールドジョイントを防ぐには前に打込んだ部分まで振動させ
一体化させると不具合が減ります。

 

これは

バイブレーターの作業している人の動きを見ていればわかります。
バイブレーターがコンクリートに挿入されると音が変化するので、
その後にしっかりとバイブレーターが下がっているのか?
それとも、余り下がっていないのか?を確認して必要なら

「バイブレーターしっかりと下まで掛けて下さいね」

と声かけをして下さい。コンクリートの打設作業時は、タイミングよく
声かけを行うことが本当に大切な事だと考えています。

作業員さんが意識を高くして打設しているコンクリートは本当に
「欠陥が少ない」コンクリートに仕上がりますし、なりよりも
「コンクリートは生物」なので時間との勝負ですからね。

 

 

4つ目は

バイブレーターの挿入間隔は60cm以下とします。

 

5つ目は

バイブレーターの挿入時間は10~15秒以下とします。

この2つは知識として覚えておいて下さい。
建築士の試験にも出るかも知れません。

 

そして

時々現場でその通りになっているか?を確認してみると
作業員さんが「どのくらい理解して作業しているか?」が分かって
面白いと私は感じています。

 

 

また

バイブレーターの使用方法はあくまでも「締固め」を行うことであり、
打込んだ後を追いかけて締め固めるのが基本です。

 

だから

バイブレーターを使用してコンクリートを横に流すような行為は
「ダメ」だという認識を持っておいて下さい。

 

しかし

現場ではちょいちょい「横流しか?」という場面にも遭遇します。
私も正直「ケースバイケース」な部分もあると感じています。

 

だから

あなたの感覚になってしまいますが、現場の状況を見ながら
判断して頂くしか無いでしょうね。

 

例えば

横の方に流れていったコンクリートが豆板(ジャンカ)にならない様に、
バイブレーターを掛けることも必要ですし、振動させると
新たにコンクリートを引っ張ってきますからね。

 

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

 

P.418

6.6.5 締固め

(1) コンクリートに生じる欠陥としては、気泡、豆板、不充填部等がある。これらの欠陥を生じさせないためには、棒形振動機あるいは型枠振動機を用いて十分締め固め、密実なコンクリ ートとすることが大切である。

コンクリートの締固めを十分行うためには、適切な締固め要員を準備することが必要である。コンクリートの配管1系統で 1日の打込み量が 150m3程度を想定した場合には、棒形振動機を2台準備し、振動機要員 2名、打込み・締固め要員等 7名以上を配置する。また、施工中に生じる型枠・鉄筋の保守・点検をするために型枠工と鉄筋工を配置しておくようにする。また、施工中に生じる埋込み配管等の不具合を修正するために設備要員を配置することも必要である。

 

(2) 通常締固めに用いている振動機は、 JIS A 8610 (建設用機械及び装置―コンクリート内部振動機) に定めるものであり、スランプ 18cm 以下のコンクリートを施工する場合には、この様形振動機を用いなければ密実な締固めを行うことはできない。

棒形振動機を挿入できないところや届かないところは、型枠振動機や突き棒・たたき等を併用して締め固める必要がある。公称棒径 45mm の棒形振動機 1台当たりの締固め能力は、スランプ 10 ~ 15cm 程度の普通コンクリートの場合で 10 ~ 15m3/h 程度であるので、打込み速度に応じて振動機の使用台数を定める必要がある。

 

(3) 公称棒径 45mm の棒形振動機の長さは 60 ~ 80cm であるので、 1層の打込み厚さはこれ以下にし、打ち込んだコンクリートの下層まで振動機の先端が入るようにすることがコールドジョイントをはじめとする施工欠陥を防ぐために大切である。挿入間隔は、振動機の振動が伝わる有効範囲内で定める必要があり、前述した公称棒径 45mm の振動機の有効範囲を参考にして 60cm 以下と定めている。公称棒径が 45mm より小さい振動機を用いる場合は、挿入間隔を狭くする必要がある。

なお、振動を加える時間を長くし過ぎると材料分離を生じるので、加振時間はコンクリート の表面にペーストが浮くまでと定めている。振動機を用いて締め固める場合の注意事項は次のとおりである。

(ア) 鉛直に挿入して加振し、挿入間隔は 60cm 以下とする。
(イ) 振動機の先端が鉄骨、鉄筋、埋込み配管、金物、型枠等になるべく接触しないようにする。
(ウ) 振動時間は、コンクリー卜表面にセメントペース卜が浮くまでを標準とし、コンクリー トに穴を残さないように加振しながら徐々に引き抜く。加振時間は、1箇所 5 ~ 15秒の範囲とするのが一般的である。

 

つまり

コンクリート打設のバイブレーター(棒型振動機)に関する6つの知識とは

  1. コンクリートに生じる気泡・豆板・不充填などの欠陥を防ぐには、バイブレーターを使用して十分に締め固めることが大切
  2. 150m3程度のコンクリートをポンプ車1台で打設する場合は、バイブレーターを2台用意するのが一般的
  3. バイブレーターの深度は打込んだコンクリートの下層まで届くように挿入する。コールドジョイントを防ぐには前に打込んだ部分まで振動させ一体化させると良い
  4. バイブレーターの挿入間隔は60cm以下とする
  5. バイブレーターの挿入時間は10~15秒以下とする
  6. バイブレーターの使用方法はあくまでも「締固め」を行うことであり、打込んだ後を追いかけて締め固めるのが基本である。だから、バイブレーターを使用してコンクリートを横に流すような行為はダメである

 

特に

ポンプ車の先端の筒先は重たいので移動するのは面倒くさくなりガリなので
どうしてもバイブレータを使って横に流しながら打設してしまいそうになります。

楽をしては品質的に良くないと分かっていても、ついつい楽をしてしまうのが
人間だと私は考えていますので、頑張る所と抜く所と上手にバランスを取るのが
大切なのではないでしょうか。

 

そして

品質を落とさずに「楽」をする方法もありますので、1つ参考に
こちらの記事も合わせて確認してはいかがでしょうか。

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コンクリートの水平・垂直打継に関する11の基本的な知識とは?(2)

 

前回は、打継に関する項目の全11項目のうち
1~6項目までをお伝えしました。
最初から読みたいあなたはこちらからどうぞ。

それでは進めていきましょう。

 

7つ目は

スラブの打継ぎについて、垂直打継はコン止めクシなどを使用するが
上筋が下がりやすいので注意する事です。

ハーフPCや鉄筋付きデッキ、ボイドスラブなどでは上筋は固定されていますが
一般的な「もちあみ」配筋と言われる、上筋と下筋を十字に組立る場合は、
コン止めクシを上から差すとスラブの上筋が一緒に下がる危険性があります。

 

だから

スラブの垂直打継ぎ付近では意図的にスペーサーを入れることで、
上筋の保持を確保できるので覚えておいて下さいね。

スラブの上筋の位置の乱れは構造的な耐力の低下に直結しますからね。

 

 

8つ目は

打継部が外部に面する場合は目地などを設け防水処理を行うことです。

打継部はどんなに付着を良くして打設しても一体で打設した部位より
確実に乾燥収縮によるクラックが生じやすいのは事実です。

 

だから

どうせクラックが発生するなら、漏水の危険性のある外部面は、
あらかじめ目地を設けてシーリング処理を行うなどの、
防水処理をしておくことが非常に大切です。

 

更に

地下の外壁で外側から処理できるような場所においては、
シーリング処理した上にシートなどを一定幅で張る等の措置も
効果的なので必要に応じて検討して下さいね。

 

 

9つ目は

柱などの水平打継部は水が溜まらないように中央部を高くする事です。

コンクリート打設前の配筋検査の時に工事監理者さんに

「柱の底に水が溜まっているので打設前までに抜いて下さいね」

なんて言われたら、溜まったもんじゃありません。
口では簡単に言えますが、型枠で囲まれた凹みに溜まった水は
考えているほど簡単には抜けませんからね。

 

だから

コンクリートの打設時に土工さんに

「柱の中は若干盛り気味でヨロシク」

とあらかじめお願いする事が大切ですよ。

 

 

10つ目は

水平打継部はレイタンスがたまり、脆弱なコンクリートになりやすい
ので適宜取り除く必要がある事です。

レイタンス処理って本当に厄介ですね。手間を掛けても効果的ではなく、
レイタンスが硬化すると中々取れにくくなってしまいます。

 

しかし

意外と壁などの断面が小さい箇所ではレイタンスは溜まりにくく、
柱などは左官さんが嫌がるかも知れませんがコテを1回入れると
レイタンスは目立たなくなります。

 

では

どこで1番レイタンスが発生するかと言うと、地中梁の天端です。
大抵地中梁の天端には上部にふかし筋があり鉄筋に付着してしまった
コンクリートを洗うのに水とブラシを使います。

その水分がコンクリートの天端にたまってレイタンスになるのです。

 

だから

レイタンスが硬化する前にハイウォッシャーで吹き飛ばすか、
あらかじめ下記のような商品を使用するのも1つの作戦ですよ。

 

 

 

 

11つ目は

打設箇所でノロなどの除去が困難な場合は、
あらかじめ掃除口を設置しておく事です。

梁底などで設置可能であれば型枠大工さんにお願いしてみましょう。

無理ならはみ出たノロは適宜ハイウォッシャーで吹き飛ばします。
ノロが残ったまま次の工区のコンクリートを打設すると
数年後に梁底が「バサッ」と剥がれ落ちるクレームになるので、
後々呼び出されて怒られないために必ず除去すべきと認識しましょう。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

 

P.417

6.6.4 打継ぎ

(1) 打継ぎはできるだけ少なくし、応力の小さいところで打ち継ぐことが基本である。
梁及びスラブに鉛直打継ぎ部を設けなければならない場合には、せん断応力の小さいスパン中央付近又は曲げ応力の小さいスパンの 1/3 ~ 1/4 のところがよい (図 6.6.8 参照)。梁の付け根で打継ぎをするのは避けなければならない。

また、柱及び壁の場合の水平打継ぎ部は、スラブ、壁梁又は基礎の上端に設ける。

 

(2) 打継ぎ部の仕切り面の施工に当たっては、次の事項に留意する。

(ア) せき板を密に隙間なく組み立て、モルタルの流出を防ぐとともに、コンクリート打込み後せき板を取り外しやすいように仕切る。
なお、仕切り面は必要に応じて目荒らしを行った後、清掃し、コンクリート打込み前に水湿しを行う 。

(イ) 梁や壁には、鉄筋を骨としてメタルラスや板を張って仕切るのがよい。打継ぎ位置付近に出入口等の開口部がある場合には、そこで仕切るとよい。

(ウ) 梁-・壁で、割竹・しの竹類を差し込んで仕切る方法は、密に隙間なく差し込んでも下部からモルタルが流出することが多く、適切な方法とはいえない。また、コンクリート打込み後、時期を見て割竹等を動かしてコンクリートとの付着をなくしておかないと抜けなくなる。

(エ) スラブの仕切り面は、上端筋が下がりがちなので十分注意する。

(オ) 打継ぎ面が外部に接する箇所には、打継ぎ部の防水処理を行うため目地を設ける。

 

(3) 打継ぎ面に水がたまっていると、その部分に打ち込んだコンクリー卜の水セメント比が大きくなり、所要の品質が得られないことがあるので、水がたまらないようにする。また、水がたまってしまった場合には、コンクリート打込み前に取り除くことが必要である。

(4) 打継ぎ面は、レイタンスがたまったり、ぜい弱なコンクリートになりやすい。レイタンスやぜい弱なコンクリートの上に新しいコンクリートを打ち込んでも付着が十分得られないので、高圧水洗等によりこのような部分を取り除き、健全なコンクリートを露出させてから打ち継ぐことが必要である。

 

図 6.6.8 鉛直打継ぎ位置

 

つまり

コンクリートの水平・垂直打継に関する11の基本的な知識とは

  1. 梁・スラブの打継箇所は中央部またはスパンの 1/3 ~ 1/4 の比較的応力の小さな箇所が望ましい
  2. 柱及び壁の場合の水平打継ぎ部は、スラブ、壁梁又は基礎の上端が望ましい
  3. 壁の垂直打継部は開口部などの上部で打継ぐのが施工的にやりやすい
  4. 梁の打継部は中央部はメタルラスやせき板、エアフェンスなどで仕切るのが一般的
  5. 上記の場合、スタラップより外側の下部・側部からのノロの流出を防ぐ方法を検討する必要がある
  6. 垂直打継で竹・塩ビパイプなどを使用する場合は、硬化に伴い動かさないと抜けなくなる
  7. スラブの垂直打継はコン止めクシなどを使用するが上筋が下がりやすいので注意する
  8. 打継部が外部に面する場合は目地などを設け防水処理を行う
  9. 水平打継部は水が溜まらないように中央部を高くする
  10. 水平打継部はレイタンスがたまり、脆弱なコンクリートになりやすいので適宜取り除く必要がある
  11. 次の打設箇所でノロなどの除去が困難な場合は、あらかじめ掃除口を設置しておく

 

ただし

いきなり11個もいきなり並べても覚えきれないので、

「そう言えばここに書いてあったな~」

という事だけ覚えていてくれたら嬉しいです。このブログの検索窓で
調べてくれたら十分です。

 

なぜなら

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