鉄骨工事の中で自然と行われている「環境的な配慮」とは?

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最近の大企業はSDGsを意識して活動をしないと評価されないという
風潮が全世界的にあるのでゼネコンも各社取り組んでいますよね。

 

ちなみに

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
17の大きなカテゴリーに分かれていて、貧困や差別、環境的な配慮など
地球全体として持続していくために国連サミットで採択されています。

 

でも

「現場では環境的配慮なんて関係なくない?」

とあなたは感じているかも知れませんが、現場で行っているゴミの分別や
リサイクルも大きな意味で「環境的配慮」ですよ。

 

更に

鉄骨工事に関連して行っている環境的配慮とは
「鉄骨の不要材のリサイクル」つまり「スクラップの売却」です。

このスクラップの売却は、環境的な配慮だけでなく金銭的にも効果があり、
スクラップの売却費用は見積もりなどにマイナス計上で反映されます。

 

実際には計上された金額よりも大きな売却費用を少な目に計上して、
差額を鉄骨工場の利益にはしているとは感じますけどね。
ただし、スクラップの買取価格は時勢で上下するのでリスク部分も
含まれているので無理に金額の話をすると

「スクラップ価格が下がった時には現場で追加金額で補填して下さいね!」

と言われる可能性もあるので考えて交渉はして下さい。

 

そして

スクラップは鉄骨工場内で製作時に出た物だけでなく現場で発生した
不要材も鉄骨業者で回収することもあります。

 

例えば

鋼管柱の継手に使用するエレクションピースや仮組みに使用する仮設材などは
「廃棄物」ではなく有価物なので持ち帰って行くことも有りました。

もしかしたら、工場まで持ち帰らずに鳶さんが途中で換金しているかも
知れませんけどね…。

そんなこんなで、日本のスクラップの回収率は世界平均の85%を越えて
93%と高い水準を保っているのです。

 

ちなみに

鉄骨工場のうち「電炉メーカー」は材料となるスクラップの価格で
鋼材の販売価格が上下するので、意外と他人事では無いですからね。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

P.523

(2) 地球環境問題は大きく分けて次の二つの観点がある。

[I] 天然資源の枯渇抑止
[II] C02排出削減

鉄骨工事との関わりとして留意すべき事項には、次のようなものが挙げられる。

(ア) 鋼材のリサイクルの促進
(イ) 鋼材のリユースの促進
(ウ) 鋼材の使用量の削減
(エ) 建物の長寿命化の推進

(ア)について、鋼材は世界的な資源循環サイクルの中で、例えば日本では世界平均の 85%に対して 93.1% がスクラップとして回収され、その全量が天然資源の代替として再生利用(回収と再生利用をあわせてリサイクル)されており、 [I]の観点では現状で十分に配慮されている。また、鋼材のリサイクルを考慮した環境負荷計算方法を規定した ISO 20915 規格及び JIS Q 20915 によると、鋼材におけるC02排出などの環境負荷は当該鋼材におけるスクラップ使用率ではなくスクラップ回収率を高めることで低減できることが示されており、国内における上述の高いスクラップ回収率に鑑みると [II] の観点も現状で十分に配慮されている。

なお、スクラップ回収率をさらに向上させることは [I]、[II] の両観点において有効である。そのためには、解体、分別及び回収が容易となるよう、あらかじめ設計段階で乾式施工が可能な工法や材料を選定する配慮を行うと共に、解体時の分別・回収を徹底すること等が有効である。

 

つまり

鉄骨工事の中で自然と行われている「環境的な配慮」とは、
「鉄骨スクラップの回収」です。

鉄はスクラップとして金になるという意識からか、
もったいないからリサイクルしようという意識からかは
分かりませんが日本は諸外国平均が85%に対して93%と
高いリサイクル率を誇っています。

「捨てればゴミ、使えば資源」と言われる様に、これからの時代は
資源をいかに有効利用していけるか?は非常に大切です。

 

しかし

産業廃棄物については「落とし穴」もあるので気を付けてくださいね。
そうしないとこちらの記事のようになりますからね。

↓ ↓ ↓

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