梁の主筋は柱などに定着する場合には一定の長さが必要です。
しかし
梁の定着に関して他には制約はないのでしょうか?
実は
梁の主筋の定着には様々な制約があるのですが、その中の1つを
今回はお伝えすることにしましょう。
まずは
「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」の該当部分を確認して下さい。
c.仕口内に90°折曲げ定着する鉄筋の定着長さが,表6.1(b)のフック付き鉄筋の定着長さL2hを満足しない場合の定着の方法は,下記の(1)~(2)による.
(1)仕口内に90°折曲げ定着する異形鉄筋の定着長さは,図6.1に示すように,定着起点(仕口面)から鉄筋先端までの全長を直線定着の長さL2(表6.1(a)の数値)以上,かつ,余長を8d以上とし,定着起点から鉄筋外面までの投影定着長さLaまたはLbを指定する.
図6.1 仕口内に90°折曲げ定着する鉄筋の投影定着長さ(LaまたはLb)
つまり
梁の主筋の定着は例え柱幅に余裕があったとしても直線定義ではNGで、
必ず折り曲げ定着にしなければいけません。
では
なぜ折り曲げ定着にしなければならないのでしょうか?
正直、私の正直な感想は
「別に直線でも必要長さがあれば良いのでは?」
でした。
なぜなら
昔と違って今の鉄筋は丸鋼ではなくて異形棒鋼なので
それなりの付着力があるからです。
確かに、丸鋼であればどこかで付着力を失えば「スッポ抜ける」
状態になりそうですが、異形鉄筋であればもう少し抵抗できるだろう。
と感じたからなのです。
しかし
フックが必要というのは、実際の地震時の被害状況などからの
再現する数々の実験に裏付けられた結果なのでしょう。
そうやって形状や長さが決まっている事がほとんどですからね。
今回の私のように「自分自身の感覚」と「実際の仕様」のイメージが
一致しない場合というのはあなたにもきっとあるはずです。
その場合に、自分の感覚を少しずつでも良いので「実際の仕様」
に合わせていくことによって、未経験な場合に判断を求められた
場合に「大外れの判断」を下すことが減るかもしれませんね。
つまり
梁の鉄筋の定着は直線の定着だけではダメで8d以上の
90度折曲げ定着、もしくは90度以上のフック形状の納まりが
必要です。
ただ
実際に地震が起こったり、実大実験などで直線定着だと
鉄筋が抜けてしまう瞬間を目の当たりにしていないから
なかなか現実味がないのも確かですが、建設に関連する
全ての数値や形状は何らかの根拠が必ずあるはずなので
知識として覚えておくことも大切です。
更に
数値や形状の根拠と言うのは、こういう場面で役に立つので
合わせて読んでいただくと役に立つ時がありますよ。
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