柱筋の脚部の折り曲げ長さが150である意外な理由とは?

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「柱筋の脚部の150mmのアンカーの意味って知ってる?」

と私の会社のかなり先輩の方に聞かれたことが今でも印象に強く残ってます。

 

そのときに

私は全く答えが分からずに思い付く限りの回答をしました。
しかし、どれも正解ではなく、最後に答えてくれたのは

「構造的な意味はなく、ただ単に柱が安定させやすいからアンカー状になっているみたいよ」

と言われました。

 

確かに

鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」の該当部分を確認してみると

 

 

(a)の納まりは,一般によく用いられ,柱筋を基礎筋の上に直接建て込む方法である.この場合, 基礎梁上面から柱筋の定着長さを図のようにとり. また,表4.1 の折曲げ内法直径をとって90°に折り曲げ,かつ150mm 以上の余長を設ける. ただし,基礎梁せいが十分でない場合,柱筋は,余長8d以上の90°フック付き定着とする.

柱筋脚部については,基礎筋の上に柱筋を建で込む際,(a) に示すように,必要に応じて柱筋受け筋(捨帯筋)を基礎筋の上に配置し,柱筋の安定を図り,かつ,柱筋の形状を保持することが行われている.

 

その方は品質的な知識がすごく豊富なので嘘をついている訳ではないとは
思っていましたが、その真偽をどこで確かめれば良いか分かりませんでした。

 

また

先程の参考資料の前半部分のように、「定着」という言葉があると
柱に作用する引き抜き応力に抵抗するという面もあるのかも知れません。

 

しかし

後半部分には、確かに「柱筋の安定を図り,かつ,柱筋の形状を保持すること」
と記載されている事から柱筋を組立易くするためにアンカー状になっている。
という面もあるみたいですね。

 

ここで

あなたも想像してみてください。

「もしも、柱筋の脚部のアンカーが無ければどのように組立るのか?」

 

確かに

柱筋の脚部は大抵基礎の鉄筋の上に位置しているので、
捨てコンクリートの上に直接組み立てるより非常に不安定です。

 

そして

柱筋の位置がずれると上部でかぶり厚さ不足などのさまざまな
不具合を引き起こす可能性があるので、組立前には柱筋の位置を
正確に決めるためにフープ筋を1枚敷いてから組み立てます。

 

すると

柱筋の端部が直線状であれば非常に組立づらいですよね。
柱の下部が1枚のプレート状になっていれば建てやすいかも
知れませんが、プレートの下部のコンクリートの充填率は
9割以上の確率で低下するでしょう。

 

だから

柱の脚部はアンカー状になっているのです。

 

つまり

柱筋の脚部の折り曲げ長さが150である意外な理由とは、
柱筋自体の引き抜き防止の意味もあるかも知れませんが、
実際には「柱筋の安定」の為もあります。

 

確かに

構造的な意味も大切ですが、安定的に品質を確保するために
安定や形状の保持などの機能も考えながら施工をしていくことって
とっても大切ですよね。

 

また

このような雑談的な要素は作業員さんとコミュニケーションが
とれるようになると色々教えて貰えるので実は一石二鳥だと
私は考えていますが、あなたはどう感じますか?

 

もしも

私に同意してくれるならこちらの記事も参考になりますよ。

↓  ↓  ↓

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