鉄筋の溶接継手(エンクローズ溶接)とは?どんな特徴・種類がある?

Sponsored Links
/* */

 

鉄筋の接手工法の内80%はガス圧接で、残りの20%のうち
溶接継手と機械式継手が10%ずつ分け合っているのが実情だそうです。
ちなみに、この統計は現場の数ではなく継手の個所数換算です。

 

つまり

溶接継手や機械式継手を使用するような現場というのは一般的には、
一部の規模の大きなゼネコンが施工するような大規模な工事が主なので
1つの現場で何万か所も継手の個所数があります。
すると、現場の数で行くと9割ぐらいの現場はガス圧接で施工している
というのが現実的な感覚なのでは?というのが私の感想です。

 

では

突合せ溶接(エンクローズ溶接)とはどんな工法で、
どんな特徴があるので採用されるのでしょうか?

 

まず

突合せ溶接(エンクローズ溶接)とはどんな工法か?
というと、鉄筋の端部をお互いほぼ直角で切断した開先面として
裏当て金などを使用して、隙間を溶接で端面を溶かし込んで
溶接で充填していく工法です。また、溶接継手は継手の等級が
A等級であることが多いのも特徴です。

 

だから

以下のような特徴があります。

  • 溶接を行うことではガス圧接のように接合部が縮まない
  • 継手部が横並び(いわゆるイモ継手)でも施工可能
  • 制限はあるが端部でも施工が可能
  • 機械式継手よりは安価

この中で、世の中で一般的に使用されているガス圧接と比較して
決定的に違うのは「施工後に継手部が縮まない」という事です。

そのため、ガス圧接ではなく溶接継手を採用する現場は
PC造であったり、鉄筋を向上や現場内で先組をして
現地へ落とし込むような鉄筋先組工法の現場が多いです。

 

また

突合せ溶接(エンクローズ溶接)の種類もいくつかあり
私も全てを把握している訳ではありませんが、

  • CB工法
  • ニューNT工法
  • GE-A工法
  • ME溶接継手工法

などが出て来ましたので、興味のある方はネットで
検索してみるのも良いかも知れませんね。

 

最後に

建築工事監理指針(令和7年版上巻)
の該当部分を確認して下さい。

 

P.351

(ア) 突合せ溶接

突合せ溶接 (いわゆるエンクローズ溶接)については、評定等を受けた施工要領書で規定する資格を有する者でなければならない。また、平成27年 12月 に、JIS Z 3882(鉄筋の突合せ溶接技術検定における試験方法及び判定基準)が制定され、それに基づく検定試験が(鮒)日 本鉄筋継手協会で実施されている。(一財)日本建築センターで評定を受けた鉄筋の突合せ溶接継手工法の施工要領書では、JIS Z 3882に 基づく検定試験に合格した技能資格者であることを義務付けていないものがあったが、令和 3年 3月 末を期限とする移行期間の間にJIS Z 3882に準拠する対応が進められ、完了している。

 

つまり

溶接継手のうちの突合せ溶接(エンクローズ溶接)の特徴は
工法によって細部などは違ってはきますが、総じていうと
「鉄筋と鉄筋を適切な間隔をあけて裏当て金などを用いて
隙間を溶接によって継ぐ」という工法です。

 

そして

  • 溶接を行うことではガス圧接のように接合部が縮まない
  • 継手部が横並び(いわゆるイモ継手)でも施工可能
  • 制限はあるが端部でも施工が可能
  • 機械式継手よりは安価

という特徴を生かしてPC造や先組鉄筋工法など
現場の省力化につながるような工法などに主に使用されます。
これらの工法は揚重機を使用してあらかじめ製作していたものを
現場内の該当場所へ設置するという工法なので「製品重量」と
「クレーンの能力」の把握が不可欠です。

 

ところで

あなたは「クレーンの定格荷重」って正確に説明できますか?
もしも「ドキッ」としたなら、こちらの記事がオススメです。

↓ ↓ ↓

  • コメント: 0
banner11

Sponsored Links


関連記事

  1. 躯体工事の優劣を決める型枠工事の役割と種類を整理しておこう

  2. コンクリート打込み時の圧送工への4つの管理ポイントとは?

  3. 柱・梁の断面算定の考え方と鉄筋の納まりの実態との差とは?(3)

  4. ディープウェルは地下水位が高い地域ではスタンダード?

  5. 高炉セメントB種(BB)のコンクリートを採用するメリットとは?

  6. 鉄骨の加工用に切断した材料の規格はどの様に判別するのか?

  7. 誘発目地は増打ち部分しか入れてはダメ?混同しやすいポイントを解説

  8. 【保存版】躯体図に記載すべき36のチェック項目とは?(チェックリスト付)

  9. 型枠工事の施工計画書の本音と裏側(1)

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

プレゼント付無料講座開催中
kouza
仮設 syoseki
プロフィール
myImage

作者:TM


私の職業は「建築現場の現場監督」。
何だかんだで15年働いている。
その15年分のノウハウを若い現場監督さんのために、全て暴露しくよ。

なぜ、キツイ建設業界で働き続けているのか?
その秘訣がしりたいあなたは
今すぐこちらをクリック

↓ ↓ ↓

詳しいプロフィールはこちら


あっ、
ただし「社外秘」や「会社独自の技術」じゃ無いよ。
あくまで、「私個人の感じる本音」だよ。
最新記事・おすすめ記事
  1. 鉄骨工事は仮設も本設?甘く見ると命も品質も危ない…

  2. 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)でやりがちな鉄筋貫…

  3. ボルト接合の落とし穴!想像力を駆使して回避すべき…

  4. 鉄骨工事のボルトのクリアランスは○○mmしかない!?

  5. 鉄骨の工作図をチェックする時に確認すべき9つのチ…

  1. 一級建築士の資格勉強を始める時期はいつからか?と…

  2. 在宅勤務になり建築現場に配属されない時の学習方法…

  3. 最上階の梁の定着は一般解の梁と何が違うのか?

  4. TMです。新年明けましておめでとうございます。【悩…

  5. 工事写真をスマホで管理する時代が到来!Photo Manag…

人気記事ランキング
月間週間デイリー
ブログランキング
にほんブログ村 住まいブログ 現場監督へ