私もコンクリートミキサー車(生コン車)の配車計画などの記事の中で
「コンクリートを1時間当たりどの位打設出来るか?逆算して打合せしましょう」
という趣旨の事を実際に書いてきましたが、
「で、一般的にどの位を目安にすれば良いの?」
というあなたの疑問に答えることが出来ていなかったと感じています。
そこで、今回はコンクリートの打設計画を立てるために絶対に
欠かすことの出来ない「打ち込み速度の目安」についてお伝えしましょう。
まず
今回は始めに「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の該当部分を確認して下さい。
P.412
(5) コンクリートの打込み速度は、打込み場所の施工条件によって大きく異なるが、十分締固めができる範囲とすることが大切である。スランプ 18cm 程度のコンクリートをコンクリートポンプ工法で打ち込む場合の目安は、20 ~ 30 m3/h 程度である。
「この基準を先に教えてくれよ!」
とあなたは改めて感じたかも知れませんね。
しかし、単純に20~30m3/hで計算するのは危険な様な気がします。
実際には、地域性によるバイブレーターの能力の違いであったり、
施工する会社の作業員さんたちの能力によって差は出てきますが、
それよりも「打設部位」別で打設出来る数量による差が出るので、
今回は覚えておいて欲しいです。
ずばり
私からの見解を先に言うと以下の通りです。
- 柱・壁であれば15~25m3/h
- 梁・スラブであれば20~30m3/h
- 基礎・地中梁であれば形状によるが20~40m3/h
具体的には
柱や壁を打設する場合は、1度に梁下まで打ち上げる訳ではなく、
2~3回に分けて徐々に打ち上げていきます。
更に
足元の間詰めが吹き飛ばないように、足元は慎重に確認しながらの
打設を行わないといけないですし、壁の開口部についても吹き出しなどを
気を付けて打設する必要があるので、他の部位に比べて数量は伸びません。
そして
梁やスラブになると、型枠への負担や打設不良を柱や壁より考慮しないので、
時間あたりの打設数量は伸びていくのです。
スラブの打設においては、コンクリートをトンボで均す人や左官さんが
打設のペースについてこれるだけ速度を上げることが可能です。
それから
1番時間あたりの打設数量が伸びるのは「基礎」などの大断面躯体です。
1つの基礎に30m3くらい入る場合は、2回に分けて打設しても、
生コン車3台分はすぐにのみ込んでしまいますからね。
基礎、地中梁を打設する時は現地を見ながら関係者と時間あたりの
打設数量の打合せをする事を私はオススメしますよ。
つまり
コンクリートの打ち込み速度の目安はどのくらい?という疑問については
- 柱・壁であれば15~25m3/h
- 梁・スラブであれば20~30m3/h
- 基礎・地中梁であれば形状によるが20~40m3/h
を目安にして、大きな計画を立ててから実際にコンクリートの打設に臨んで、
何度か失敗を重ねながら微調整していけばよいと考えていますよ。
実際には、打設ピッチにしても「専門会社」によって、さらには「地域」によっても
「標準値」は意外と違うと私は感じていますからね。
あっ、そうそう。
コンクリートについて「地域」で差が出ると言えば粗骨材です。
一度こちらの記事を読んで、地域差について確認してみて下さいね。
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