鉄筋の有害な曲がりの定義と、現場で起こりがちな場面と、私の主張

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鉄筋をむやみに曲げてはいけません!

と言われると

「そんなこと言われなくても分かっているよ!」

と9割以上の人は答えたくなるはず。あなたはいかがですか?

 

 

しかし

「あなたは本当に鉄筋をむやみに曲げていませんか?」

実は、現場を歩いていると鉄筋に対して思わず「可哀想」
と感じるくらい曲げられている場面に遭遇するのです。

 

まずは

工事中の建物への進入口まわりってどうですか?

 

例えば

工事中の建物においては、エントランスがいつも入口とは限りません。
動線などの関係で最終的には「壁(腰壁)」になってしまう部分が
工事中の進入口になることも珍しくないでしょう。

 

では

進入口にある床から出ている「差し筋」はどうなってますか?

根元から「ぐちゃっ」と90度に曲がってませんか?

元に戻したときに真っ直ぐにする自信がありますか?

 

これが

「鉄筋の有害な曲がり」です。

 

そして

鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第6版 [ 日本建築学会 ]」の該当部分を確認して下さい。

 

a.有害な曲がりとは,直線にした場合,規定の直線筋とみなされない,つまり直線に矯正した後でも強度・伸びなどについてJIS規格の規定を満足しない曲がりがある場合をいう.また,例えば仮開口部などで,いったん鉄筋を祈り曲げ,あとで鉄筋を曲げ戻して施工する場合なども,有害な曲がりがある場合は鉄筋を切断し,別に鉄筋を接合して配筋し直す.
損傷のある鉄筋とは,その損傷によって鉄筋の品質が規格値以下となったもので,一般には断面欠損・ひび割れ一過度なさびなどで判断されよう.

 

ついでに

私が少し納得のいっていない件を1つお伝えします。

世間一般では、これからお伝えするどちらの考え方が受け入れられるのか?
が自分では判断つかないので私の意見として聞いてください。

 

それは

コンクリートのスラブに設ける「仮設の荷揚げ開口」の納まりです。
自分の現場では言われたことは無いのですが、他所の現場にいくと、
荷揚げ開口から鉄筋が長々と出ていて、更に

「これでもかっ!」

というくらい曲げてある場面に出くわしました。
そこで、理由を聞くと工事監理者さんからの指示で

 

「最終的には仮説開口は塞がるのだから
差し筋ではなくスラブ筋をつなげなくてはならない」

とのことで、開口を塞ぐ際に曲げた鉄筋を戻すと重ね継手が可能なくらい
鉄筋が伸びていました。

 

これには

さすがの私も「ナンセンス!」と口にしたのです。

 

なぜなら

  1. 鉄筋の曲げ方が「有害な曲がり」の域に達している
  2. 鉄筋が伸びている中での荷揚げ作業は非常に危険
  3. 開口補強筋を設置しているなら構造が成立しているはず
  4. 仮説の開口部に対して乾燥収縮で1番クラックが発生しやすいのは初期クラックで、開口をふさぐ頃にはある程度乾燥収縮が収まっているはず

という4つの理由からです。

 

だから

仮設の荷揚げ開口をふさぐ時には、側面にインサートを仕込んでおいて、
ネジ式の差し筋をベースに「ひび割れ防止」に観点をおいて
施工すれば十分なのでは?と言うのが私の主張です。

あなたが実際に同じ様な場面で施工する場合は、どちらか信じる方を
主張してみて下さいね。

 

つまり

鉄筋の有害な曲がりの定義と
は「直線にした場合規定の直線筋とみなされない」
という状態を示します。

言い換えると、「直線に戻そうと思っても戻らない状態の鉄筋」
というふうになります。

 

そして

鉄筋の有害な曲がりが起きやすい場合は、床などに仮設開口を
設置した場合に「差し筋」として伸ばしている鉄筋を折り曲げて
仮設使用をしている場合に「出来るだけ開口範囲を広げたい」
と考えて鉄筋を極度に折り曲げてしまう場合です。

 

だから

私は出来るだけ、床開口は開口として成立させて、インサートなどを
事前に配置しておいてひび割れ防止の意味をこめて配筋するという
方法が適していると考えていますが、常に採用される訳ではないですね。

 

あっ

私の主張はこの記事では、最後に少しだけ書きましたが、
実は他にもたくさん書いています。

こちらに目次のリンクを張っておきますので是非ご覧になって
気になる記事があれば読んで見て下さいね。

↓  ↓  ↓

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