「長かった躯体工事も次でいよいよ最上階、
やっと先が見えてきた~!」
と安心している場合ではありません。
実は
最上階の躯体工事には納まりに関しても現場のチェック項目についても
今までの基準階とは異なるので、とても注意が必要です。
そこで
今回は最上階と基準階では納まりが異なるポイントを
1つご紹介しましょう。
それは
梁の主筋のうち上筋の1段目だけが定着部分でいくと折り曲げた先で
余長部全体の長さであるL2を確保しないといけない納まりが多いのです。
なぜなら
上部に柱がないために地震時などでは梁の上筋には
引き抜かれる力が他の階の梁よりも大きく掛かるからです。
しかし
このような納まりはあなたの知識があっても無くても
鉄筋に関するスペシャリストである鉄筋屋さんがこなすでしょう。
鉄筋屋さんには
「次階は梁の定着の取り方が変わりますよね」
くらいの確認ぐらいは必要だとは感じますが、
「次階の梁の定着の取り方は○○で…。○○だから頼みますよ」
と言うと、
「そのくらいお前に言われなくても分かってるよ!」
と思われる可能性は高いかも。
では
最上階の梁筋の配筋作業が始まる前にあなたがすべきことは何ですか?
ここで
「そのくらいお前に言われなくても分かってるよ!」
と感じるのか?
「えっ!何をすべきなの?」
と感じるのか?あなたはどちらでしょう?
実は
ここだけの話ですがこの様な話をすると先程の例で
鉄筋屋さんに面倒くさく思われるような発言をする人ほど
同じシチュエーションで自分がすべきことを理解していないことが多いのです。
では
私はあなたに何をして欲しいか?
というと簡単なことで、
「配筋される前の梁筋の定着の折り曲げ部より先の長さの写真を撮っておいて欲しい」
のです。当然ながら配筋後にパネルゾーンにスケールを突っ込んで
確認した写真を撮ることも出来ますが、はっきり言って分かりにくいし、
「ギリギリで上司に言われて撮っている感」がにじみ出ていることでしょう。
だから
配筋作業に掛かる前の一番確認しやすい状態での写真を撮ることで
「事前にきちんと確認した後に作業させてますよ」
という姿勢が知らず知らずのうちに出てきます。
この姿勢が不思議と工事監理者さんや検査機関の人たちを
安心させる材料に不思議となることが多いと私は経験上感じています。
最後に
「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」の該当部分を確認して下さいね。
また,最上階の梁筋の外柱への定着は,上端筋については鉄筋の余長部で直線定着の長さL2を確保し,下端筋については一般階と同様とする.なお,最上階の梁上端二段筋については,従来と同様に一般階と同じ定着長さでよいものとする.
つまり
最上階の梁の定着は一般解の梁の定着と何が違うのかについては
最上階の梁の上端筋については鉄筋の余長部の直線定着の長さを
L2確保する必要があることです。
ただし
上端筋については2段筋など最上段でない鉄筋と、下端筋については
一般階と同じ定着長さでよいです。
実際には
なかなか現場で鉄筋コンクリート造の建物を造っていると
頑丈さのイメージが先行して想像しにくいですが、
端部には他の部位以上に応力が掛かるという表れですね。
ちなみに
端部と言えばこちらの鉄筋の納まりもよく考えておかないと
配筋検査時に指摘を受けて、取り返しがつかない事になるかも?
ドキッとしたあなたは一度読んでおくべき記事ですよ。
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