コンクリート内の塩化物が嫌われる理由と、含有量を引上げる要因とは?

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海水を浴びると鉄が錆びやすい。という事はあなたも知っていると感じます。
コンクリート内の塩化物が嫌われる理由はあなたの想像通りに

「コンクリート内に配置されている鉄筋が塩化物含有物によって錆びるから」

 

そして

鉄筋が錆びることによって鉄筋コンクリート造としての、鉄筋に期待される
引張力が減ることにより耐久性が低下するのです。

 

それは

コンクリートというのは強アルカリ性です。素手で触ると手が荒れるくらいの
ある意味毒性があるくらいの強いアルカリ性の中で、鉄筋は錆びないように
守られています。もう少し具体的に言うと鉄筋の周りには「不働態皮膜」という
薄い膜に覆われていて、鉄筋が酸化するのを防いでいます。

 

しかし

コンクリート内の塩化物量が増えて一定基準値を超えると、鉄筋を守っていた
「不働態皮膜」が壊れて鉄筋に浸食してしていき、結果として鉄筋が錆びます。

 

では

コンクリートの敵とも言える塩化物量ですが、一体何が値を上下させる要因
なのでしょうか?要因を取り除くことで品質を保つことは出来るのでしょうか?

 

ですが

結論としては「塩化物量の多い物質が入っていても取り除くことは困難」
であり、塩化物量の増減を握るカギは「地域性」による所が大きいのです。

 

具体的には

塩化物量の増減を大きく左右する要因というのは「細骨材」です。
細骨材というのは、つまり「砂」なのです。砂をどこから調達してくるか?
によって、塩化物イオンの値が1桁違うのです。

 

例えば

海から採取する「海砂」であれば塩化物イオンの含有量が0.1kg/m3という
数値くらいの数値ですが、「山砂」や岩を砕いてできた「砕砂」であれば
塩化物イオンの含有量は0.03kg/m3というように1桁変わってきて
普段から全く気にする必要のない数値となるのです。

 

だから

海砂というのは、どれだけ洗っても塩化物イオンが含有されやすいという事なので
あなたの地域のコンクリートの細骨材の採取場所については1度確認しておいても
良いかも知れませんね。

 

最後に

建築工事監理指針(令和7年版上巻)
の該当部分を確認して下さい。

P.394

(g) 塩化物量

コンクリートは、通常pH=12.5~13程度の強アルカリ性を呈し、その中に埋め込まれた鉄筋の表面は薄い酸化皮膜で覆われ、不働態化して腐食から保護しかし、大気中の炭酸ガスやその他の酸性物質の浸透によって徐々にアルカリ性が失われ、中性化が鉄筋の位置まで進行すると鉄筋の腐食に対する保護作用を失い、さらに、水分と酸素が供給されると鉄筋は腐食し始める。

コンクリート中に一定量以上の塩化物が存在すると、塩化物イオンの作用によってコンクリー トの中性化が進行していなくても、不働態皮膜が破壊され、鉄筋は腐食し始める。

これらの理由から、「標仕」ではコンクリートに含まれる塩化物の値に制限が設けられ、塩化物イオン量で0.30kg/m3以下と規定されている。

 

つまり

コンクリート内の塩化物が嫌われる理由とは、コンクリート内で
不働態化して浮力から保護されているべき鉄筋が、一定量の塩化物が
コンクリート内に存在すると、鉄筋の不働態膜が破壊されて腐食が
生じるからです。

 

そして

コンクリート内の塩化物含有量を引上げる1番の要因とは「海砂」です。
細骨材の中に「海砂」さえ入っていなければ、塩化物量の検査は
規定値の1桁少ないオーダーで合格になります。

 

ちなみに

あなたの仕事をしている地域の骨材はどんなものを使用していて
他の地域とどのように違っているかこちらの記事で確認してみましょう。

↓ ↓ ↓

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