鳶も鉄筋業者も、鉄筋材料の資材についても共通で
あなたでなくても、あなたの所属している会社が主体的に
どこの専門工事会社と契約するかを決めることが出来ます。
しかし
数ある建築の工種の中で、唯一と言ってもいいほど、ゼネコンが
主体的に決めることが出来ないのが「生コン工場(生コンプラント)です。
ここで
コンクリートの材料を商社経由で納入している場合は、どの商社と契約するか?
については、あなたの会社で選定することが出来ますが、どの工場になるか?
については、100%こちらの希望通りになることはありません。
なぜなら
生コン工場には、大抵の地域で「協同組合」という制度があるからです。
協同組合は、年間を通して組合に加盟している生コン工場の能力に応じて
コンクリートの生産量を振り分ける仕組みとなっています。
具体的には
- 地域の中でA工場は比較的品質が良いため、ゼネコンはA工場に発注したい。しかし、A工場にだけ集中してしまうと、他の工場とのバランスが崩れてしまうので、あなたの現場はB工場からの出荷となってしまう。
- あなたの現場が、地域の中でも目玉となるような大型現場であった場合は、本当なら2社くらいの生コン工場で対応できるかもしれませんが、他の物件とのバランスを考えて、一方的に4社で決定されてそれぞれの目標納入量のバランスまで
組合から指定されてしまう。
などの事例があるので、複数の生コン工場が指定されると決まった生コン工場の中から
「どの生コン工場に、どの部分を打設させるか?」
を考えていくことになるので、複数のコンクリートが混ざり合わないように
階数や棟別で数量を区切って、配置することをしなければなりません。
そこで
一番、あなたが品質的に問題ないという生コン工場を、現場の中で一番重要な箇所を
打設できるように配置することが、現場の品質管理上において非常に大切です。
更に
生コンクリートの協同組合は、地域によって「権力の強さ」が全く違うので、
ちょっとしたお願い事も断られる場合もあるし、希望のプラントを商社に伝えると、
商社と生コン工場が上手く立ち回ってくれて希望通りになる場合もあります。
このあたりは商社などに事前に相談してみると良いと感じますよ。
最後に
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の該当部分を確認して下さい。
P.397
(2) レディーミクストコンクリートの製造者の業界では、一般的に地域ごとの協同組合による共同販売方式又は直接販売方式が取られ、協同組合から割り当てられた一工場又は複数の工場から工事現場にコンクリー卜が供給されるようになっている。
このような供給方式の場合、同一打込み工区に同時に複数の工場よりコンクリー卜が供給されると、それぞれの工場の品質責任の所在を明確化することが困難となるので、同一打込み工区への複数工場からの供給が行われないようにする。複数工場による協同納入を避けることができない場合は、打込み区画を区分し、それぞれの納入工場に振り分けて、責任の所在を明確にすることが重要である。
(3) レディーミクストコンクリートは、運搬時間によって品質が変化することもあるので、運搬時間はなるべく短い方がよい。したがって、JIS A 5308 (レディーミクストコンクリート)の 9.4[運搬] 及び 「標仕」6.6.2 で定められた時間の限度内にコンクリートが打ち込めるよう、工事現場内の運搬方法及び運搬時間並びに工場の製造能力、運搬能力等を考慮した工場であることを確認することが重要である。
つまり
生コン工場があなたの希望通りに選べない協同組合制度とは、
地域の生コン工場の供給量に偏りが出ないように、その地域の出荷量と
工場の生産能力を踏まえて、どの工事でどのくらいの数量をどの工場から
供給するか?を組合で協議して決定する制度の事です。
だから
あなたは、組合が決めた生コン工場を使用して、さらに複数ある場合は、
出来るだけ割り当て量に応じて納入個所を決めなければいけません。
生コン工場の能力を見極めながら、品質的に重要な部位を安心して任せられる
生コン工場へ依頼するようにすることもあなたの「能力」の1つなのですから。
あっ、そうそう。
あなたが能力を見極めなくてはいけないのは「部下」についても同じです。
もしも、部下の育成で悩んでいるならこちらの記事がオススメですよ。
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