「今78台まで出ていますが、あと何台コンクリート出しますか?」
「えーっと、時間もないので3台出して、待ちでお願いします」
……30分後。
「やべっ!最後の追加2台で良かったーーー!1台余った…」
という経験はあなたには無いでしょうか?私は何度か有りますよ…。
そこで
今回は、現場で余ったコンクリートミキサー車の中のコンクリートの行方
について、お伝えしていきますが、どのように扱うのか?については、
工場によって、戻ってきたコンクリートによって違うので、想定として
読んでいただければ幸いです。(今回の記事は想像も混ざっています)
まず
冒頭のような、全く未使用のコンクリートについてですが、
こちらは、一般的な荷卸し可能時間内であれば、製品として使用できます。
もしも、工場内でコンクリート二次製品を製作しているような工場であれば、
こそっと使用しているかも知れません。
強度に関係なく、コンクリートで作った四角い塊に吊れるような治具をつけて
重力式の仮設の土留めなどを製作しているものも見かけますが、こちらも
そのようなコンクリートで役に立っているかも知れません。
二次製品、砕石、回収水
1台余らせても資源は有効に使われるかもしれない。
また
現場で計画通りに使用したコンクリートミキサー車の中には1m3程度の
コンクリートしか残っていませんし、最後のミキサー車であればポンプ車の
配管の中身を清掃する水を受けるために使用されることも多いので、
中身の品質は非常に悪くなるので、先ほどのような直接的に「製品」として
再利用することは出来ません。
しかし
コンクリート内に含まれている「原料」については再利用できる可能性があります。
具体的には
コンクリートミキサー車の中にある「水」「細骨材」「粗骨材」などです。
これらの原料は、きれいに洗浄したり、不要な部分を沈殿させることにより
再利用することが、全体の5%以下の範囲で可能なのです。
だから
あなたの余らせてしまったコンクリートも、どこかで誰かの役にたっている
という可能性は0ではありませんが、余らせないというのが基本ですけどね。
最後に
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の該当部分を確認して下さい。
P.399
(3) 練混ぜ水としてスラッジ水を使用する場合は、スラッジ固形分率(レディーミクストコンクリートの配合における、単位セメント量に対するスラッジ固形分の質量の割合)が 3% を超えないように目標スラッジ固形分率が設定され、バッチ濃度調整方法又は連続濃度測定方法で、スラッジ固形分率が適切に管理されていることを受注者等に確認させ、その結果を報告させることが重要である。
なお、スラッジ固形分率を 1% 未満で使用する場合、生産者が、JIS A 5308の 表10 [レディーミクストコンクリート配合計画書] の目標スラッジ固形分率の欄に、「1%未満」と記載する。また、この場合、生産者が練混ぜ水の全量にスラッジ水を使用し、かつ、濃度の管理期間ごとに 1%未満となるよう適切に管理されていることを受注者等に確認させ、その結果を報告させることが重要である。
(4) JIS A 5308の 9.5 [回収した骨材の取扱い] では、自工場が出荷した戻りコンクリート並びにレディーミクストコンクリート工場において、運搬車、プラントのミキサー、ホッパーなどに付者及び残留したフレッシュコンクリートを、清水又は回収水で洗浄し、粗骨材と細骨材とに分別して取り出した骨材を、5% 以下の範囲でJIS規格品のコンクリートに使用できることとした。
なお、指定建築材料(建築基準法第37条)の規格及び技術的基準を定める平成12年 建設省告示 第1446号の第1 第七号(コンクリート)に掲げる材料規絡(JIS A 5308 - 2014)から回収骨材は除外されていたが、同告示が平成30年6月14日に一部改正され、JIS A 5308に適合したものであれば、国土交通大臣の認定を受けなくても回収骨材を使用したコンクリートが使用できることとなった。
つまり
現場で余ったコンクリートは廃棄されるのか?リサイクルされるのか?
については、工場によってさまざまだと言うのが正直なところです。
そして
リサイクルされるなら、強度などを必要としない用途の二次製品などの
型枠に打設されるか?一旦、工場で荷卸しをして清水や回収水で洗浄し
粗骨材や細骨材を、今後製造するコンクリートの一部に再利用する方法もあります。
だから
もしも、あなたが現場で発注間違いをして現場で打設し損ねた
コンクリートも廃棄されずにリサイクルされているかも知れませんよ。
でも
失敗することは私は悪いことだとは考えていません。
失敗は誰だってします。失敗しても、失敗しても最後までやり遂げる。
この「やり切る力」を私はあなたに期待していますからね。
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