鋼矢板を引き抜くときに気になるのは「地盤の沈下」である。
鋼矢板を引き抜くときは当然地層にもよるけど、
一緒に土がくっついて地上まで上がってくることが多い。
もともと地下にあった土が地上まで上がってくると言うことは
地中に空隙が発生してしまうことになる。
一般的には水締めを行うことにより空隙を無くすのだけど
粘土質の地層であれば水締めの効果が出ないこともある。
すると、じわじわと地盤が沈下していく。
そこで
地盤を沈下させない為にはどのようにすれば良いか?
だけど
私は今まで2通りの考え方に出会った。
1つは
引き抜くときに出来るだけ土を付着させ無ければ良い。
という考えに基づいて、鋼矢板に振動を掛けながら
地盤との縁を切りながら引き抜くという考え方。
よって
バイブロハンマーで引き抜くという考え方。
もう1つは
街中で地盤沈下の影響が出ないようにバイブロハンマーで
引き抜くと苦情がくるから、やっぱり水締めしながら
サイレントパイラーで引き抜くという考え方。
結局
私はこの2つの考え方に優劣はつけられない。
現場によって、近隣家屋との距離や様々な状況、
また地層によっても結果は異なってくるはず。
その中で、地層にもよるかもしれないけど、
私が鋼矢板に高周波の振動(パルソニック)で
引き抜いた時は、思ったより土が鋼矢板について
地上に上がってきたな~。
「これならサイレントパイラーで抜いても一緒やん」
と感じた記憶はあるよ。
あくまでも個人的な感想だけどね。
つまり
鋼矢板の引抜きはサイレントパイラーか?バイブロハンマーか?
については、
鋼矢板の引き抜きによる地盤沈下の影響を出来るだけ
最小限にとどめたい場合にはバイブロハンマーのように
振動を与えることによって鋼矢板に土を付着させずに
引き抜いた方が良いと考える人が存在するし、
いやいや街中でバイブロハンマーなんてもってのほかだから
サイレントパイラーで引き抜くべきだよ。と考える人もいる。
どちらが正解とはハッキリ言ってケースバイケースなので
何とも言えないけど、発想が凝り固まってしまうよりは、
常に選択肢を持っておくのは非常に重要だと感じるよ。
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