梁・スラブのコンクリート打設は、前回までの柱・壁より
施工中のトラブルは少ないし、時間当たりの打設数量も
一般的に伸びる部分なので、
「は~、やっとスラブ迄上がってきた~」
と、柱・壁でトラブル続きだった日は、一息つきたい
気分になる事もあるでしょう。
あとは、最後の打設数量を調整して「余り」を出来るだけ
少なくする事に注力すれば良いと考えがちですが、
1つだけ注意しておいて欲しいポイントがあるのです。
それは
コンクリートの打込み高さをスラブ下で一度止めないと、
時間が経ちコンクリートの硬化に伴なって沈下するので、
梁とスラブの取合っている部分でひび割れが発生します。
だから
柱・壁の打設時に梁下で1度打ち止めて、梁をスラブ下まで打設することで、
コンクリートの沈下や効果による影響での「クラック」を抑制できます。
しかし
コンクリートの打設において、周回する回数がふえると、
圧送工の人たちの労力は増えるし、時間当たりの打設量も減りますが、
このクラックは品質的な知識さえあなたにあれば防ぐことが出来るので、
現場の雰囲気に流されずに管理してくれると、あなたのトラブルは
減りますからね。
最後に
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の該当部分を確認して下さい。
P.415
(エ) 梁の打込み
(a) 梁の全高を同時に両端から中央に向かって打ち込む。
(b) せいが高い梁は、スラブと一緒に打ち込まず、梁だけ先に打ち込む。
(c) 柱、壁等を、梁下で一度止めずに上部まで連続して打ち込むと、柱、壁等のコンクリートの沈降により、梁との境目にひび割れが発生するおそれがあるので、壁及び柱のコンクリートの沈みが落ち着いた後に梁を打ち込む。
(オ) スラブの打込み
(a) スラブは、梁のコンクリー卜が沈降してから打ち込まないと(エ)(c)と同様に、梁との境目にひび割れが発生するおそれがあるので、梁のコンクリートが落ち着いた後にスラブを打ち込む。
(b) 打込みは、遠方から手前に打ち続けるように行う (図6.6.5 及び図 6.6.6 参照)。
(c) コンクリートの浮き水が多い場合は、排除する。
(d) 柱、壁の打込みでこぼれて硬化したコンクリートは、掃除してからコンクリートを打ち込む。
図 6.6.5 スラブの打込み (ポンプによる打込み)
図 6.6.6 スラブの打込み (バケットによる打込み)
つまり
コンクリートの打設における梁・スラブにおける部位での注意ポイントは、
打設時に梁のコンクリートなどをスラブ下まで一旦打設しておいて、
しばらく時間をおいてスラブのコンクリートを打設しないと、梁・スラブの
沈下量が違うためにクラックが発生する危険性があることです。
それは
コンクリートの中には、硬化に必要な水以外にも良好に打設・充填する
ために必要な「余剰水」が存在することも関係してきます。
一体、コンクリート中に余剰水がどの位の割合で入っているか?
については、こちらの記事で解説しているので是非確認して下さいね。
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