「地中梁の継手位置が全部中央で拾ってありますが良いですか?」
と聞かれて、まだ3年目くらいの私は深く考えずに
「カット明細が元々そうなっているなら良いんじゃない」
と軽く答えてしまいました。私の中では鉄筋屋さんが
拾うにはそれなりの根拠があるはずだと考えていたからです。
その後、所長から
「地中梁の継手位置が全て中央なんて有り得ない!
本当に大丈夫なのか?」
と言われましたが私は明確に答える事が出来ませんでした。
それから、所長自ら構造設計者に確認して、今回の建物は
全て中央で継いで問題ない。という回答が得られてホッとした記憶があります。
それから
構造図の特記仕様書をコッソリとみた記憶もあります。
そこには、地中梁の継手位置が数パターン書いてありました。
では
何が違うかというと、地中梁に取り付くスラブによる違いでした。
大きく分けると以下の3パターンです。
1、スラブが取り付かない。若しくは構造スラブではなく土間スラブの場合(埋め戻しを行う場合など)
2、地中梁の上部に構造スラブが取り付く場合(ピット形状の場合など)
3、地中梁の底部に耐圧盤が取り付く場合
これを見たとき
「あ~!今までこんな違い全く意識してなかったな~」
と落胆しました。
もしも
構造設計者の回答が違っていれば、地中梁の配筋は全て一旦バラして、
最初から組み直しだけでなく、鉄筋の拾いが間違っているので、
かなりの高確率で「発注し直し」が発生してしまうからです。
再発注にかかる時間だけ現場が止まってしまう大ピンチに
なってしまう可能性を秘めていたからです。
「知らないって怖いな…」
と感じた過去の出来事でした。
最後に
「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」の該当部分を確認して下さい。
基礎梁内の主筋カットオフ位置は設計図書の特記による.特記のない場合は(a)~(c)のいずれかによる. また,基礎礎梁外端部の定着は設計図書の特記による. 特記のない場合は(d-1)~(d-4)のいずれかによる.
つまり
地中梁は上部へスラブが取り付くか?否か?で
主筋のカットオフ位置や継ぎ手位置が異なります。
何の気なしに普通の上階の梁と同じような納まりで考えていたり、
業者さんに言われるがままに施工してしまうと非常に大きな失敗に
つながってしまう可能性があるので気をつけて下さいね。
だけど
知識のないうちは、色々な人から言われた事を真に受けがちだよね。
そこで、やってしまう失敗については私はある程度は「勉強」だから
仕方ないかな?考えて良いと感じるよ。
更に
「失敗」といえば過去にこんな記事も書いているので
合わせて読んでみて下さいね。
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