地中梁が組立時に他の一般梁と大きく違う点が2つあります。
- 梁せいが一般梁に比べて高いこと
- 捨てコンクリートの上などに自立する可能性が高いこと
すると
背が高くて自立している物は必然的に「転倒」の危険性が高まります。
そこで
今回は、地中梁の転倒について考えていきましょう。
まず
地方によっても違うかも知れませんが、在来の地中梁の鉄筋の
組み立て方で一般的なのは「基礎エース」などを使用して、
鉄筋の荷重を受ける組み方では無いでしょうか?
写真引用:基礎配筋工事の様子(朝日建設HPより)
しかし
基礎エースを使用する時に、鉄筋業者や専門業者に任せてしまって、
意外と自分で確認をしない項目に「安全性」があります。
例えば
もしも、あなたが基礎エースを使用したことがあれば、
何メートルピッチで設置するれば荷重が持つのか?
を検討した事がありますか?
もしくは、幅が広い地中梁に対しては、支柱を1本ではなく2本のタイプにすべき。
と上司などに提案した事がありますか?
「いやいや、そんな事言っても大抵は大丈夫じゃない?」
とあなたは感じるかも知れませんが、鉄筋屋さんと話をしていると、
たまに、基礎エースが転倒した事がある。という経験の持ち主に出会いますからね。
特に
柱部分で地中梁がお互いに交差するような場所は基礎エースに掛かる
荷重が増えやすいので設置するピッチを細かくするなどの配慮が必要です。
また
鉄筋を先組する場合も注意が必要です。
先組された地中梁は、捨コンクリートの上には設置される事が多く、
形状も縦長で不安定になりがちです。
たとえ
自重があるので転倒しにくいとあなたが考えていたとしても、
荷重の分布は主に主筋のある上部と下部に偏ってしまいます。
だから
通常時では転倒しなくても、地震時や突風などの強風時においては
入念に転倒防止のための「控え」を設置することをオススメします。
更に
先組鉄筋の設置後は出来るだけ速やかに他の鉄筋と連結するような
工程を計画する必要がありますね。
つまり
地中梁が鉄筋組立中に転倒しないために行うべきことは
以下の2点です。
- 基礎エースなどを使用する場合は、地中梁自重と梁幅を考慮して計画すること
- 先組鉄筋などを配置していく場合は、倒れるものとして控えをしっかりと取ること
しかし
人に言われると
「そんなこと分かっているよ!」
とつい言いたくなるけど、実際には、転倒していないので事故にはならないが
本当の所はよく検討されていないケースが比較的多いというのも事実です。
だから
「まさか、転倒するとは思いませんでした!」
「毎回同じくらいのピッチだったので今回も大丈夫かな?っと思いました」
という言い訳が出てきやすそうですね。
それは
今回の記事の場合だけでなく、こちらの場合でも同じですよ。
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