「あれ?!マズイ昨日打設した柱が倒れている!」
と気付いた時あなたは一体どの様な行動に出ますか?
- ダメなものはダメ、あっさり不具合部分は斫ってしまう
- 何とか誤魔化してできないか?と必死に誰にも言わずに誤魔化してしまう
- とりあえず隠しても仕方ないから報告して最小限の影響で済むように掛け合ってみよう
- いやいや、施工者では判断できないから施主や設計事務所に対応策を考えてもらおう
- いくら費用が掛かっても、一旦壊して造り直すぞ!
色々な考えがあると私自身も感じていますが、現場を預かる身としては
最低限の費用と、関係各所についての影響も最小限で抑えたい。
というのが人間の心情なのではと考えてしまいます。
具体的には
大規模な不具合の修繕が発生してしまうと、お客さんや設計事務所さん、
社内的にも信頼も評価も下がってしまいますし、修繕費用が掛かれば
工事原価を圧迫して利益が下がるので、更に評価が下がってしまいます。
実際には
建築工事監理指針に則れば「不具合だからといって構造体に影響のある
斫り工事を行う前に、最小限の影響で済むように検討しましょう」
という事になっているので、素直に社内や設計事務所さんに相談して、
修繕策について検討すれば良いです。
ただし
不具合が起きた箇所が「調整の効く場所」なのか「調整の効かない場所」
なのかは事前にあなたの方で判断して、方針を提案する方が良いですね。
また
床の精度については平坦さや仕上がり面がNGならポリマーセメント塗り
のみでもOKの場合もあります。その場合には、全体的に床レベルが高くなる
のであれば、全体的な仕上げレベルを5mm上げるという事で吸収出来れば
選択肢の1つになりますからね。
いずれにしても
トラブルが起こった時は、最悪の展開と、希望的観測的な展開と
数パターン考えながら対応することが大切なので、バタバタするとは感じますが、
頭の片隅におきながら対処していただければ嬉しいです。
最後に
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の該当部分を確認して下さい。
P.480
(2) (1)で確認を行った結果、部材の位置・断面寸法、表面の仕上り状態、仕上りの平たんさ、打込み欠陥部及びひび割れの精度が設計図書に定められた許容値に適合しない場合は、該当する部材の全て及び一部を補修することになるが、はつり等を行う場合は、構造体を傷めるおそれがある。あらかじめ設計担当者と打合せのうえ、他の部分への影響を最小限にして、その部材の耐久性を確保するように補修方法を定めて監督職員の承諾を受ける。また、補修完了後は、直ちに補修箇所について、監督職員の検査を受けなければならない。
(ア) 部材の位置及び断面寸法の精度が許容値に適合しない場合は、はつり等を行って補修することになるが、この方法は構造体そのものを傷めるおそれがあるので、受注者等や設計者と協議して、他の部分への影響を最小限にして、その部材の耐力及び耐久性を確保できる適切な補修方法を策定させ、提案させて了承後に補修を行わせる。
(イ) 表面の仕上りが不適格の場合は、不適格な箇所に再度ポリマーセメントペースト等を追加し、基準に適合するよう丁寧にこて均しを行う。
(ウ) 平たんさは、仕上げの種類だけでなく、建物の規模や仕上げ面に要求される見ばえ等によって異なるので、ポリマーセメントモルタル等を使用した適切な補修方法を策定させ、提案させて了承後に補修を行わせる。
つまり
部材の位置・断面寸法、表面の仕上り状態、仕上りの平たんさ、
打込み欠陥部及びひび割れの精度が設計図書に定められた許容値に
適合しない場合は、該当する部材の全て及び一部を補修することになります。
しかし
はつり等を行う場合は、構造体を傷めるおそれがあるの、あらかじめ設計担当者と
打合せのうえ、他の部分への影響を最小限にして、その部材の耐久性を確保する
ように補修方法を定めるように交渉する必要があります。
また
仕上がりの平坦さがNGの場合はポリマーセメントにより凹んだ部分を平滑に
補修するか?程度によっては凸部分を削るなどに処理が必要です。
部材の位置が間違っている時は墨出しやそれ以前の測量が間違っている
という場合が95%以上なので、測量を事前に計画して間違いなく実行するという
ことが重要になりますので、こちらの記事を確認して失敗は出来るだけ防ぎましょうね。
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