地下外壁の鉄筋を上手に組むコツと注意ポイントとは?

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「地下のある建物なんて造らないから関係ないよ!」

と心の中で思っているあなたにも、今回の記事は、
施工を計画する上でもエッセンスが詰まっているので
是非とも読んで欲しい。と考えてます。

 

まず

今回は「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]

の該当部分を確認して下さい。

 

P.233

f . 地下外壁の配筋


(a)断面


(b)断面

室内側

[注]

(1) 地下外壁の外側鉄筋を基礎梁に定着する場合, 定着長さは規定長さでよいが,1本おき程度に耐圧スラブの上端まで下げると鉄筋位置の確保が容易である.

(2)地下外壁と連続する基礎梁の応力に対処するために,地下外壁を基礎スラブまで下げる必要のある場合は,設計図書に明示する.同様に上部スラブ位置まで地下外壁筋を立ち上げる場合もある.

(3)(a)で耐力壁の壁筋を定着する場合は,コア内定着長さを8dかつ150mm以上とすること(*印)

メモ:地下外壁の配筋は,応力状態および山留め(切梁・腹起し)・柱・基礎梁との鉄筋の納まりなどを考慮して定め,設計図書に明示する.
継手位置は9.6 のb. に準ずる.

 

P.237

f.地下外壁の配筋

地下外壁の配筋は応力状態および山留め(切梁,腹起し),柱,基礎梁との鉄筋の納まりなどを十分考慮することが必要である. また,縦・横の鉄筋の位置関係を入れ替えて鉄筋の通りをよくするための工夫が必要な場合もある.このように,地下外壁の配筋はこれらのことを考慮して設計図書に明示する.

地下外壁の標準的な配筋方法は(a),(b)の2通りがある.

(a)は,
i)外側縦筋は上層の梁上端筋近傍まで立ち上げ,先端を90°に折り曲げて梁コア内に定着する.定着長さとして定着起点から折曲げ開始点までの長さをL2以上,余長8dかつ150mm 以上を確保する.一方,基礎梁への定着も設計図書に指示がない限り定着起点から折曲げ開始点までの長さをL2hとし,上端部と同様に基礎梁コア内に90°に折り曲げ, 余長8dかつ150mm以上を確保する.ただし,壁筋と耐圧スラブ主筋とを連続することにより応力に対処したい場合は,設針図書にその方法を明示する必要がある.なお,上階への縦筋の立上りは連続してもよい.

ii)横筋は壁内で継手を設けるのが好ましいが,工事現場の状況によっては柱断面内に定着してもよい.なお,継手位置については,その範囲を設計図書に明示しなければならない.

iii)内側縦筋の定着長さは上下ともにL2でよい.

 

(b) は,
i)外側鉄筋を上階梁および基礎梁主筋の内側(断面コア内)に入れ, 定着長さをそれぞれL2とする.この場合,図から明らかなように壁の有効厚さ(有効せい)dが小さくなること, 外惻鉄筋のかぶり厚さが大きくなるなどの欠点があり,この部分にひび割れに対する用心鉄筋が必要になることもある.

 

 

どうでしたか?

地下の仕事をしてなかったらイメージがわきづらいかも知れませんね。

 

ここで

私が今回伝えたかったことは2つです。

 

まずは

地下外壁の定着長さを耐圧盤まで延長することで、
段取り筋のような役割を果たすことで施工性を上げる
という効果があるのです。

 

つまり

本工事の材料の取り方を工夫することで、
仮設的な使い方となり施工がスムーズに進むのです。

 

 

次に

鉄筋を組む場合に図面の通りに壁筋を組み立てると、
山留めの腹起こしと干渉してしまう危険性があります。

 

なぜなら

山留めの切梁、腹起こしは、耐圧盤などの躯体の進捗により、
新たに支点となるものが構築されたり、埋め戻しなどで掘削深さが減ったり
することでしか撤去することが出来ません。

 

更に

切梁の段数を減らすためには、1段目の切梁を1階の床レベルより
低いところで設定することも多いため、地下1階から地上まで
壁筋を立ち上げると腹起こしと干渉する危険性があるという事です。

 

だから

施工を計画する上では、本工事に必要な断面と施工に伴う仮設物も
一緒に図示して検討することでトラブルを事前に回避する事が可能です。

この「事前検討」が現場では本当に本当に大切ですからね。

 

つまり

地下外壁の鉄筋を上手に組むコツと注意ポイントとは?
外壁側の縦筋を1本おきなどで高く上げておくことで
「段取り筋」の役割をはたして次工程の作業がスムーズに
進めることが出来ます。

 

しかし

一方で地下外壁を構築する上での山留材に付随する
「切梁」や「腹起こし」が鉄筋と干渉する場合があるので
断面図などでは仮設資材も含めた計画をたてることが非常に重要です。

 

このように

工事の計画は、本工事の材料を仮設的に使用したり、
仮設材が本工事に干渉する場合も多々あります。

 

だから

現場では「段取り八分」と言われるのですね。
「段取り八分」についてはこちらで記事にしていますので
合わせて読んであなたの「段取り力」を高めて下さいね。

↓ ↓ ↓

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