頭の中では理解しているつもりでも、
実際にやってみたら意外に出来ない。
と言うことは世の中にはいくらでもあります。
そして
そのつまずきポイントは、たいてい自己嫌悪に陥ってしまうくらい
基本的な所が分かっていない事が多いです。
そこで
今回はスラブ筋の基本の「キ」をお伝えしましょう。
「えっ?タイトルと本文が違う?」
いえいえ、今から出す3つの質問に答えることが出来れば
あなたは立派にスラブの配筋図を描くことが出来ますからね。
それでは、第1問
あなたはスラブ配筋を書き始める時にどこから書き出しますか?
スラブの中央からですか?それともどちらかの端から書き始めますか?
続いて、第2問
あなたはスラブ筋のピッチを割り込む時には、どう割り付けしますか?
ピッチの端数をどのように処理しますか?
最後に、第3問
スラブ配筋で上下ダブル配筋の場合は、どのような順番で配筋されますか?
配筋の上下を決める要素は一体何になるのでしょうか?
その要素は、上下の配筋で考え方は同じなのでしょうか?違うのでしょうか?
補足でいくつかの質問も足しましたが、これらの質問は
最初の質問を答えるためのヒントとなる質問だと考えて下さいね。
この3つの質問にあなたが答えることが出来れば、
スラブの配筋図も描けるでしょうし、理解も出来ているので
この先は読み飛ばしてもOKです。
えっ?
「答えられなかったらどうするの?」
ですか?それなら、答えは
「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」の該当部分を読んで確認して下さいね。
P.239
a,配 筋
[注]
lx:短辺有効スパン長さ
ly:長辺有効スパン長さ
P.243
スラブ区分の名称およびスラブ筋の割付け
図のように,短辺・長辺のおのおのの方向に対してスラブを柱列帯・柱間帯に区分する.4辺固定のスラブの場合,区分線は各方向とともに梁面より1/4の位置とする.ここに,
lx:短辺有効スパン長さ
ly:長辺有効スパン長さ
とする.3辺固定・2辺固定など他の支持条件のスラブにあっては区分線を設計図書に明示する.スラブ筋の割付けは次のA,Bの2方法がある.
(A配筋法)
i)柱間帯鉄筋は短辺・長辺各方向ともスラブ中心線より規定の間隔で左右に割り付け,柱間・柱列区分線を超えて止める.そして肩筋としてこの柱間帝最終鉄筋にD13 以上の鉄筋を用いる.
ii)柱列帯鉄筋は,梁面より100mm以下の位置に第1鉄筋(D13以上)を配置し,上記肩筋との間に規定間隔以下に割り込む.(B配筋法)
i)柱間・柱列区分線上に設計図で提示された太い鉄筋(上端筋はD13以上)を肩筋としておき,柱間帯鉄筋は規定の間隔以下に割り込む.この場合の調整区間としては,スラブ中央,区分線近傍,あるいは等間隔に割り付ける.
ii) 柱列帯は(A 配筋法)に同じ.なお, スラブ筋の位置を確保するために柱列帯第1鉄筋位置にバーサポートを用いて,コンクリートの打込みなどに対して配筋が乱れないように堅固に支持しなければならない.この場合,下端筋をずらしてもよい.
また,柱列帯と柱閥帯でスラブ筋の配筋を変えない場合は,スラブ中央線と第1鉄筋の間を規定の間隔以下に割り込めばよい.
スラブ筋の内外関係
スラブ筋の内外関係は建物の平面形状,梁間およびけた行方向の梁主筋の上下関係を考慮して合理的なものを定めるのがよく,個々のスラブで内外関係を変えることをせずに建物全体で統一してもよい. ただし,短辺方向主筋を外側に配置しない場合は,設計図書に明示することが必要である.
スラブ筋の内外関係は,解説図9.11 のような4タイプがある.設計図省に指示がない限り①夕イプで配筋する.
解説図9.11 スラブ筋の内外関係
つまり
スラブ配筋を描いて!と言われてつまずきやすい3つのポイントとは
- 最初の書き始め
- ピッチの割り込み方
- 上下の順序
実は
「こんなこと言われなくても分かっているよ」
とあなたが心の中で感じていたら要注意です。
頭の中での「出来る」と、実際に作業した上での「出来る」は
全く違うということは実際にやった人にしか分かりません。
だから
最初のうちは何でも「騙された」と思って実践してみることは
非常に大切だと考えてますよ。
更に
「実践力」の向上についてはこちらで記事にしていますので
是非とも読んでみてスキルアップにつなげて下さいね。
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