前回は、鉄筋工事の施工計画書の全17項目のうち
13項目をお伝えした。最初から読みたいあなたはこちらから。
14,鉄筋位置の修正方法(台直し等)
鉄筋はコンクリートに成り代わり上下階をつなぐ大切な部材。
だから
「差し筋」という形で上階へ向けて鉄筋が延びている。
通常は、圧接や溶接などの継手工法や、重ね継手でジョイントして
上階へつながっていき「引張力」を負担するのだ。
しかし
世の中は「成功」ばかりではないよね。
私は失敗したときにどのように対処するか?
がとってもとっても大切だと考えているからね。
そこで
コンクリートを打設した後の墨出しで鉄筋の位置が
間違っていた場合の修正方法を記載する必要がある。
だけど
曲げて修正するにしても限度があるのだ。
勾配が1/6よりきついと曲げて修正してはいけない。
なぜなら
先程もお伝えしたけど鉄筋は「引張力」を負担するから。
例えば
まっすぐな紐にくらべて、ぐにゃぐにゃと曲がった紐の方が
ピンと両手で引っ張ったときの延び方って違うよね。
当然ながら、もともとまっすぐな紐の方が早いタイミングで
「テンション」のかかった状態になるよね。
テンションのかかった状態、つまり引張力を負担するまでに
鉄筋が変形してしまうと建物自体が変形してしまうから。
すると、地震力に耐えられないからね。
まぁ
鉄筋の位置を間違いないように打設前に確認するのが
最も効果的な方法なんだけどね。
15,鉄筋組立後の乱れを防止する方法(歩み板の使用等)
「結束線の強度って何とも言えないよな~」
と私は感じることがある。
なぜなら
結束してある部分に体重を掛けても問題なく登れたか、
と思うと、何かの拍子に「ぐっ」っと体重が掛かると
とたんに結束部分がちぎれてしまう。
別に
計算されてそんな微妙な強度になっているわけではない。
結果として、たまたま力を入れればちぎれる強度になっただけ。
だから
特にスラブで普通の「モチアミ」形状(上下ともXY方向に@200など)
の配筋の場合は、上手に歩く人は鉄筋の交差部の上端筋の部分を
踏んで歩くので結束が乱れないが、バランスを崩して上端筋以外を
踏んでしまうと、「ブチッ」と結束線が切れてしまう。
すると
配筋自体が乱れてしまい品質上も問題だけど、何よりも「見た目」が
圧倒的に悪くなるので、「歩み板」を敷いて養生する必要がある。
だから
私は個人的には、スラブがハーフPCやボイドスラブ、鉄筋付きデッキ
などの形状であれば下筋が固定されていたりするので上筋が乱れにくい。
すると、少々管理が悪くても配筋検査時にキレイな配筋を見てもらえるので
非常に気が楽なんだよね。
今回はこのあたりでおしまいね。
また次回。
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