場所打ちコンクリート杭の品質管理の中でも
実は「スライム処理」というのは重要。
と以前の記事で書いたことが有る。
そこで
今回は、場所打ちコンクリート杭のスライム処理について
お伝えしていくのだが、まずは「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」の内容をざっと確認してみよう。
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(6) スライム処理
(ア) スライムとは,孔内の崩落土,泥水中の土砂等が孔底に沈殿,沈積したものである。この上にコンクリートを打ち込むと,荷重がかかったときに杭が沈下するので,スライムの処理は重要である。
このほか,スライムは強度を含めたコンクリートの品質低下,杭の断面欠損及び支持力低下の原因となる。(イ) スライムの処理には,一次処理と二次処理がある。一次処理は掘削完了直後に行うスライム処理で,二次処理はコンクリート打込み直前に行うスライム処理である。各スライム処理方法の例を,図4.5.11に示す。
図4.5.11 スライム処理方法の例
(ウ) アースドリル工法のスライム処理は, 一次処理として底ざらいバケットにより行う。バケットは杭径より10cm小さいものを用い,バケットの昇降によって孔壁が崩壊することのないよう緩やかに行う。
鉄筋かご建込みの際の孔壁の欠損によるスライムや建込み期間中に生じたスライムは, 二次処理としてコンクリート打込み直前に水中ポンプ方式等により除去する。(エ) リバース工法のスライム処理は,一次処理として掘削完了後ピットを孔底より若干引き上げて緩やかに空回しするとともに,孔内水を循環させて比重を下げ,鉄筋かごやトレミー管建込み期間中のスライム沈積量を少なくする。
二次処理は,コンクリート打込み直前にトレミー管とサクションポンプ等により孔底に沈積したスライムを除去する。(オ) オールケーシング工法のスライム処理は,一次処理として、ドライ掘削や孔内水位の低い場合は,掘りくずや沈殿物の量が少ないので,掘削完了後にハンマーグラブで静かに孔底処理(孔底のさらい)を行う。また,孔内水位が高く沈殿物の多い場合には,ハンマーグラブで孔底処理をしたのち,更に,スライムバケットによる処理を行う。
なお.コンクリート打込み直前までに沈殿物が多い場合には,二次処理として,水中ポンプ方式等によりスライムを除去する。
これで
各工法のスライム処理については一通り理解できたのでは?
と感じるが、大切なのは一次スライム処理の後の沈殿物は、
部屋の中を知らず知らずの内に漂う「ホコリ」の様に泥水中を
浮遊しているので、沈殿させるために「一定の時間」が掛かること。
そこで
コンクリート打設前に、浮遊していた沈殿物をしっかり
処理することで、掘削孔の中をきれいにしておこうね。
建築工事監理指針の説明が分かりやすいと感じたので
今回は、少しサボってしまったよ。
つまり
スライム処理とは、場所打ちコンクリート杭において良質な
コンクリートを打設を行い、品質を確保するために無くては
ならない工程である。
だから
場所打ちコンクリート杭の中で、現場監督の仕事としては、
鉄筋かごの配筋検査やコンクリートの打設管理などに、
どうしても目が行きがちだけど、たまには「スライム処理」も
チェックしておこうね。
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