前回は、鉄骨工事の施工計画書の全9項目のうち
4~6項目までをお伝えしました。
最初から読みたいあなたはこちらからどうぞ。
今回は続きからお伝えします。
7 他工事との関連
小さな現場だと前工程が終わらないと鉄骨工事に掛かる事が出来ないし、
鉄骨工事が終わらないと次の工程に進むことも出来ません。
また
大きな現場であれば鉄骨が建て終わったスパンから次工程の工事が
進んでいるのが実情です。
しかし
基本的に順序が変わることはありませんし、他工事との関連も
現場の大小関わらずやることはほぼ同じです。
で
「他工事との関連って?」
と私も書きながら考えていましたが中々思い付かずにいます。
あまり意識して記入してないなと思いながらいますが
例えば
- アンカーセットの前の状況、セット後から打設までの管理
- 鉄骨建方後の躯体工事への移行の辺り
ですかね…。
8 安全管理
「落ちたら死ぬで~!」
と言うのが鉄骨工事です。東京タワーを建てる時の映像を見た時
「正気の沙汰では無いわ!よう命綱無しで仕事してるな~!」
と正直引いて見てました。私なら命がいくつあっても足りません。
とにかく
鉄骨工事は危険がいっぱい
- 高所からの転落
- 吊り荷の落下
- 吊り荷との挟まれ
- 重機、車両との接触
- 地面においた材料の転倒
など、死亡事故や重傷になる危険性の高いシチュエーションが多いので
これかの項目に対しての内容を網羅しておきましょう。
9 ●作業のフロー、管理の項目・水準・方法、品質管理体制、管理責任者、品質記録文書の書式とその管理方法
ここで●印がついているという事は重要だという意味なのですが、
この回で長々と書いてしっても仕方ないので今後の記事で少しずつ
区切って書いていきますのでその都度ご確認下さい。
私のブログ記事のモットーとしては「1記事1内容」としてます。
そこで
今回は「施工計画書」の記事なので大まかな流れとポイントに
充填を絞ってお伝えしていきます。
まず
「作業のフロー」ですが、作業をフロー図に示す事のメリットは
作業の流れと各手順における合否のポイントおよび結果によって
手順がどの様に変化するか?が「現場への関わりが少ない人でも理解可能」
と言う所で、何件も現場を掛け持ちしている工事監理者さんでも
現場がどの様に管理しようとしているのか?が明確になるのです。
そして
実は、この作業フローはチェックする側だけでなく作成する側にも
「いつ、どこで、誰が、どんな確認をすべきか?」について
自己理解する為にも有効な手段だと私は考えていますよ。
次に
「管理の項目・水準・方法」については、今のところ1つ1つの項目に
対してお伝えする予定は無いのですが、
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」の中に
各管理項目に対しての管理基準、確認の方法が表でまとまっていますので、
あなたが鉄骨工事担当者であれば、是非ともご購入して確認して下さいね。
それから
「品質管理体制、管理責任者、品質記録文書の書式」についても、
先程の作業フローと、先述の組織体制とのセットで「誰が、どの時期に」
確認するのか?を明確にするような視点で記載すると良いでしょう?
記録する帳票があれば最後に別紙として添付しておけば良いですからね。
最後に
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の該当部分を確認して下さい。
P.522
(5) 受注者等及び鉄骨製作業者が、工場製作及び工事現場施工に先立ち作成する施工計画書・工場製作要領書・工事現場施工要領書の記載事項は、概ね次のとおりである。
なお、●を考癒しながら品質計画を作成する。
(ア) 施工計画書(鉄骨工事全体の品質管理要領を含む)
- 総則及び工事概要
- 実施工程表
- 受注者等の管理組織、工事担当及び協力業者
- 仮設計画
- 建方計画
- 接合計画
- 他工事との関連
- 安全管理
- ●作業のフロー、管理の項目・水準・方法、品質管理体制、管理責任者、品質記録文書の書式とその管理方法
つまり
鉄骨工事の施工計画書には大きく分けて、工場製作編と現場施工編があり、
実際に施工を行うための施工要領書が別に作成されます。
それぞれの内容については下記の通りです。(●は特に考慮すべき事項)
(ア) 施工計画書(鉄骨工事全体の品質管理要領を含む)
- 総則及び工事概要
- 実施工程表
- 受注者等の管理組織、工事担当及び協力業者
- 仮設計画
- 建方計画
- 接合計画
- 他工事との関連
- 安全管理
- ●作業のフロー、管理の項目・水準・方法、品質管理体制、管理責任者、品質記録文書の書式とその管理方法
次回からは「鉄骨製作要領書」に関する記事をお伝えします。
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