大梁と取合う柱の内部にはあばら筋(スタラップ)は必要ないが、
小梁と取合う大梁の内部にはあばら筋(スタラップ)はどちらを配筋しますか?
と急に聞かれるとあなたは即座に答えることが出来ますか?
きっと、あなたは答えることが出来ないでしょう。
なぜなら
あなたはここまでブログの文章を読んでいるからです。
もしも、あなたが即答できるのであれば
「そんなん、読むまででもないやん」
と言って中身まで読まないからです。
現場で活躍している皆さんはそんなに暇では無いからです。
しかし
このブログは現場配属初日からの疑問に段階的に答えていく。
という事をモットーにしているの安心してください。
まず
取合い部分について他の部分の配筋が必要か?については
施工の順序を考えてみるとよく分かります。
そこで
施工の順序から追っていくと、まずは柱の鉄筋を組み立てて、
それから壁筋を組み立てます。
それから
大工さんがスラブを張って、大梁 → 小梁 → スラブ
という順番で組み立てていきますよね。
そこで
大切なのは、取合う部分は前に組み立てた部位に後から組み立てた
部位を施工するというのは難しいが、逆は可能だということです。
例えば
大梁の場合は、先に組み立てた柱の中に組み立てるのは、
定着として必要な主筋のみで、あばら筋などは材料を入れ込むのも
非常に困難な状況になります。
しかし
大梁を全て組み立てた後に小梁を組み立てるのであれば、
大梁と小梁との取合い部分は先に配筋された大梁が存在していて、
小梁は定着する部分の主筋が配筋されるだけとなるのです。
このように
ふと現場をしていて疑問に思ったときは「施工順序」を考えてみると
施工可能か?どうかについて分かることが沢山ありますし、
他の工種について、特に仕上げ工事の方が沢山ありますので、
知識として覚えておくと非常に役に立つ場面が出てきますからね。
最後に
「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」の該当部分を確認して下さい。
P.216
梁に小梁が接合する部分にも, 梁のあばら筋を配筋する必要がある, 割付けは小梁がないものとして配置する.
つまり
大梁と取合う柱の内部にはあばら筋(スタラップ)は必要ないが、
小梁と取合う大梁の内部には大梁のあばら筋(スタラップ)のみ必要です。
なぜなら
施工する順序が柱 → 大梁 → 小梁 となるので、
順序をさかのぼる部位には配筋が出来ないけど、
施工の順序の通りであれば、取合い部分の施工も完了して
いるので、問題ないということです。
同様に
基礎のはかま筋についても施工順序が最後になるので
取合う部分に対しては配筋できない箇所があります。
ちなみに
基礎のはかま筋について、こちらの質問に答える事ができますか?
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