今回のテーマはコンクリートの圧送工であれば分かっている事のはずです。
でも、実際の現場では出来ていない部分があるのは「面倒くさい」という
人として当たり前の感情によるものでしょう。
「頭では分かっているけど、ばか正直にやっていると労力ばかり掛かって、
施工する数量が効率よく上がらないので正直面倒くさい」
という、作業員さんの中にも、あなたの中にも、もちろん私の中にも存在する
ごくごく「普通の感情」によるものです。この「負の感情」を上手にコントロール
する事が現場監督としての腕の見せ所になってきますよ。
それでは
少し脱線した気がしますが始めていきましょう。
まずは
ポンプ車の筒先のホースをスラブ上などから柱の下を打設せずに、
ホースの先を低い位置までおろしてから打設する事で「材料の分離」
を防ぐ事が出来ます。もしも、材料が分割しそうな状態で打設していたら
「筒先もう少し突っ込んで打設しようよ」
と促して下さいね。
2つ目は
1ヶ所に筒先を固定して、バイブレーターで型枠内部で横流しする状態も、
決して良い状況ではありません。筒先を移動する労力に比べると、
バイブレーターを移動させる方が労力としては非常に少ないので、
手を抜きながら効率的に打設するためには「横流し」をしがちです。
3つ目は
横流しをしていると、全体が均一な高さを保つように水平に打ち込まずに
筒先の移動した所ごとに山になるように打設されていることもあります。
だから
打設を行っている時のコンクリートの高さを確認しながら、
十分締め固めてもらってから次の層を打ち込む様に指示をしましょう。
4つ目は
断面の大きな基礎などで、中心のみに筒先をセットして
1箇所に多量に打ち込み、横に流して打設するのではなく、
こまめに筒先を移動しながら打設する事が非常に大切です。
筒先はこまめに移動する。バイブレーターでは横流ししない。
という基本的に皆分かっている事を「あえて」声にして
あなたが指示をすることで「監督としての意思」を作業者さんは、
感じとりますので、頭では「当たり前」と思っていても、
現実に差がある時は「あえて声にして出す」という事を心掛けて下さい。
もしも
あなたが声にしなければ、作業員さんは「現状でも良い」と認識して
どんどんナメられて現場での作業レベルが落ちていきますからね。
ここは踏ん張りどころとして頑張ってみて下さいね。
最後に
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の該当部分を確認して下さい。
P.412
(3) コンクリー卜の打込みは、打ち込む場所へ、コンクリートが分離しないように直接静かに入れて、十分に締め固め、そのコンクリートが落ち着いてから次のコンクリー卜を打ち込むことが大切である。また、壁に打ち込んだコンクリー卜をバイブレーターを使用して柱を通過させて横流しをすると、柱の鉄筋によって粗骨材の移動が阻害され、モルタルの多いコンクリートとなるのでこのようなことは避けなければならない。
打込みの基本的事項を次に示す。
(ア) 低い位置から落とす。
(イ) 型枠内部で、横流しすることを避ける。
(ウ) 全体が均一な高さを保つように水平に打ち込み、十分締め固めてから次の層を打ち込む。
(エ) 打ち込む位置の近くに落とし込む。1箇所に多量に打ち込み、横に流してはならない。
P.412
(6) シュートやホース等の運搬用具から打ち込む位置までの自由落下高さが大きすぎたり、水平流動距雌が大きいとコンクリートに材料分離を生じる。したがって、縦形シュートを用いたり、横流しをしないようにしてコンクリートの分離を防止する。
コンクリー卜を1箇所にまとめて打ち込み、その後パイブレーター等で横流しをすると材料分離を生じるおそれがあるので避けなければならない。コンクリートは、打ち込む場所にできるだけ近い位置に打ち込むことが原則である。
つまり
コンクリート打込み時の圧送工への4つの管理ポイントとは、
- 低い位置から落とす。
- 型枠内部で、横流しすることを避ける。
- 全体が均一な高さを保つように水平に打ち込み、十分締め固めてから次の層を打ち込む。
- 打ち込む位置の近くに落とし込む。1箇所に多量に打ち込み、横に流してはならない。
上記のポイントは、頭の中では「常識的な事項」だと分かっていても、
実際の現場では、少し気を抜くと非常に起こりやすい内容ですし、
バタバタしていると、あなたが見逃しやすいポイントです。
だけど
「当たり前」の事に対して、わざわざ忠告することも難しいですよね。
そして、どの様に作業員さんに対して言うべきかも迷うポイントです。
そんな悩みを持つのはあなただけでは有りません。
こちらの悩みを共有するので、あなたも参考にしてみて下さいね。
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