「確認申請おりたから直ぐに工事を進めて欲しい」
と設計事務所から言われることがある。
しかし
現実は、そんなに簡単に事は進まない。というのは、
杭工事を始めようとしても、「杭の材料」が完成していないから。
当然ながら、杭の材料を調達するためには期間を要する。
具体的には
鉄筋などの材料は在庫の状況などにもよるけれど、
ロールで発注すれば1~1.5ヶ月位は掛かる。
既製コンクリート杭の場合も端部の金物などの材料が、
ものにもよるけど1ヶ月ぐらい掛かる事もあるはず。
更に
鋼管巻きの杭の場合は、鋼管の納期が通常3ヶ月かかる。
ということは、今から発注をしても杭が出来上がってくるのが
何と3ヶ月後となるのだ。
そこで
あなたが現場に乗り込む前に、仕事を受注するにあたって
工事のスケジュールなどを社内の誰かが調整するのだが、
当然、杭の発注スケジュールを踏まえて調整をしているはず。
もしかすると
あなたが現場に乗り込んできた際には、社内の誰かが「鋼管」
を既に発注していて、来月早々には杭が出来上がってくるかも
しれないし、逆に今から発注で3ヶ月間を準備期間に当てることが
出来るかもしれないのだ。
実際に
私が現場に行く時に、どちらの状態が良いか?と言われると、
圧倒的に後者。つまり、準備期間がしっかりと取れた方が、
計画や書類、図面の作業が先行できるのでありがたい。
しかし
あなたが若くて現場でバリバリの状態なら、9割の確率で
現場が始まるギリギリで呼ばれるかもしれないけどね。
つまり
工事を受注してから、最初の工事である杭工事の着工時期は、
杭の材料の納期で決まることが多い。
その杭の納期の中で一番掛かるのが「鋼管」である。
鉄筋などは、材種にもよるけど1~1.5ヶ月で納入可能なのに対し、
鋼管は3ヶ月程度納期が掛かるので注意して欲しい。
もっとも、杭の納期と全体工程の話は、仕事を受注する前の話なので
あなたには関係ないと感じるかもしれないが、工事着工までの準備期間を
考えるために知識として知っておいても損はないよ。
そして、積算や工事の事前の計画などで受注に絡む仕事をしていれば
必ず覚えておくべき内容であると私は感じるよ。
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