前回に続いて最後は「工事現場施工要領書」編をスタートしていきます。
(ウ) 工事現場施工要領書(工事現場施工範囲の品質管理要領を含む)
今回からお伝えする現場施工要領書については、過去の内容の中で
あなたが現場で施工管理に携わるなかで一番身近で、かつ知っておくべき
内容だと私は考えていますので、必要に応じて何度も読んでみたり
分からないことは私まで気軽にお問い合わせをしてみてください。
1 総則及び工事概要
この欄については、先程の施工計画書と同様に基本的な事項が
間違いなく記載されていれば良いので特に問題になることは無いでしょう。
2 工程表(アンカーボルトの設置・建方・高力ボルト締付け・溶接作業・完成検査等の時期)
鉄骨造の建物での鉄骨工事は全体の工程を左右するくらいのメインです。
だから鉄骨工事の工程の検討は非常に重要です。
実際に
鉄骨の建方~高力ボルト締付けもしくは溶接作業~完成検査という
流れを工区(水平方向の区分け)ごと、もしくは節(垂直方向の区分け)
ごとにラップさせながら工程を書いていく事になります。
事前に鉄骨業者と1日に施工できるピース数などを打合せを
行いながら、どのように区分けを行うのが効率的かという観点から
工程を検討することが大切だと私は考えています。
だから
1日に施工できる分量を把握しながら、階を積み上げる様に建てていくのか?
敷地の奥側から最上階までを一気に建てながら手前に移動してくるのか?
建て方のステップ毎の機械の配置計画を考えながら工事を計画すると
現実の建て方時にトラブルが少なくなりますので、専門業者とも
良く打合せを行って、手順と工程を詰めていって下さいね。
また
工程の関係で「忘れ物」になりやすいのが「アンカーセット」です。
鉄骨建方まで期間があると気が緩んでしまい基礎のコンクリート前に
慌てて鉄骨業者さんにアンカーセットをお願いすることが無いように
工程表にも、あなたの頭の中にもしっかりと入れておいて下さいね。
3 作業の管理組織及び協力業者、工事担当 (施工管理技術者・溶接施工管理技術者・非破壊検査技術者・溶接技能者の氏名、保有資格等)
実際に施工する会社どこか?
誰が鉄骨建て方の責任者か?
溶接の場合はどんな資格を保有している人が施工するのか?
UTなど非破壊検査は誰が行うのか?
というのは、現場で実際に施工管理を行うあなたにとっては
記載されている内容については、そんなに気にしないかも知れません。
実際に
施工する人の顔と名前がイメージできるような関係であれば
いちいち要領書に書いてなくても「知ってるわ!」と感じるかも
知れません。
たしかに
私も通常の施工前には、確認しておくべき内容であっても
トラブルがなければ特に気にしなくても良いと感じますが、
もしも、トラブルが発生した時には「誰の名前が書いてあるか?」
がいきなりクローズアップされてきます。
もしも
元請担当者の欄にあなたの名前が書いてあれば、
トラブルが起こった時に色んな人から
「あなたは担当者だったんでしょ!
なぜ、把握が出来ていなかったの!」
と詰め寄られる場面があるかも知れませんから、
トラブルが極力起こらない様な準備はしておきましょうね。
今回はこのあたりでおしまいです。
また次回。
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