ダブル配筋の端部にあなたはこの様な納まりを見たことがありませんか?
私は過去に1つの現場の中に複数の鉄筋屋さんの班が入っている時に、
コの字のキャップを付けている班と、付けていない班が存在した事があります。
それぞれの言い分はこうです。
キャップを付けている班の職長さんは
「過去にある工事監理の人にコの字キャップが必要だと言われたので、
それ以来文句を言われたくないからずっと入れてます」
と、逆にキャップを付けていない班の職長さんは
「必要ないものをわざわざ入れる事は全くない」
という最もな2つ意見でした。
そこで
「そもそも、コの字のキャップは必要なのか?」
ということで、「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」
の該当部分を確認してみました。
すると
P.232
(イ)特に指示する場合の例
(ロ)複配筋の場合
(ハ)単配筋の場合
[注]○印鉄筋(コーナー筋)は設計図書の特記による.
(d) 壁端部の納まり
メモ:(d)で設計上,非常に重要な耐力壁の場合には,(イ)の納まりとし,設計図書で指示する.一般の場合は(ロ)でよい.なお,耐力壁内の比較的小さな開口部のコーナーは(ロ)でよい.
ただし,開口補強筋は設計図書に別途指示する.
という結果となりました。
結果として
一般的には必要ないということで、必要だと思うなら付けましょう。
ということに落ち着いた記憶があります。
ただし
端部の鉄筋の幅を確保するための「幅止め筋」の役割としての
コの字は品質上必要であると感じますよ。
設置するピッチは1mピッチ程度で良いと感じますけどね。
また
「何故、前者の鉄筋屋さんはコの字のキャップを指示されたのか?」
について考えられることは
- 指示された現場が用途上重要な施設だった
- 工事監理者さんが過去に重要な施設を経験しており、その時の納まりを継続している
- 工事監理者さんが過去に「必要ですか?」と聞かれたことで、何気なく必要なものだと認識してしまった
などが考えられますが、
「工事監理者さんに言われた事が絶対ではない」
という事も現実にはありますよ!怪しいと感じた場合は
一度なにかの文献などで確認し見ましょう!という話でした。
つまり
ダブル配筋の壁筋端部にはコの字のキャップは必要か?
という問いについては「一般的には必要ない」が、
非常に重要な耐震壁には必要なので設計図書の特記仕様書は
一応確認しておくのが良いです。
ただし
日本人の9割は、自分の判断が付かない質問に対して、
「○○やっておきましょうか?」
と聞かれると
「お願い」
と、つい言ってしまいがちですよね。
その「つい」がつもり積もって本来やらなくても良いことを
あなたもしているかも知れません。
あっ、
必要、不必要といえば過去にこんな記事もかいたっけ?
合わせて読んでみて下さいね。
↓ ↓ ↓
この記事へのコメントはありません。