コンクリートの打込み終了までの時間は90分、120分で良いのか?

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生コン工場で製造されたコンクリートには「消費期限」があります。

製造されてから現場で打ち込まれるまでには、
夏季は90分、その他の時期は120分以内に完了しなければいけません。

 

だから

最終的には、コンクリートの打設完了までの時間が規定時間内で
納まっていれば問題ありませんが、最初からMAXの時間で管理するのは
いかがなものか?と感じています。

 

なぜなら

コンクリートの打設と言うのは「予定通りにいかない」という場面が
他の工種よりも圧倒的に多いからです。

 

すると

何かトラブルがあった時でも生コンを無駄にしないように、
60分位で打設完了するように計画を立てておくべきだと考えます。
食べ物に例えるとするならば、計画した打線完了の目標時間60分を
「賞味期限」となり、90分または120分を「消費期限」になります。

 

すると

現場の中では、トラブルなくテンポよく打設を行う必要が出てきます。
型枠のトラブルなく打設を行うためには、側圧を過剰にかけないように
柱、壁を数回に分けて打設を行うことになるので、リズムよく回ると
コールドジョイントを減らす事になり品質的にも向上しますよね。

 

ここで

1つ注意点があります。私は先ほど適当に60分という「賞味期限」を
設定したのですが、この時間は現場によってバラバラになるので
あなたの現場での現実的な時間設定を行って下さい。

 

例えば

生コン工場から5分で到着出来る現場と、40分かかる現場では、
現場到着から打線完了までの時間が同じでもトータル時間は異なります。
運搬時間や現場の打設部位などを考慮しながら自分の中で設定して
試行錯誤することで「感覚」は養われていきますからね。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

P.411

6.6.2 コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間

(1) コンクリートは、練混ぜ終了後、時間の経過に伴ってスランプや空気量等のフレッシュ性状が変化する。レディーミクストコンクリート工場では、工事現場到着時に所定の品質を保証しているが、経過時間が長くなるとスランプの低下が大きくなり、コールドジョイント発生のおそれが高くなる。したがって、「標仕」では練混ぜ開始から打込み終了までの時間を外気温が 25℃ 以下の場合 120分以内、外気温が 25℃ を超える場合 90分以内と定めている。JIS A 5308 (レディーミクストコンクリート) では、レディーミクストコンクリートの工事現場までの運搬時間の限度を1.5時間としているので、到着したコンクリートをできるだけ早く打込みができるように準備をしておくとともに打込み速度に合わせてコンクリートが搬入されるように配車計画を立て、現場での待ち時間をできるだけ少なくする。また、コンクリートポンプで圧送する場合には、コールドジョイント防止の観点から長時間中断しないで圧送することが大切である。

(2) 練混ぜから打込み終了までの時間は、コールドジョイントや豆板等の施工欠陥を防止す目的で定めたものである。したがって、コンクリートの練上がり温度を下げたり、凝結を遅らせるなどの対策を取れば時間の限度を越えても欠陥を生じないで施工することは可能である。工場から工事現場までの運搬時間が長い場合等で、このような措置を講じて練混ぜから打込み終了までの時間の限度を変更する場合には、上述のような品質確保の方法が行われることを確認した後に承諾する。

 

つまり

コンクリートの打込み終了までの時間は90分、120分で良いのか?
については、最終的な期限として90分、120分を設定しておいて、
基本はもっと短い時間で打設完了するような計画にしておくことが
トラブル対策として非常に有効です。

 

すると

打設計画はコールドジョイントを減らすためには、もっと短い時間で
こまめに回るような計画となるはずなので品質的にも良くなります。

 

だけど

ぐるぐる回りすぎると「段取り替え」ばかりで作業員さんから
ぶつぶつと文句が出るかも知れませんよね。
作業員さんに文句を言われるギリギリで管理するのも現場監督の
「腕の見せ所」と考えると、こちらの記事もチェックして見て下さいね。

↓ ↓ ↓

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