実際に工事を始める前や起工式の前などに
建物位置の「縄張り」を行なうことが多い。
「縄張り」とは、文字通り建物の大まかな形状が
分かるように、実際の通り心の位置や外壁の位置で
「縄を張って」誰にでも分かるようにするのだ。
では
なぜ縄張りを行う必要が有るのか?
まずは
実際の境界からの距離が、図面上の法的な後退距離が
確保できているのか?ということを確認するためである。
前面道路からの後退距離や、隣地からの離隔距離などが
法的に決められている場合は必ず確認すべき項目。
もしも
図面上に記されている「法的な数値」が満たされていないと、
建物が法的に満たされていないので、建築の完了検査に合格せずに
いつまで経っても「箱」の状態から「建物」の状態になることはない。
だから
法的に合致しているかを最初に確認しておこうね。
次に
建物位置を出して、敷地からの距離を確認することで
ベンチマークからの測量の出し間違いを防ぐことが出来る。
なぜなら
最近はトータルステーションで建物位置を出すことが多いが、
もしも、座標の入力を間違えてしまうと、発見するのが困難だから。
特に、「器械点」と「後視点」が間違えていると、建物形状はそのままで
位置や角度が全体的にずれてしまうから。
だから
一度距離を出して、図面上で分かっている境界などからの距離を
チェックすることで測量間違いを防ぐことが出来る。
敢えて、面倒くさくても建物を施工している途中で
間違えに気づくと建物自体が「作り直し」になってしまうので
ぜひとも確認しておきたいところだよね。
最後に
建物位置を具体的に「縄」で表示することにより、
イメージしやすくなるという利点がある。
たとえ、図面を見て、形を把握していたとしても
実際のスケール感というものは図面を見ていても
ピンときていない人も多い。
だから
起工式の前に「縄張り」を行っておくことで、
「へ~、こんな形の建物になるんだ」
と出席者の偉い人達がイメージできるから。
別に、偉い人の為だけは無いけれど、どうせやるなら
偉い人達にも分かって貰いたいよね。
つまり
建物位置の縄張りを行なうことで確認できる3つの事とは、
- 境界線からの距離
- ベンチマークからの測量間違いの有無
- 建物形状のイメージ
実際に目の前にして初めて気がつくこともあるかも知れないね。
でも、私達の仕事は図面段階で問題点に気づくことを
目指しているので、こちらの記事も合わせて読んでおこう。
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