あなたは「自分に都合よく解釈しがちだね」なんて言われたことある?
自分では全くそんなつもりがなくても、AとBの事例が
客観的にみるとほとんど同じなのに判断が異なっている。
なんて、1つや2つあるよね。今回はそんな話。
かつて
鉄筋屋さんと話していたら
「うるさい設計事務所の先生は結束線のかぶりまで言うんだよ…」
という話題がたまに出ていた。あなたも同じ話を聞いたことあるかな?
他にも
「梁の鉄筋のかぶりは取るけど、段取り筋は勘弁して」
なんて頼まれたことないかな?
確かに
構造体のかぶりさえ取れていれば影響がないという考えがあるかも知れない。
しかし、結束線や段取り筋のかぶり不足部分から錆び汁がでたり、
爆裂した隙間から水分が浸入して構造体の鉄筋に悪影響を及ぼす
という可能性もなきにしもあらずである。
そして
一番大切なのは、構造体の鉄筋も、結束線も、段取り筋も
全て「同じ鉄」であるということ。
それぞれを区別しているのは関係者だけであって、
実際に鉄を錆びさせる「水分」や「空気」には判別出来ない。
自然というものは、どのような用途に使われていても、
特殊処理されていない同じ鉄については同じ化学変化を起こすだろう。
用途の違いというのは私やあなたを含めた建設技術者が
勝手に「都合よく」決めているに過ぎないからね。
ちなみに
結束線のかぶり厚さの件に関しては設計事務所の先生のワガママではなく
「建築工事監理指針(令和7年版上巻)」にも記されているので
理解しておくことをオススメしておくよ。
P.299
(7) 結束線の端部は, かぶり厚さを確保するために内側に折り曲げる。
では
セパレーターはどうなるの?
とあなたは言いたくなるかも知れないけど、セパレーターは
コンクリート打設後には応力を負担しないのでPコンなどの
後処理を行うことでOKだと私は考えているけどね。
つまり
鉄筋のかぶり厚さには「結束線」や「段取り筋」も含まれる。
なぜなら
かぶり厚さが不足して錆が起きるときには
「これは主筋だから錆びても良い」
「これは段取り筋だから錆びる設定ではない」
などと、鉄筋が勝手に判断してくれる訳ではないから。
だから
コンクリート中にあって「鉄」の素材で出来ているものは、
所定のかぶり厚さを確保した内側に存在するか、適切な防錆処理が必要だよ。
ちなみに
勝手に判断してくれないと言えば、「判断力」について
過去にこんな記事も書いているので合わせて読むと効果的だよ。
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