鉄筋のかぶりが不足していると建築基準法施行令違反である。
だったら
絶対にかぶり不足にならないくらい十分にかぶり厚さを確保すれば良い。
という考えについて、あなたはどの様に感じるかな?
今回は、かぶり厚さが過大であった場合の問題についてお伝えしよう。
まず
鉄筋のかぶり厚さが何故必要なのか?ついては過去に
こちらの記事などで説明しているので確認してみてね。
そして
そもそも鉄筋コンクリートは、圧縮力をコンクリートが主に負担して、
引張力を主に鉄筋が負担しているので、無筋コンクリートだと
ひび割れが生じやすい。
更に
コンクリート自体も収縮するので、自分自身が収縮することによって
部材のどこかが「引っ張られる状態」になり、ひび割れが生じやすい。
だから
鉄筋コンクリートの「鉄筋の役割」というのは、引張力の負担と同時に、
コンクリートのひび割れ防止の役割も担っている。
モルタルを打設する床に、ひび割れ防止用の細径のメッシュ筋を
敷き込んでおくのと同じ原理である。
また
耐力壁などは特に、壁厚が180、200、240などと小刻みに
数種類あるということがあるよね。
この場合の壁厚の違いは、内部の鉄筋の最外部の距離が
構造耐力に影響を与えているからである。
だから
壁筋のかぶり厚さを勝手に大きくすると、本来の壁筋に必要な
耐力を得ることが出来なくなる可能性があるので、
構造設計者に確認が必要だよ。
つまり
鉄筋のかぶり厚さが確保できていれば極端に大きくても良いのか?
という疑問に対しては「NO」である。
外周部に無筋状態の部分が厚いと、ひび割れが起きる可能性があるので
必要に応じて鉄筋で補強する必要があるから。
一般的には70mmの増打ち(実質は100mm程度)の無筋状態だと
補強する事が多いので知識として覚えておいてね。
そして
同じ断面積の構造部材でかぶり厚さが違うと、鉄筋の幅が変わるので、
場合によっては必要な耐力が得られない可能性があるから、
かぶり厚さを変更する場合は構造設計者に確認が必要だよ。
また
補強している部分については、全数でなくても工事写真として
撮影しておくことをお勧めするよ。
もしも
数年後に、ひび割れが発生した場合には最後は写真が頼りになるからね。
更に、工事写真については過去にこんな記事も書いているので参考にしてね。
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