鉄筋工事担当になった場合に管理すべきは配筋の本数や径だけではない。
鉄筋には所定の「かぶり厚さ」が規定されておりその数値を守らないといけない。
だけど
かぶり厚さについて質問をしても
「この数値を守っていれば良いんだよ」
と、設計図書の特記仕様書や建築工事標準仕様書の該当欄を
見せられて終わってしまうだけの場合もあるかも知れないね。
そこで
今回は、先輩たちにはスルーされてしまいがちな鉄筋工事の
基本の「キ」についてお伝えしていこう。
まず
そもそも、なぜ鉄筋には「かぶり」が必要なのか?
理由は
鉄筋は空気と水分と接触すると「錆(サビ)」が発生するから。
鉄筋に表面上の赤錆だけではない、錆が生じると断面欠損が
生じることにより所定の耐力が期待できなくなるから。
でも
鉄筋の錆とかぶり厚さはどのような関係があるのだろう?
確かに
鉄筋がコンクリートの中に入っていれば水分や空気と接触しないので
錆などの劣化現象が起きないというのも1つの理由である。
更に
コンクリート自体が強アルカリ性であることも理由としてあげられる。
かつての理科の授業を思い出して欲しいけど「酸性」と「アルカリ性」
というのがあるよね。身近なところでは化粧品や洗剤などで出てくるかな。
鉄が錆びるのは、鉄が「酸化」するのが原因なので、アルカリ性の
コンクリートの中に鉄筋がいると参加しにくいのである。
そして
築年数が経ったコンクリートは表面から徐々に奥に向かって「中性化」と呼ばれる
アルカリ性から中性に変化していく現象が発生して錆の進行が進むのだ。
だから
建物の中で引張力を負担している鉄筋が「酸化」するのを防ぐために
アルカリ性のコンクリートの中に一定の距離を保って内側に配置される
「かぶり厚さ」というのが重要になるのだ。
結局
鉄筋のかぶり厚さを規定通りに確保することが、鉄筋の劣化を防ぎ
建物自体を高寿命化させることに重要な役割を担っている。
今回は、そもそもかぶり厚さが何故必要か?という点についてお伝えしたので
具体的な数値を掲載してお伝えは出来ていないけど次回からの記事で
お伝えしていく予定なので合わせて確認して欲しい。
ちなみに
次回からの記事でお伝えしようと考えている内容は
- 建物の高寿命化とかぶり厚さの関係
- 最小かぶりと設計かぶりの関係
- 部位別のかぶり厚さについて
- かぶり厚さと仕上げの関係
を予定しているよ。
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