鉄骨の工作図というのは、現場で作成するものというより
鉄骨製作工場(ファブ)が製品を造るための基礎となる図面です。
だから
もしも、あなたが図面チェックを間違えてしまうと、気の利いた
製作工場の担当者が気付いてくれない限り、そのまま製品が造られます。
「やっべ!間違えてる!!」
と気付くのは、現場に間違った製品が運び込まれたタイミングとなり、
焦って犯人捜しをしてみたものの、自分自身の間違いである事が
判明した時は、もう顔が真っ青な状態となるのは確実です。
ほぼ100%の確率で工場にお持ち帰りになって、
工程にも多大な影響を与えてしまいますからね。
そこで
今回は、あなたの大失敗を防ぐために必要な基本の「キ」の
チェックポイントをお伝えしましょう。
まず1~3つ目をまとめて説明しますが以下の通りです。
1.柱・梁・工場組立部材等の符号の確認
2.建物の基準線と鉄骨の基準線との関係
3.スパン(梁間)、階高等の基準寸法・基準線と各部材等との位置関係
こちらは、以下の記事でもお伝えした通りですが、
図面に描いてある全ての記号・符号は
「そんなの間違って描いてこないでしょう!」
とタカをくくってしまわずに、1つずつ丁寧にチェックしましょう。
あなたも人間、作図した人も人間なので、もしも逆の立場なら
100%確実に間違えないという自信があなたにない限りは
謙虚にチェックすることをオススメします。
なぜなら
基本事項が万が一間違っていた場合は、あなた自身で
「基本的な事項はあっているはず」
という固定概念があるので、どこでミスが起きているのかが
気付かない可能性が高いです。
すると
「あれ、基準間違っていませんか?」
と、図面を見た他の人に指摘されてしまい、
「こいつ、こんな基本的な所がチェックできていないなんて大丈夫か!?」
と不安がられてしまうかも知れません。
なので
当たり前と思わずに、一度は疑ってチェックしておきましょう。
「えっ、何でそんなことを言うのか?」
それは
同じような失敗を私もしたことがあるからです。
基本的な通り芯の寸法や符号はあっていると思い込んでいたら
通り芯ではないけど基準線の寸法が間違っていて、図面チェックを
している途中で、どこが間違っているか分からなくなってしまったのです。
でも、「ここは間違っていない」という所が、実は間違っていたので
間違いを中々見つけることが出来ないのです。
そんなこともあるので、図面に描いてある文字・数字は一度は疑って
確認してみて下さいね。
4.柱・梁・工場組立部材等の形状・寸法
4つ目は
言わずもがなですが、柱・梁は建物を構成する重要な部材です。
もしも、柱・梁で間違いがあれば、建物全体の構造全体に影響する
ので、慎重なチェックが必要です。
部材の長さは、他の部材との取合いを考慮して、ジョイント部の長さを
計算してチェックしないといけないし、部材の厚さを考慮して寸法を
決めなければ行けない事もあるでしょう。
「長ければ現場でカットすればいいや」
という訳にはいかないので注意しておきましょう。
そして
基本的には、構造図の意図する内容が工作図・製作図で
表現されているか?を確認していくわけですが、きちんと構造図の
意味を理解しておかないと、出来た姿は構造図とよく似ているが
実際は全く性能を満たさないモノが出来る場合もあります。
例えば
使用する鋼材の材質です。
SS400、SM490など鉄骨の材質には様々な種類があります。
しかも、柱全体はこの材質だけど、この部分だけは違う材質だよ。
ということもあるので、見落としがちです。
なので
構造図の特記仕様書に記載されてることも良く確認した上で
どこに、どの部材が使われているのか?を確認してくださいね。
長くなったので続きはまた次回。







































この記事へのコメントはありません。