基礎のかぶりは大抵の場合は最小かぶりが60mm、
設計かぶりが70mmで外周の表面からの距離でしょ。
で終了してしまうかも知れない今回の記事。
あなたは一体どのように考えていますか?
「きっと、わざわざ記事にするだけあって何かあるはず!
そうでなければ、わざわざ杭基礎なんて書かないよね」
と感じたあなたは勘が鋭いですね。
そこで
今回は「杭基礎」の場合の鉄筋のかぶり厚さについてお伝えします。
まず
杭と基礎の関係ですが杭頭にキャップなどをかぶせて建物の剛性を
杭に伝えないような工法の場合を除いて、一般的には杭頭補強筋で
基礎と「剛」に接続されていますので、杭と基礎は「一体」として
考えるのが普通です。
しかし
当然ながら杭と基礎は施工時期が異なっていたり、
鋼管巻きの杭の場合はコンクリートと鋼管が接してします。
だから
杭と基礎との間に若干の隙間が生じる可能性があります。
すると
杭と基礎との隙間を伝って地下水などの水分が浸入してくる
可能性があるのです。
もしも
杭に基礎の鉄筋が接していればどうなるのでしょうか?
考えるまでもなく腐食してしまう可能性がたかいですよね。
だから
基礎の底部分の鉄筋のかぶり厚さは「杭の天端」より最小かぶりで60mm、
設計かぶりで70mm必要なのです。
また
逆を言えば、基礎の配筋を設計図通りに行おうとすれば、
必然的に杭の天端レベルが高くてはいけないのです。
杭天端レベルが高いと引張られるように基礎のベース筋のレベルが
高くなってしまい、はかま筋が基礎天端より飛び出してしまうという
恐れがあるからです。
前工程の施工の良し悪しが、次工程の品質に影響する
良い例かも知れませんね。
最後に
「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」の該当部分を確認して下さい。
基礎と杭の接合状態は, 半固定または固定接合のいずれかを仮定して設計するのが一般的であり, 通常(a)図のように枕頭を雌礎断面内に100 mm 程度埋め込む.この場合,基礎筋のかぶり厚さは杭頭より70mm とする.固定接合の配筋の参考例を参考図9.5 に示す.基礎と杭の接合状態・納まりは設計条件に関するものであるので,設計図書に特記する.
つまり
杭基礎の底部のかぶり厚さは基礎底部からではなく、
杭頭の天端から70mmを確保するようにします。
なぜなら
杭の内部、若しくは杭の周辺に出来てしまった軽微な隙間などから
水分などが浸入することによる鉄筋の腐食などを防ぐためです。
すると
既製杭の杭天端のレベルが高いと基礎のかぶり厚さ不足に
なってしまう可能性があるので、杭工事の時点の品質管理を
しっかりと行う事が、実は後の工程に影響を与えているのです。
だから
こちらの記事を合わせて読んで杭工事に関する知識も
つけておいて下さいね。
↓ ↓ ↓
この記事へのコメントはありません。