コンクリートの強度試験用の供試体を採取する本数は何だかんだで
意外に多く取らなければ行けません。
だから、「支保工撤去用」「1週強度確認用」「4週強度確認用」など
と実際に試験する場面を思い浮かべながら供試体の本数を計算します。
しかし
「明日、壁の解体前に供試体割って強度確認しておけよな」
と、上司から帰り際にふと言われることがあります。
「えっ!?壁の強度確認用で採取してないぞ。ヤバい…。」
と青ざめてしまうことも有るでしょう。しかも、コンクリート打設当日には
決してタイムスリップすることが出来ないので、供試体の本数を増やす
という事が絶対に出来ないのです。
しかも
残りの供試体は、今後の強度確認で必ず使用します。
あなたが必要だと感じて計算している基本的な本数について、
上司が必要無いと言う確率は0に等しいですから。
ちなみに
今回は「こうすれば上手く行く」という解決策ではありません。
この場合の解決策は、何かの試験を妥協する以外には無いからです。
しかし
私が「悪魔の囁き」としてタイトルで釣ったのには訳があります。
実は
生コン工場というのは、自分たちがJIS規格に準拠した品質の
コンクリートを製品として提供しているという証拠として、現場とは別に
コンクリートの供試体を採取しているのです。
すると
「私の採取ミスを何とかしてくれるのじゃないか?」
と淡い期待が出てきませんか?でも、基本的には生コン工場の答えは
「NO」です。生コン工場はあなた以上にコンクリートに関してはプロなので
余分に採取してはいないからです。
でも
「聞くのはタダ」ですからね。もしかしたら?と言うことも
あるかも知れませんが、これには日頃の信頼関係がきっと必要ですよ。
だから
コンクリートの圧縮強度確認用の供試体の本数は、
打設前に上司に確認しておきましょうね。
最後に
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の該当部分を確認して下さい。
P.404
(オ) Ⅰ類コンクリートを使用する場合には、受注者等は、自らが実施する品質管理の試験結果及びレディーミクストコンクリート工場が行う JlS A 5308 の品質管理の試験が JlS Q 1011 (適合性評価-日本産業規格への適合性の認証-分野別認証指針(レディーミクストコンクリート)) に基づいて行われているかを確認し、試験結果を監督職員に報告することとしている。
なお、受注者等はレディーミクストコンクリート工場が行う試験結果の報告があっても、受注者等が実施する検査は、省略することはできない。
つまり
コンクリートの圧縮試験費用を低減したい時にひらめく悪魔の囁きとは
「JIS工場としての規定されている圧縮試験を現場に代用できないか?」
ということですが、こちらは行ってはイケない決まりになっています。
あくまでも、現場の品質管理としての圧縮試験と、JIS工場として適切な
生コンクリートを提供している証明である圧縮試験は一緒にはしてはいけません。
でも
「どうせ同じ事やるのだから良いじゃん」というあなたの気持ちもわかります。
現場は、「小さいことからコツコツと費用を抑えていくことが大切」ですからね。
ちなみに
現場で知らず知らずのうちに雪だるま式に膨れ上がっているコストといえば
「常傭工事」ではありませんか?こちらの記事で伝票を減らす秘訣を解説
しているので、ぜひ確認して現場の利益を向上させて下さいね。
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