継手の位置の基本の「キ」!なぜそこで継ぐのか?を理解する

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鉄筋をどの位置でつないでいるかなんて3年目くらいまで
全く気にしてませんでした。というのが私の実のところです。

今でこそ、あなたに偉そうに語っていますが、実際は私も
当然ながら最初から全て理解していたわけではありません。
少しずつ、色々な失敗を重ねながら勉強してきたのです。

 

たとえば

鉄筋コンクリート造の建物では、コンクリートが圧縮力を負担して、
鉄筋が引張力を負担するということは頭では理解していますが、

「では、実際にどの部位には負荷がかかっていて、
どの部位は比較的応力がかかっていないか?」

という所まで理解していませんでした。

 

具体的には

梁の鉄筋について考えてみると、両端部は上端筋に負荷がかかります。
逆に、中央では下端筋に負荷がかかります。

 

つまり

両端部では部材の上側に引張力がかかっていたのが、
中央に進むにつれて上側にかかっていたのが、
下側に引張力がかかってきてスパンの中央で最大になります。

両端部では+1の力が中央にいくに従って減っていって、
中央では-1になるグラフを想像して見てください。

 

すると

両端部と中央部の中間、つまり端部から1/4の地点では、
実質的には応力がほとんどかからない「0」の場所が出てきます。

 

実は

鉄筋の継手の位置は、先程のように「応力負担が小さい箇所」
に設けることが一般的です。
継手性能で母材以上を求めていますが、無用なトラブルを避けるためには、
構造的に影響の少ない場所に設けるのがベターですからね。

 

更に

継手位置については、継手の等級によって施工可能な場所が決まっているので、
あなたの現場の工法と特記仕様書をよく確認してみてくださいね。

 

最後に

鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第6版 [ 日本建築学会 ]」の該当部分を確認して下さい。

 

b.継手の位置

鉄筋の継手は,原則として部材応力の小さいところで,かつ常時はコンクリートに圧縮応力度が生じている部分に設ける.また,継手は1か所に集中することなく,相互にずらして設けることを原則とする.

継手を設けるために施工機器を必要とする場合で,特に施工時にすでに鉄筋位置が固定されるような場合(例えば,柱筋の継手)には,継手施工に必要な空間がとれるように継手の位置および隣接する鉄筋との間隔を決めるように留意する.
梁・柱・スラブ・壁などにおける鉄筋継手の好ましい位置は,9章「各部配筋」に示されている.

継手の位置は設計図書に特記することが原則である.しかし,継手の位置を明確に図示できない場合もあり,この場合は,施工者が工事監理者と協議のうえ,その位置を定める.施工上,設計図の指示どおりにできない場合の変更も同様である.

 

つまり

鉄筋の継手の位置としては、部材応力があまりかからない部位、
若しくは、常時コンクリートに圧縮応力度が生じている所とします。

 

なぜなら

鉄筋は、鉄筋コンクリート造においては主に引張応力を負担するので
圧縮・引張とも応力度の小さい場所や、鉄筋に応力の負担のかからない
コンクリートに圧縮応力度が生じる場所であれば、もしも継手部分の
応力は部材の許容応力度以下であったとしても、建物に悪影響を
与えるリスクが小さいからです。

 

そして

基本的には、鉄筋の継手位置は隣り合う鉄筋とは一定の距離を
離して継ぐことを基本とします。理由としては、先程と同様に、
継手位置が部材の許容応力度より小さい場合でも部材の1点に
弱い部分を集中させないためです。

 

更に

強い部分、弱い部分って人間にもありますよね。
その違いが他人からの評価にも大きく影響することも有ります。
こちらの悩みも合わせて読んで見ませんか?

↓  ↓  ↓

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