根切り計画図って作成する時は、
何に気をつければ良いのか?
何でもはじめて計画するときって、分からないことだらけで、
中々進まないと感じるので今回は最初の基本的な考え方をお伝えする。
まずは
躯体と法尻の余掘りをどのくらいの数値で設定するか?
についてだけど、基本的に私は500mm取るようにしている。
大体500mmあれば、法尻からの勾配でそれ以上の作業の幅が
確保するので作業自体に支障はないはず。
しかし
全て一律で500mmということではなくて、
膝くらいの段差の部分であれば300mm位しか取らないこともあるし、
山留め壁との際の部分は、法面の勾配がないので状況にもよるが、
1000mmくらいとっておくと作業効率が良い。
次に
法面の勾配だけど、以下の表を参考にすると簡単。
P.151
表3.2.2 切土に対する標準法面勾配(道路土工-切土工・斜面安定工指針(一部修正)より)
地 山 の 土 質 切土高 勾配 硬 岩 1 : 0.3~ 1 : 0.8 軟 岩 1 : 0.5~ 1 : 1.2 砂 密実でない粒度分布の悪いもの 1 : 1.5~ 砂 質 土
密実なもの 5m以下 1 : 0.8~ 1 : 1.0 5~10m 1 : 1.0~ 1 : 1.2 密実でないもの 5m以下 1 : 1.0~ 1 : 1.2 5~10m 1 : 1.2~ 1 : 1.5 砂利または
岩塊まじりの砂質土密実なもの、または粒度分布のよいもの 10m以下 1 : 0.8~ 1 : 1.0 10~15m 1 : 1.0~ 1 : 1.2 密実でないもの、または粒度分布の悪いもの 10m以下 1 : 1.0~ 1 : 1.2 10~15m 1 : 1.2~ 1 : 1.5 粘 性 土 1 : 0.8~ 1 : 1.0 岩塊または玉石まじりの粘性土 5m以下 1 : 1.0~ 1 : 1.2 5~10m 1 : 1.2~ 1 : 1.5
引用:建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
最後に
エレベーターピットなど段差が大きな部分で法面で対応すると、
他の部分の施工に支障の出る部分については、簡易土留を
計画することが大切。
簡易土留は300mm~500mm位の段差であれば、
単管パイプを300~400mmピッチに挿入して、
ベニアで土留めをするものがコストと手間がかからないけど、
鋼製の埋め殺しの型枠を代用したりもする。
あっ
根切り計画図を作成する上で、最初にすべき一番大切なことを忘れていた。
それは、掘削深さ毎に色分けをした図面を作成すること。
そうしないと、段差の大きい部分や小さい部分ってわからないからね。
色の情報は、文字の情報よりもあなたの頭の中に入りやすいので、
「色分け」という手法はメチャメチャ効果あるよ。
そして
最後に1つ。現場で作成する計画図はどれでも同じだけど、
「実際の作業の状況をイメージすること」がとっても大事。
どんなに立派な計画図が出来ても、実際に作業できなければ
ハッキリ言って一円の価値もないからね。
つまり
根切り計画図を作成する上での3つのチェックポイントとは、
- 適切な余掘りを設定する
- 地質に応じた法面勾配の設定する
- 段差の大きな部分は簡易土留を計画する
そして
もう1つ大切なのは、突然の雨などで土砂が崩壊するか?
を常に意識しておこうね。この記事みたいになったら大変だよ。
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