「腹筋って定着長さ必要だっけ?」
と不意に聞かれたあなたはどの様に答えますか?
「えっ、基本的に必要ないっすよ」
なのか
「え~っと、どうだっけな~…。確認しておきます」
と答えるのか?はあなた次第ですが、
実際にあなたはどうでしたか?
「答えが最初から分かっているなら記事読まないよ~」
という声も聞こえてきそうですね。
そこで
今回は地中梁の腹筋についてお伝えしておきます。
まず
初めに結論から言うと「基本的に必要ない」です。
なぜなら
腹筋というのは「あばら筋の位置を保持するための物」だからです。
つまり
「あばら筋を保持」するためなら、あばら筋の存在する部分まで
腹筋が存在すれば良いのでパネルゾーンには必要ないし、
定着も必要ないのです。
このように、腹筋の「存在意義」を理解しておけば、
とっさの質問でも自信を持って答えることが出来るでしょう。
ただ
「基本的に必要ない」と答えたからには「例外」もあります。
というのは、腹筋を地中梁に対する横曲げ応力の補強筋として
設計している場合があり、その場合は定着が必要なのです。
だから
地中梁に横曲げ応力を負担させている場合は、特記仕様書や
梁リストに何らかの明示がしてあるはずだし、鉄筋のサイズなども
通常の腹筋とは異なってくる場合が多いので気付くはずです。
「そういえば、確かそんなケースもあるって誰か言ってたな~」
くらいの認識があれば、いざ遭遇したときでも、
あなたなら対応できると私は考えていますよ。
最後に
「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」の該当部分を確認して下さい。
基礎梁腹筋の割付け本数:腹筋は,あばら筋の位置を保持するために配筋するもので,2本のD10以上の鉄筋を一組として,「基礎梁腹筋の割付け本数」によって割り付けることを原則とする.ただし,基礎梁はコンクリート断面が大きく, 鉄筋量が多くなることを考慮し,実状に応じて腹筋の鉄筋径を決め,特記がない限り,腹筋は定着しなくてもよい.
一方,建物に地震力が作用するとき,基礎梁が土圧により曲げモーメントを受けると仮定し,腹筋を横曲げ補強筋として設計する場合がある.この場合には,腹筋の末端部も所定の定着長さL2 またはL2kをとって定着する必要があり, 補強筋の本数とともに設計図書に特記する.
つまり
地中梁の腹筋は定着すべきなのかについては
「基本的には定着しなくても良い」が正解です。
ただし
腹筋に「横曲げ応力」を負担させようとしている場合は
定着の必要な場合もあるので、設計図書の特記仕様書や
梁リストの欄外の記載などはしっかりと確認しましょう。
更に
定着についてはこちらにも注意をして施工しましょうね。
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