鉄筋の役割とは?問題点の解決法の基本的考え

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「鉄筋の役割とは何か?」

と聞かれても鉄筋コンクリート造を扱ったことのある人なら
9割は答えられると感じる。

 

答えは「引張力」だ。

そんなの当たり前だからと心の中で感じたあなたに質問。

 

「鉄筋がなぜ引張力を負担するのに適しているのか?」

 

また

「鉄筋が引張力を作用させるために必要なことは何か?」

と聞いたら答えることは出来るかな?

 

まずは

鉄筋が引張力を負担するのに適している理由だけど、
コンクリートとの相性が良いからである。

相性が良いと言うのは、様々な環境下で鉄筋とコンクリートの
「解離」が起きにくい。ということ。

 

もしも

鉄筋とコンクリートがバラバラになってしまったら、
建物として崩壊してしまうからね。

 

だから

材料が温度によって膨張、収縮する指標である「熱膨張係数」が
鉄筋とコンクリートでほぼ同じであるというのは重要な理由だよ。

 

次に

鉄筋が引張力を作用させるために必要なこととは、
「作用される力が伝達されている状態にしておくこと」

 

例えば

草木を引っ張った場合に抵抗力として一番重要なのは
「根」がしっかりと張っているか?だよね。
根が貧弱だと引っ張った時にすぐに抜けてしまうけど、
しっかりと根が張っていたら中々抜けない。

 

これを

鉄筋に当てはめると「定着」に当たるよね。

 

更に

長い部材にたいして引張力を期待するためには、
部材と部材のつなぎ目、つまり「継手」も重要だよ。

 

ちなみに

建築工事監理指針(令和7年版上巻)」にはこのように書いてあるので確認してみよう。

 

P.286

(3) 鉄筋は、鉄筋コンクリートの構成部材として、主として引張力を負担しているが、部材に作用するこれらの力をスムーズに伝達させる必要がある。このために必要となる継手及び定着の方法が設計図書に指定されている。「標仕」においては、一般的な場合における継手及び定着の方法が示されており、通常は、定着の方法及び長さ、継手の位置及び長さを確保すればよい。特別な形状の部材にあっては、設計図書に特記されるため、これによる。

なお、配筋の状況により、規定された定着や継手を設けることができない場合にあっては、「作用する力を伝達」できるような、定着や継手の方法を受注者に提案させ、これを元に設計者と打合せを行うなどの方策をとらなければならない。

 

つまり

鉄筋の役割とは、建物にかかる「引張力」を負担している。
そのために「作用する力が伝達」されることが重要である。

 

また

圧縮力については、コンクリートが負担しており、お互いの熱膨張係数が
ほぼ同じであるという構造上の特性から鉄筋とコンクリートをペアにしている。

 

そして

鉄筋などは、過密に配筋をしすぎるとコンクリートの流動性や
付着に悪影響を及ぼす事が多く、また所定の定着などを確保
することが困難な状況も生じたりする。

 

そこで

何か疑問や不具合が生じたりすると必ず工事監理者さんへ
質疑をあげて回答をもらうようにしようね。

そうしないと、「現場が勝手にやった」という判断をされかねないよ。

 

更に

工事監理者さんへ質問をする場合はこちらの記事を参考にしてね。

↓  ↓  ↓

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