独立基礎の配筋は大きく分けて「ベース筋」と「はかま筋」となります。
「ベース筋」は基礎の底部にX、Y方向に配置され、
「はかま筋」はベース筋より上部の基礎をおおう様に配置されます。
ここで
「はかま筋って実際には構造的に意味無いらしいよ」
という話が聞こえてきたので今回ははかま筋についてお伝えします。
まず
「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」の該当部分を確認して下さい。
はかま筋は,基礎の肩部に配筋する鉄筋で,通常,独立基礎や連続基礎などでは配筋しなくてもよい. しかし,基礎が偏心する場合や地震時に浮上りを生ずるおそれのある場合などでは,設計者の判断によって, はかま筋を般けることがある.
はかま筋のかぶり厚さは70 mm とし, 直接基礎では末端を90°折曲げとして基礎筋に結束する.通常,はかま筋は,柱脚筋・基礎梁筋の配筋の後で配筋されるので,図のように基礎梁のあるところでは分割し, 基礎梁のないところでは1本で加工した鉄筋を直接配筋するなど,状況に応じた適切な配筋とするのがよい.
なお,応力によっては基礎の肩部に,はかま筋としてではなく, 主筋およぴせん断補強筋として配筋する場合があり,その詳細は設計図書の特記による.
なんと
「はかま筋は条件にはよるけど必要ないと書いてある!」
だったら
- 地中梁の配筋が終わって大工さんが入りたいのに基礎が完成していないから無理!という状況が起こりにくい
- 配筋検査時にはかま筋が倒れていてかぶり不足になる事もない
- 基礎に不意に物を落下させた時に拾いに行く手間が掛からない
などのメリットがあるはず。
しかし
地震時に浮き上がりの恐れのある箇所、基礎が偏心している箇所、
はかま筋としてではなく、 主筋およぴせん断補強筋として配筋する箇所
には必要であるとも書いてあります。
でも
現実には、建物の基礎の中ではかま筋がある方が
基礎の形状を配筋時にイメージしやすいですよね。
更に
はかま筋は地中梁を組み立てたあとに組み立てるので、
地中梁との交差部では鉄筋が連続していない納まりに
なることが多いのですが、
通常,はかま筋は,柱脚筋・基礎梁筋の配筋の後で配筋されるので,図のように基礎梁のあるところでは分割し, 基礎梁のないところでは1本で加工した鉄筋を直接配筋するなど,状況に応じた適切な配筋とするのがよい.
と記載されているので問題ないという事です。
実は
基礎のはかま筋が地中梁を貫通せずに分断されていることに
疑問を持っていたので、今回の記事を書くタイミングで解消されて
心の中ではスッキリしてました。
つまり
基礎のはかま筋は独立基礎においては実際には不要なのか?
については、基本的に配筋しなくても支障はないという答えになります。
ただし
基礎に浮き上がりが生じる場合や、偏心している場合などは
設計者の判断によってはかま筋を設けることが出来ます。
しかし
実際にははかま筋の無い現場に出会った事はありません。
もしかすると不必要な物を一生懸命取り付けていたかも知れませんね。
すると
同じように考えてみるとあなたの身の回りにも「不必要なもの」
って意外にありませんか?
だけど
上部に意見して変更するなんて中々至難の技ですよね。
そんな場合はこちらの記事に書いてある3つの○○を
用意してみてはいかがですか?
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