土工事の埋戻しにはいくつか注意点がある。
今回はその中の1つをお伝えしよう。
土工事の埋戻しの不具合として一番なのは、
「埋戻し土が沈下すること」である。
埋戻し不良により沈下が発生すると、建物周囲にクラックが発生したり
土間スラブ下が沈下すれば、床にクラックが発生する。
では
埋戻し時に土が沈下する原因は一体何だろうか?
私は大きく分けて2つの原因があると考えている。
1つは、使用する材料である。
埋戻しに最適なのは、水締めの出来る砂質系の土が良い。
粘土質の土であれば、どんなに締め固めても空隙が出来やすい。
よって
沈下が起きやすくなってしまうので、特に掘削土を
埋戻しに転用する場合は、土質によるリスクも考慮しておこう。
次に
2つめの原因は、施工方法である。
言うまでもなく、バザーっとダンプから土をひっくり返して
バックホーでカタカタとふんで、ポンポンと押さえただけでは
そのうち沈下してしまうよ。
だから
仕様書に沿って、面倒くさいけど段階的に埋戻すことが重要。
でもね
ここまでは建て前だとすると、本音では
「結局、いくら頑張っても多かれ少なかれ沈下する」
そして
「一番、効果的な沈下を抑制させる方法は降雨」
雨が降れば、地盤はたいてい沈下する。
そこで、何度も何度も雨が降ればいずれ沈下は落ち着く。
だから
建物下はさっさと埋戻しをしてしまって雨を待つか?
たっぷり水締めを行ってから次工程に進むと効果的。
かなり、ズルい考え方だけど土質にもよるので、
仕様書に沿って埋戻しても上手くいかなかった経験による
究極の妥協案である。
でも
さっさとと言うとは、「仕様を無視しろ」ということでなく
埋戻しをしてから沈下するまでの期間を取れれば良い。
という意味である。たとえ人工的に沈下させたとしてもね。
つまり
建築現場の土工事の埋戻し時の注意点の1つに、
「埋戻しした後の沈下」をどれだけ防げるか?
そのためには、「埋戻し材料」と「埋め戻し方法」が重要になる。
細かい内容については今後記事にしていく予定だよ。
そして
埋め戻しの施工計画で大事なのは品質だけではなく
重機が頻繁に往来する安全も合わせて重要だからね。
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