現場にピリッと緊張が走る出来事の1つに
「労働基準監督署の臨検」があります。
「ヤバい監督署だ!とりあえず事務所に上がって貰おう」
と言う合間に、現場に誰かが走っていって現場の不備を是正したり、
指摘されそうな作業をしている人たちをやめさせたり何とか大きな指摘を
貰わないように努めるのが9割だと感じています。
そこで
今回は型枠支保工に焦点を絞って労働基準監督署対策について
一緒に考えていきましょう。
もしかしたら長くなって2本建てになるかも知れませんが…。
まず
型枠支保工の計画図と構造計算書を現場事務所に備えておくことです。
「えっ!?この現場、3.5m以上の支保工無いから作ってないよ!」
とあなたは感じたかも知れませんが、支保工の高さが3.5mを
越えていても、越えていなくても「型枠支保工」を組み立てるのに
「最低限、どの様に組立されるのか?
という計画は必要です!」
と言うのが労働基準監督署の言い分です。実際に、現場事務所で
開口一番に型枠支保工の図面を出せと言われた事もありますからね。
だから
機械設置届の有無に関わらず「型枠組立計画図」と「構造計算書」を
現場に備えておくことが大切です。
次に
型枠支保工の端部、つまりスラブの取合いと足元には「滑動防止」の
措置が必要なので、コンクリートスラブ上にそのままパイプサポートを
立てているだけでは是正勧告などの指摘を受けてしまいます。
例えば
- パイプサポートの足元の穴の中に、コンクリート釘スラブに対して打ち付ける
- 桟木や細長く切ったコンパネをスラブに固定して、パイプサポートと桟木などを普通釘で固定する
- 滑動防止として単管パイプなどでねがらみとしてパイプサポート同士を連結させる
などの、大変手間の掛かる作業が必要です。
ちなみに
先程のような作業は「コンクリートの打設中に滑動しないため」
に必要なので、時と場合によって言い逃れする事も出来るかも知れませんね。
3つ目は
明らかな不良品があれば使用禁止と分かるようにしておくことです。
なぜなら
不良品を故意かどうかは別として使用してしまうと当然ながら
事故の起きる確率は高まるので、労働基準監督署としては、
事故を未然に防ぐために「材料の識別」を求めてくるからです。
4つ目は
パイプサポートを調節するピンは「専用」のピンを使用することです。
こちらは
先程の不良品を使わない!という項目と重複する部分が有りますが、
パイプサポートの高さを調節するために差す「ピン」は
パイプサポートと細いワイヤーでつながっている事が多いので、
材料の運搬時などにチギレてしまうこともあります。
すると
コンクリート打設前であれば、そこまで多くの荷重が掛からないので
代替えの物を差していることがあります。
例えば
セパレーターが刺さっている事も有りましたが、
実際に1tというレベルの荷重がパイプサポートに掛かった時に
曲がらずに持ちこたえる事が出来るか?については、
かしこいあなたなら容易に想像が着くでしょう。
だから
パイプサポートのピンは専用の物で必要な荷重に耐えられる物で
無いといけないという事です。
では
残りの項目は次回にしますね。
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