雨天時は何故ガス圧接作業が中止になるのか?天候との意外な関係

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「明日圧接屋さん呼んでるのに雨だよ~!どうしよう!?」

 

もしくは

「あ~!雨降ってきた~!!このくらいの雨なら圧接出来るかな~?」

とあなたは悩んだ経験はありませんか?私は沢山あります。
なぜなら、原則的に雨天時ではガス圧接作業は中止だからです。

 

では

「雨天でガス圧接作業が中止になるのは降雨のせいではない!」

と言われればあなたはどの様に感じますか?「嘘だ!」と感じますか?
確かに、「炎」と「水」相性が悪いのは幼稚園児でも分かります。

「だったら、ガス圧接を中止しなくても良いじゃないか!?」

と言うあなたの声が聞こえてきそうですね。

 

しかし

「雨」以外でも「雨天時」ではガス圧接作業を中止すべき理由が
あるので、雨が原因でガス圧接作業を中止しなくても良いという
軽率な判断はしないようにしてくださいね。

 

なぜなら

建築工事監理指針(令和7年版上巻)
には「降雨雪時の圧接作業は中止とする。」と記載されているからです。
勝手にあなただけの判断で「続行」とか「中断」とか決めれません。
「続行」するにしても、管理指針の記載内容に沿った対応が必要ですからね。

 

では

「一体何が原因で雨天時にガス圧接作業が出来ないのか?」

については下記のような記述があります。

 

P.329

(3) 一般作業のできる程度の降雨量であれば健全な圧接ができることが実験的に確認されているが、降雨雪に気をとられて圧接作業に集中できず不良圧接を生じかねないため、降雨雪時の圧接作業は中止とする。ただし、適切な防護を施せば作業を行ってもよい。

 

原因としては「降雨雪に気をとられて集中できない」でした。
更に、「適切な防護を施せば作業を行ってもよい」とも書いています。

 

ここで

私が何が言いたいかという言うと、まず「施工不良は起こさないようにする」
という事が大前提の上で、現場を運営していく上では「教科書通りに行かない」
ということが山程出てきますから、「正しい原因」と「正しい対策方法」を
きちんと理解した上で、状況に応じて判断すれば良いと私は考えています。

 

例えば

突然の降雨などでも傘・シートなどで「集中できる環境」を「防護」に
よって作り出すことで作業を継続することもできるでしょうし、
「雨に濡れても不良圧接に直結しない」という認識があれば違った対応も
取ることが出来るかもしれませんからね。

 

結局

教科書通りには現場は必ずしも進まないので、いかに「大義名分」のもとで
上手く現場の作業を進めて行くか?というのもテクニックですからね。

 

最後に

改めて、「建築工事監理指針(令和7年版上巻)
の該当部分を確認して下さい。「寒冷期」「高温期」における対策も
合わせて読んで覚えておくことも大切なので引用しています。

 

P.329

5.4.8 天候による措置

(1) 寒冷期には、溶解アセチレンの気化率が低いため、温湯、専用電熱器又は照明具等を用いて容器を加温 して気化を促進する場合がある。この場合、容器は40℃ 以上にならないように注意する。
なお、火気による加温は労働安全衛生規則第256条によって厳禁とされている。

(2) 高温期における容器は、労働安全衛生規則第263条に従い、40℃ 以下に保つようにしなければならない。夏期の野外では直射日光を避けるため容器をシートで覆うなどの処置を講ずる。

(3) 一般作業のできる程度の降雨量であれば健全な圧接ができることが実験的に確認されているが、降雨雪に気をとられて圧接作業に集中できず不良圧接を生じかねないため、降雨雪時の圧接作業は中止とする。ただし、適切な防護を施せば作業を行ってもよい。
圧接時に強風が当たると炎が吹き流され、圧接面が酸化しやすく不良圧接になることがある。やむを得ず強風下で圧接を行う場合には、完全な遮へいを施して圧接作業を行う。

 

つまり

雨天時は何故ガス圧接作業が中止になるのか?については
通常の降雨量程度であれば健全なガス圧接が出来ることは
確認されているが、降雨雪に気を取られてしまう懸念があるため
通常は降雨時などは作業を中止するようになっています。

 

誰かから雨での作業を指摘された時の「言い訳の1つ」
として知識を持っておいても損はないかも知れませんね。

 

また

高温時はアセチレンガスのボンベが高温により暴発しないために
シートなどで覆う事や寝かして保管しないという2点は
非常に大切なので合わせて覚えておきましょう。

先程の2点は、普段から気にしていないとついつい見逃しがちです。
こちらと同じ状況になってからでは遅いですからね。

↓ ↓ ↓

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