小梁の位置は上部に壁などがある場合は、壁の位置に設置して、
壁の荷重を大梁に伝達する役割を担っています。
また
壁などが上部にない場合は大梁で囲まれたスラブを分割して
スラブに大きな負担をかけないように小梁が一旦スラブの荷重を負担し、
次に大梁にスラブ材などの荷重を伝達します。
ここで
上部の壁などの影響を受けない場合は、スパンを等分
することで左右の小梁の位置は揃いやすく、配筋としても
通し筋とすればスッキリと納めることが出来ます。
そして
鉄骨造の場合は、内部の壁を基本的に「乾式」で行うことが多いが、
鉄筋コンクリート造の建物で水回りなどの用途の部屋がある場合は
壁をコンクリートなどの「湿式」で行うことが多いです。
すると
必然的に隣り合う小梁の位置にズレが生じることがあります。
そのズレによって、どのように納めた方が良いか?については
「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」の該当部分を確認して下さい。
P.226
[備考9.9]
小梁の連続・不連続端大梁を介して隣接する小梁で平面的な心ずれ,あるいは段差がある場合にはその支持条件が連続端であるか,不連続端であるかを設計図書に特記する.平面的に心ずれしていても小梁主筋を連続して配筋できる場合は連続して配筋する,相互の主筋を折り曲げて大梁に定着する場合は, 鉄筋のあきが確保でき, コンクリートの充填性に問題ないことを確認する.
備考図9.17 は,隣接する小梁に段差がある連続端の配筋を示している,(a)は段差が比較的小さい場合で,左右の小梁筋を斜めに折り曲げて連続配筋した場合を示している.このように段差が小さい場合は大梁に定着させずに鉄筋を折り曲げて通し配筋としてよいが,小梁筋を大梁筋の下に配置するなどして,鉄筋相互が干渉しないように配慮する必要がある.
(b) は段差がある場合の連続端の望ましい定着方法を
示している.(c)は右梁の上端筋の定着長さを,小梁の終端と同様に大梁の仕口面からの長さとした場合を示している.この場合,左右の小梁の上端筋の間での力を伝達する過程で大梁のあばら筋に期待することになるので,大梁のあばら筋は小梁主筋と同等にする必要がある.
あばら筋の有効範囲などは設計者が判断することになるが,なるべく(c)のような定着方法は避け(b) のように左右の小梁が一つの梁のように力を伝達できる定着方法とするのがよい. また,段差が非常に大きい場合や大梁の幅が小さい場合, 段差部分で有効せいが小さくなる場合がある.このような場合は,(d)に示すようなハンチを設けることが必要となる.
備考図9.17 小梁連続端で段差のある場合の定着
このように
隣り合う小梁についての鉄筋の納め方については何パターンかありますが、
基本的には、通し筋にて納めるという考え方の基に無理な場合は
それぞれのパターンで一番スッキリする納まりにしようという方針です。
だけど
実際の現場においては、設計者さんの「考え方」もしくは「好み」と、
現場としての考え方が異なる場面がしばしばあるのが現実です。
そこで
今回、あなたに私が期待することは
「先程あげた数パターンのうちで複数の解釈が出来そうな部分に関しては、
事前に質疑などで設計者さんの承諾を得ておく事です」
もしも
一度でも確認しておけば、設計者さんの「好み」や「考え方」が分かるので、
次回からの対応もしやすくなるというメリットが得やすいです。
それは
納まりについての技術的な話に留まらずに
「そういう、細かい納まりは面倒くさいから現場側で判断してよ!」
という意思表示の場合もあるので、設計者さんの「意思決定の希望」も
それとなく確認するのも1つの手段ですけどね。
つまり
小梁が芯ズレした時は連続端にすべきか?それとも?については、
極力連続端になるように通し筋とする納まりを検討するべきであるが
悩ましい場合は、設計者に確認しておく方が無難です。
また
場合により、ハンチを設置すべきパターンもありましたが、
ハンチについてはこんな記事も書いているので合わせて読んで下さいね。
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